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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

井上荒野著「あちらにいる鬼」を読んで

2021-12-16 10:59:44 | Weblog

照る日曇る日第1683回

 

父井上光晴と瀬戸内晴美(のちに寂聴)の不倫話を、なんと井上の娘が細大漏らさず記述するという破天荒な私小説的小説であるが、なんとなくこの三角関係も、その当事者も、それらを描いた小説も、そのすべてが寂聴という妖怪坊主のような存在が領導しているような気がしてくる世にも不思議な小説。読んでいるうちにだんだん寂聴が書いている小説のような気がしてくるのである。

 

その寂聴はんは先月遷化されたばかりだが、彼女の墓地は光晴夫妻が眠る天台寺に用意されているそうだから、3匹の鬼はようやくこちらにやってきて、仲良く同床異夢を見る仕儀となるのだろう。

 

生前の光晴選手の小説を時々彼の妻が書いていたそうだが、だからというてフォークナーの影響を受けたとかいう彼の無味乾燥で退屈な小説を読む気にならないのは、なぜだろう。

 

    臨月のお墓を抱えて夜7時天気予報の彼女はいずこ 蝶人

 

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ポール・ヴァレリー著・塚本昌則訳「ドガ ダンス デッサン」

2021-12-15 10:54:54 | Weblog

照る日曇る日第1682回

 

踊り子の絵で知られる画家ドガと親交を結んだヴァレリー選手が、彼独自の絵画、ダンス論に加え、比類ない絵描きドガ選手についての思い出を書き記したいわゆる一つの哲学的コラムである。

 

デッサンとは何か?というヴァレリーの問いに対して、画家は「デッサンとはかたち(フォルム)ではない。それはかたち(フォルム)の見方なのだ」と答える。

 

このよく分からない警句に対して、ヴァレリーは、「かたち(フォルム)の見方とは、存在の仕方、力、知、意志などを含めたもっと広い意味で理解しないといけない」というのだが、やはり難解だな。

 

またヴァレリー選手は、長大な絵画史を、次のように要約してみせる。

「ある種の絵画がある時代に適合したとき、次の時代にはその適合が慣習と思われてくる。「変化のための変化」という悪魔は、私たちを美から真へ、真から純粋へ、純粋から不条理へ、不条理から平板へと投げ入れる」、と。

 

うん、これなら何となく分かるような気がするな。

今絵画は、長く続く平板の時代なのだ。

 

ポール・ヴァレリーが時折パスカル的な蘊蓄を垂れるのだが、そんな退屈な考察よりも、初版に収録されていたドガの美しくも醜い数多くのデッサンを鑑賞する楽しみによって、本書は従来の翻訳と大きな差をつけているようだ。

 

   我々の既得権が若者や女子の領地を奪っているらし 蝶人

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第105回

2021-12-14 14:47:47 | Weblog

西暦2021年文月蝶人酔生夢死幾百夜

 

 

突然右の耳が痛くなってきたので、どうしようかと迷ったが、「そうだ、おらっちはいまさっきイモカワ耳鼻科から出てきたばっかりだった」と思い出したので、急遽引き返そうとしたが、「まてよ、この痛みは夢の中の痛みで、本物ではないのではないか」と疑って立ち止まっている。7/1

 

ビデオ屋の訳知り爺さんは、ポルノビデオを買ったお客にすかさず、「お客さんは、次はO嬢の最新作が「ええですぜ」などと、余計なおせっかいメールを入れるので、悪評嘖々だ。7/2

 

8代目スカスカ男は、メキシカン名ではハント君だったが、そのハント君から、「新メキシコ語でハイビスカスの名前を新たにつけてくれ」と頼まれたので、張り切っているところだ。7/2

 

そいろく60歳また会いに正男かお金の小色2の中へ入っていった。7/3

 

久しぶりに職場を訪ねた私だったが、そこはもはや、昔日の面影は微塵もなく、見知らぬ若者たちが、無言で出入りする、荒涼たる空間と化していた。7/4

 

目の前に両端が少しけぶった空気の塊がある。いつも気になっていたので、ある日思い切って、それをクリちゃんに電送したら、なんと妙なる音楽が鳴り響いたので驚いた。7/5

 

それは「電気オルゴール」だったのだ。私が音楽家ならそのメロディを音符に書きつけて、マリアカラスか、美空ひばりに歌ってもらって再現だできるのだが、残念なことだ。7/6

 

その寺の住職には、有力者の後ろ盾があったので、自分がどうにも気に入らない、ホシナ的、或いはトヨヒラ的な檀家を、次第に排除することに成功した。7/7

 

夜中に布団の中を見ると、白いパジャマを着た黒目が輝く、娘がいた。いつの間に潜り込んでいたのだろう。でもこんな可愛いらしい娘がいたら、きっとウレピーだろうと思ったが、私には息子はいても、娘なんかいない。この子は誰?7/8

 

牧場には、たくさんのヒツジがいたが、その中に、ひときわ巨大な黒いヒツジがいたので、牧場主に「あれはなんだい?」と尋ねると「あれが噂の悪魔ヒツジでさ」と答えたのよ。7/9

 

おらっちは、久方ぶりに古里の村に帰省したんやが、まっすぐに我が家の露台に上ると、そこから天空の道を目指して飛び出した。7/10

 

さる将棋の名人が、指名手配の犯人を、将棋盤から叩き出したのよ。7/11

 

