あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

呉座勇一著「頼朝と義時」を読んで

2021-12-28 12:43:50 | Weblog

照る日曇る日第1690回

 

NHKの「その時歴史は」などで鋭いツッコミをみせて注目されながら、前代未聞の恥ずべきセクハラ事件でこの業界からパージされた若手中世史研究者による新書本である。

 

鎌倉幕府の基礎を立ち上げた頼朝と、その存在を確固たる姿形にして一族に遺した義時の事業を、編年体ではなく小テーマ毎に考察した、読みやすく、分かりやすく一般向けに解説している。

 

とはいうものの、いくら寄る辺なき流浪の貴種だからというて、兄弟や親族を次々に亡き者にしていく猜疑心100%の頼朝、それから、後鳥羽上皇に刃向かったのは良しとしても、頼朝の妻の弟の分際で、姉と一緒に次々に有力御家人を屠ってゆく冷酷無慈悲な義時のどちらも、おらっちはあんまり好きになれないな。

 

特に北条義時については、和田合戦や実朝暗殺の折りに、なんで殺されなかったのか。悪運の強い奴めと呆れ果てながら読み終わったことよ。

 

   愛猫が行方不明になったとて捜索ビラを張りまくるひと 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする