蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第402回
主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.95」
蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第403回
○取引先の社長の還暦を祝うスピーチ
茂原社長、本日は還暦を迎えられましておめでとうございます。*1
茂原さんが会社を設立されたのがちょうど30年前。本日は、会社創立30年、社長生誕60年のおめでたさ二乗の日でございます。
ひとくちに30年、60年と申しますが、印刷屋の商売もハラハラ、ドキドキの連続で、なかなかにスリリングな自転車操業であったようです。ここだけの話ですが、社員思いの茂原さん、給料が払えずサラ金に走ったこともあったとか。わたくしも小さなデザイン会社を経営しているものですから他人事とは思えません。*2
先日も茂原社長いわく。よくぞ30年やってこれた。でも子供が後を継いでくれないのが淋しいよ。とコップ酒をあおりつつ仰っておりました。ところがご長男の一郎君がいつのまにかお父さんのお手伝いをされているようなので、まずは一安心。
茂原さん、どうかこれからも飲みすぎにだけは注意して、これまでどおり頑固商売一筋で頑張ってください。わたくしもおよばずながら応援させて頂きます。
○アドバイス
- 1 祝い事のスピーチでいちばん大切なのは、当人の気持の内部に深く入り込んで、「ともに心からよろこぶ」精神である。
- 2 ①還暦を迎えた当人の気持を想像し、②当人と自分の交友歴を振り返り、③印象深いエピソードを記憶の中から呼び起こし、その幾つかを披露しよう。
「いつまでも元気に働くんだよ」と送りだされぬ最近の家電 蝶人