照る日曇る日 第1374回
この「エステル記」というのは何回読んでもよく出来たお伽噺のようにけざやかな読後感を残してくれるのは、このユダヤの美人の名前自体が美しいからだろう。
なんせゴーマンな美妃ワシュティを追放したペルシアのクセルクセス大王が、何千何百という美女の中から毎日毎晩1次、2次と味見しながら吟味した美女コンテストを経て選び抜かれた美女中の美女なんだから、それは物凄い美女だったんだろう。
選ばれたエステルは、み目麗しいだけの女ではなく、とても賢かった。後ろ盾のモルデカイと共謀してその特権を巧みに使い、政敵ハマンを血祭りに上げたばかりか、モルデカイを出世させて、占領国のただなかで打ちひしがれていたユダ&イスラエル民族の復権を勝ちとるのであるが、この辺2人に王の印章まで渡してしまうなんて、クセルクセス王はちょっと脇が甘すぎる気がしないでもない。
なお聖書協会共同訳旧約聖書2018年版では「エステル記」本編の他に、続編の「エステル記」も読めるが、こちらはヘブライ語ではなくギリシア語版ではあるが、内容的にはほとんど同じである。
お前さんに寄り添われるくらいなら死んだ方がましだ安倍蚤糞 蝶人