照る日曇る日第1463回
元禄時代の散文だからクイクイく読み流すことができるのではないかと考えていたが、そうは問屋が卸さない。
発句はともかく西鶴の短く区切られた原文には先学の故事来歴や漢文縁語縁句のあれやこれやが濃厚にに詰められ、それらの語群が順接せず痙攣的に飛躍することも多いので、村田穆氏の懇切丁寧な校注の助けなしには、到底無事に読みおおせることはできない。
巻末に付せられた解説、年譜、「近世の時刻制度」「近世の貨幣を巡る常識」にも教えられることが多かった。
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