西暦2021年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧
ある晴れた日に第663回
右翼共一味神水同心し一瀉千里に国を傾く
植松が担当者でも施設では利用者たちは拒否ができない
靴脱ぎて大統領に投げつけた記者もありけり邦人ならねど
2021年1月3日の庭に生る夏蜜柑で作りしジャム食べ尽くしたり
セイユーで買うてきたワイのドラ焼きがいつの間にやらのうなっておる
ミンミンを喧しと聴く力士哉
九十でノーベル賞を獲る翁
野球終わり相撲終わりて霜月尽
昔なら読みもせん本をバカスカと買うておったが今は図書館
陸海空宇宙の果てまで我が覇権確立するぞと中華帝国
うるわしきで終わる素敵な歌一首トイレで出来たがすぐ忘れたり
「建前と本音は別」てふ本音をば建前として生きよ強い本音で
死に掛けし事はあれども死にもせず七十七の今日を寿ぐ
大体はお昼の2時頃にやってくるお前はほんとに夕刊か?
米国の番犬であるとは露知らず中韓の民にワンワン吼える
フルヴェンの悲しみが爆走していくモーツアルトのト短調シンフォニー
キャスター司会者にミヤネ屋てふ奴がいて政権寄りの発言をする
八方に切り裂かれたる榎の木前衛美術彫刻に似たり
赤塚の六丁目の公園に向かいてとぼとぼ歩く人あり
ベトちゃんの4番の出だしを聴いてみてもさっぱり元気が出ないこの頃
ハジケルという言葉が嫌だ年甲斐もなく恥知らずめが
毎年の竜胆探しに野を行けば竜胆見えず盗掘の穴
巨大なるアンテナ立てしコセキ家を尋ねてみたが誰もいない
一時間おきにトイレに行く我は正確無比の体内時計
外壁を薄いピンクに塗りし人寝られないほど悩んだであろう
もう一度呼んでくれるのを待っている「お父さあーん、ご飯だよおー」
ワクチンを3回接種する国とまだ1回目も打ち終わらない国
捨てられた白いマスクが列をなし鎌倉街道北上中
「30年経てば日本はこう変わる」なんてふ記事を読み飛ばしけり
金持ちぐわぁアルファロメオに乗っている「若者のすべて」を見たこともなく 蝶人