あまでうす日記

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神奈川県立近代美術館葉山で「横尾龍彦展」「ジョルジュ・ルオー銅版画展」をみて

2023-04-04 11:15:21 | Weblog

神奈川県立近代美術館葉山で「横尾龍彦展」「ジョルジュ・ルオー銅版画展」をみて

 

蝶人物見遊山記第361回&鎌倉ちょっと不思議な物語第442回

 

横尾龍彦(1928~2015年)という福岡生まれの人物は、日本と欧州、特にドイツを行き来して抽象画を描き続けた画家らしいが、一時逗子に在住したことがあるので、ここで「瞑想の彼方」という副題がついた回顧展を開く運びになったのだろう。

 

青い海の底に白銀色の真珠が鎮座しているような神秘的、幻想的、神経衰弱固定的な不可思議な絵を描く人だったが、私なんかとはまるで異なる時空に羽ばたいた画家なのだろう。一緒に見物した妻が「横尾忠則と澁澤龍彦を足して2で割ったような」という感想を漏らしたが、当たらずとも遠からずというところか。

 

横尾選手より遥かに凄かったたのが、同時開催のルオーの銅版画。彼の代表作である「版画集ミセレーレ」の全点がずらりと並んでいたのは壮観で、その一筆描きの様に力強い人物の輪郭線には、この絶望的な世界の只中にあって、それでも生きていかねばならぬ人間の悲劇と英雄性とが凝縮しているようで、実に実に見応えがありました。

 

なお本展は来る4月9日まで同館にて開催ちう。

 

  百千の監視カメラに見張られてあなたも私も犯罪予備軍 蝶人

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