あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2021年師走蝶人映画劇場その2

2021-12-17 09:55:34 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2709~19

 

1)デヴィッド・クローネンバーグ監督の「危険なメソッド」

フロイト、ユング、ザビーナ・シュピールラインを巡る愛と精神分析学の興味深い物語を2011年に映画化。

 

2)ジョエル・シュマッカー監督の「評決のとき」A Time to Kill

グリシャムの原作を1996年に映画化。再終弁論は胸を打つが、娘の惨死の報復に2人を殺害した父親が無罪放免でいいのだろうか?

 

3)溝口健二監督の「お遊さま」

谷崎の名作「蘆刈」を1951年に溝口が田中絹代と乙羽信子で映像化したが、原作の素晴らしさの1割も生かされていないのでいたく失望。

 

4)田中絹代監督の「月は上りぬ」

1955年製作の田中の第2作は小津の脚本と斎藤高順の音楽に導かれた小津調。しかし中盤の北原三枝をうまく使ったコメデイが思いがけない笑いを生み、監督の個性が輝く。

 

5)田中絹代監督の「乳房よ永遠なれ」

性と生の歌人、中条ふみ子をフューチャーした田中監督の1955年の代表作。ここでは小津調などはかなぐり捨てられている。運命に抗いながら死の床で恋人を「抱く」ふみ子を月丘夢路が熱演。

 

6)ジョルジュ・メリエス「月世界旅行」&セルジュ・ブロンベルグ監督の「メリエスの素晴らしき映画魔術」

前者は1902年世界最初の劇映画のカラー版。後者はその修復作業の舞台裏を明かす2011年の作品。

 

7)リン・ラムジー監督の「ビューティフル・デイ」

元FBI捜査官と少女の腐れ縁を描く2017年のサスペンス映画だが、もっともらしい、けったいな長回しが鼻につく。何かありそで無さそで結局なんもないのである。

 

8)ブレノ・シルヴェイラ監督の「フランシスコの2人の息子」

長年の苦労が実って息子を大ヒット歌手に育て上げた父母の苦労話だがそれがどうした。2005年のブラジル映画。

 

9)ミミ・レダー監督の「ディープ・インパクト」

地球に激突寸前の彗星をなんとか軌道修正させようと無い知恵を必死に編み出す地球人。老練飛行士のロバート・デュバルが渋い。されどいつか地球は彗星激突で滅ぶだろう。1998年の製作。

 

10)橋本光二郎監督の「羊と鋼の森」

宮下奈都の原作を2018年に映画化。調律師を主人公にしたのが新鮮だが、それ以外はどうということもない。

 

  次々にガンになりゆく人々を次々に切るドクターⅩ 蝶人

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