照る日曇る日第1459回
戦後の台湾に生まれ育った3人の幼友達の、奇想天外なビルダングスロマンずら。
日本人離れした雄大な構想と卓抜なプロット、細部をゆるがせにしない精彩に富む描写力を駆使して物語の駒を進めていくが、相談もなく主語が切り替わるので困惑する。
それから、当初殺人犯になりそうだと思っていた人物が、そうならずに、別人がそうなってしまうのが、意外を通り越して不自然に感じられる。
また、そもそも彼がなんで連続殺人犯になってしまうのかも、ちゃんと書かれていないのは、いささか読者に不親切だと思うのである。
カレンダーを捲り忘れるおらっちの時間は時折止まりつつあり 蝶人