蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第402回
- 古希のお祝いでの本人のあいさつ
皆さん、本日はお忙しいところをかくも大勢の方がご参集賜りまして、ありがたく厚くお礼申し上げます。*
1いまや人生100年時代。かつて中国の詩人杜甫さんが「人生70年、古来稀なり」とのたまわった時代ははるか昔のことになりました。古希だかなんだか知らんが大げさなことは止めてもらいたいとせがれに申し入れましたら、*2
お父さんの意見なんか関係ない、お母さんがやれというからやるんですといわれて観念した次第です。最近は少し耳の聴こえが悪くなりましたが、*3
町内の陰口、悪口ばかりはすぐに聴こえてくるので困ったものです。お陰さまにて足腰も達者で、年内には*2家内と二人で四国の巡礼に出かけようかと話しております。この歳になってインターネットを始めましたら結構はまりまして、*3
最近14歳のメル友ができました。おじさんいくつですかと聞かれたので、つい還暦だよ。還暦って何歳と聞かれたので、良く知らないけど50歳くらいだよ、となんと通算20歳もサバをよんでしまいました。
日々是好日、お陰さまで元気でやっておりますのでご休心ください。
- アドバイス
- 1還暦、古希も老齢を感じさせない「若い老人の時代」になった。そんな自分であると自覚している方のための例文。
- 2間接的な言い回しのなかに、愛妻への感謝と尊敬を匂わせる。
- 3年齢を超えた若々しさをことさらに演出して、列席者の笑いをとってしまおうというスピーチである。どうせしゃべるなら自分が楽しまなくちゃ損。
なんとなく心は楽しただ君がわたしの傍に居てくれるだけで 蝶人