あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2020年長月蝶人映画劇場

2020-09-07 15:01:09 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2310~2319


1)リュック・ベッソン監督の「ルーシー」
アファール原人の始祖にちなんで登場した脳力を100%使用する新人類ルーシーちゃんをスカーレット・ヨハンセンが熱演する2014年の英語をしゃべるフランス映画だが、われらがヒロインは昔ほどの超絶的美女ではなくなってしまったずら。最近は韓国マフィアが活躍するようになったんだね。
2)パゾリーニ監督の「アポロンの地獄」
ギリシア神話を題材にした1967年のイタリア映画だが、オイディプスの悲劇が昔話ではないと悟らせてくれる。臈長けたシルヴァーナ・マンガーノが美しい。
3)ヤン・シュヴァンクマイエル監督の「アリス」
不思議な国のアリスをねたにした1988年チエコ製作の不思議なアニメーション&実写のコラージュ映画だが、見ているうちにどんどん引き込まれていくわいなあ。
4)マイケル・ラドフォード監督の「イル・ポスティーノ」
1994年製作のイタリア映画。チェコの国民的英雄でもある詩人、政治家のパブロ・ネルーダとその影響で詩人となった郵便配達夫の物語だが、詩に興味のあるひとには必見の名画です。ネルーダ役のフィリップ・ノワレがいいなあ。郵便配達夫役のマッシモ・トロイージは、本作品の撮影終了直後に41歳で急死したそうだが、その亡霊が海上に漂っている。
5)サム・ウッド監督の「チップス先生さようなら」
G・ヒルトンの原作も素晴らしいが、1939年製作のこの映画も素晴らしい。この年のアケデミー主演男優賞を超駄作「風と共に去りぬ」のゲーブルを退けて主演のロバート・ドーナットが受賞したのは余りにも当然のことなり。
6)ヘンリー・キング監督の「頭上の敵機」
独軍の唯一のベアリング工場を爆破する非情の鬼軍人グレゴリーペック、そして実写を使った両軍の空中戦も大迫力! 全篇を貫通する異常な緊迫感は、これが戦場だ、これが戦争映画だ、と感じさせる1949年の名篇。
7)リュック・ベッソン監督の「アンジェラ」
堕天使と冴えない青年の恋を巧みに描いたコメディ。長身の金髪天使のリー・ラスムッセンがいいなあ。ベンダーズの「ベリリン天使の詩」のパクリだが、なかなか面白い2005年のおふらんす映画です。
8)チャン・フン監督の「タクシー運転手」
ソウルの個人タクシーの運転手(ソン・ガンホ)の奇想天外な軌跡を通じて、1980年の韓国の「光州事件」を生々しく描く2017年の韓国映画。それにしても民衆に実弾を放つ軍隊は恐ろしいなあ。それにしてもこの映画に出てくるようなジャーナリスト魂の持ち主は殆ど見かけなくなったなあ。
9)リー・ダニエルズ監督の「大統領の執事の涙」
アイクからオバマまで歴代大統領に仕えた執事の半生を通じて遅々とした黒人解放運動の歩みを描く。2013年に製作された「正義の映画」だが、あまり面白くはない。
10)クリント・イーストウッド監督の「ハートブレイク・リッジ」
老いてなお海兵隊員として最後のひと花を咲かせたいと願う東松選手の孤軍奮闘ぶりを描く1986年の戦争物映画だが、紅一点のマーシャ・メイソンがいまいち。


  小津さんの映画に出てくる笠さんの声音を真似て「暑いですのお」 蝶人
コメント
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