あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

高浜虚子編著・岩波文庫版「子規句集」を読んで

2021-12-18 08:57:44 | Weblog

 

照る日曇る日第1684回

 

こないだ正岡子規の短歌をまとめて読んでみたら、それこそ想定外に詰まらなかったので、正直にそういう感想を述べたら、ある人から「あんさん、松江に行ったら気をつけよなはれ」と警告されたのだけれど、コロナだし、カネも無いし、もう晩年だし、ヤクルトじゃないけど、絶対行かないから大丈夫。

 

でもしばらくしたら、以前学友のニシムラ君が、「子規はやっぱ短歌より俳句だね」というておったのを突如思い出したので、その本丸の俳句をまとめて読んでみたのだが、案に相違して、これが子規が軽蔑していたいわゆる「月並み」ばかりなので、またまた驚いてしまった。極端なことをいうと、有名な辞世の3句を除いて、心に響かない駄句ばかりなのだ。

 

急いで何度も読んだことのある「古今集」と「新古今」を読み返してみたのだが、「蝶よ、花よ、ホトトギスよ!」と技巧を尽くした言葉の上だけで実感のない空虚なウソを連発しているだけで、(西行の一部の作品を除いて)、じつに無味乾燥な作品ばかりだと歎じるのみ。きっと4月に交通事故に遭って以来、おらっちの頭がどうにかなってしまったのだろう。

 

そこで色々考えたのだが、今回はとりあえず、こおゆうことにさしておいてもらいたいのである。

 

「正岡子規はもとより秀歌秀句の類を作ったが、その何百倍もの箸にも棒にもかからないつまらない作もたくさん詠んで、恥じらいもなく後世に残したことがなにより素晴らしい。妙な話だが、質より量、一握の秀句より凡句の蓄積の方が価値があることも多いのである。」

 

  我愚かなりといえども君たちの愚かさとはちと違うと言いたし 蝶人

 

 

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