「GAFAの時代が終わったら、群雄割拠の戦国時代になり、わが社の天下もあるのではないか」と、マウスコンピューターという会社の社長が独語した。7/12

 

私ら同郷の者は、はじめのうちは味方同士だったが、途中から敵味方に別れても、けっしてお互いに殺し合うほどには追い詰めず、同じ釜の飯を食った生温かい紐帯で結ばれていた。7/13

 

大谷翔平選手の、風船玉のようにささやかな野望が、巨大なアメリカン・ドリームの胎内に呑み込まれてゆく姿が、見えた。7/14

 

離反した子分たちが、次々に立ち上がって、親分の横暴を批判していく。次はおらっちの番だが、おらっちたちの団結は、きわめて脆いことが分かっているので、ここで下手なことを云うと、親分の大反撃があった折に、半殺しの目に遭うかもしれないと、小心者のおらっちの心は揺れ動いた。7/15

 

「大谷選手が出てくると、世界中の耳目がそっちに行ってしまうから、おらっっちがいくら活躍しても、誰も褒めてくんない」と、ウチの小谷がこぼした。7/16

 

青白赤の三色旗を作って、全学共闘会議が結成された夜のキャンパスに登場したおらっちは、たちまちマスコミのフラッシュを浴び、学生叛乱の時代の寵児となった。7/17

 

ショー開幕30分前に、主任デザイナーが、スタイリストと駆け落ちしたので、楽屋は大混乱に陥ったが、臨時プロデューサーの私の奮闘よろしきを得て、なんとかかんとか無事に終わったのよ。7/18

 

これぞ大阪人ゆう奴を、大阪じゅう駆けずりまわって探したんやが、もおそんな奴は誰一人おらんかった。大阪は、そおゆう奴を、育ててこんかったんやね。7/19

 

せっかく開戦早々に敵艦を撃沈したというのに、本隊の捜索機も飛ばさず、ひたすら現場から離脱しようと焦るだけなので、「我が国の海軍は、この程度なのか」と、吾輩は絶望したことであった。7/20

 

最終テストは、2つの額をガンと打ちつけて、どちらかが倒れたら負けになるという古風なやり方なので、「これが2021年現在の最終面接試験なのか?」と、おらっちは、すこぶる驚いた。7/21

 

大病院の受付で、「おらっちはどこかが狂ってるような気がするのだが、どこかで調べて呉れまへんか?」と頼んだが、「最近はあなたと同じようなことを言って来る患者さんが多いので、とても困ってます。どこか他を当たってみてください」と、追い返されてしまったずら。7/22

 

有名無名作家の文章を、鋏で切り刻んで、雪のように、机の上に舞い散らせたものを、原稿用紙の上に、丁寧に並べると、前代未聞の名文章が、出来上がっていた。7/23

 

医者から禁じられているのに、ほんの気まぐれでコロナワクチンを接種してもらったのだが、やはりというか、案の定、それがおらっちのアナフィラショックとなってしまい、急いで手持ちのエピペンを腿に差したものの、間一髪間に合わず、おらっちは御臨終となったのよ。7/24

 

最初に住所と氏名を書き、次にコロナワクチン接種の希望の有無を書き、最後にこの世に望むものの有無、前者の場合は、その内容を書くと、人々は三々五々帰っていった。7/25

 

ワーテルローの戦場で、歴史的時間を刻んでいた大時計が、いつのまにか姿を消して、「てらこ履物屋」の女中部屋にあった、独逸製のオルゴール時計に掛け替えられていた。7/26

 

「いざカマクラの折りには、必ずおいらのとこへ来てくれ、ぜひ頼みたいことがある」とかねてショーグンがいうておったの、偶々そんときにおっとり刀で駆け付けると、「あのなあ、おいらの軍隊を全員武装解除してくれ」というので驚いた。7/27

 

「よし、明日からおめえさんの支店に出てやるよ」と、その名物バイヤー氏は気安く請けあったが、本当にやって来るのだろうか?7/28

 

敵地に敵前上陸したおらっちだったが、敵兵の銃剣で、右手の肩、腕、指を刺され、その余りの痛さに呻いたのよ。7/29

 

新築の家なのに、よく見ると、いたるところに瑕疵があるのは、何故なのだろう?7/30

 

わいらあ、フィリピンで、おじさんに育てられ、さんざん、人殺しなど、やってきました。7/30

 

50年代か60年代にかけて、コロンビア・レーベルで活躍したワルターやセルなどが、それぞれのオケを率いて、リクエストに応えて、どんな曲でもいくらでも演奏してくれる。しかも、レコードとは違って360度のステレオなので大迫力だ。7/31

 

 「お父さーん、ご飯だよー」と遠くまで聞こえる声で息子が呼んでる 蝶人

 

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「鎌倉えほん作家通信」第2巻を読んで

2021-12-13 10:16:53 | Weblog

照る日曇る日第1681回

 

これは去年の7月に出されたほとんど手作りの薄型雑誌?だが、面白いのは鎌倉に在住する絵本作家たち(飯野和好、石川えりこ。ささめやゆき、中川ひろたか、長野ヒデ子)が自主編集して、各人がそれぞれ好きなことを勝手に書いていること。

 

表紙の絵は西巻茅子、営業部長は石川エリ子で、なんとささめやゆきがすべてのスポンサーの広告を手書きでデザインしているから驚く。

 

なお本編に登場する作家は、順に相川明子、飯野和好、石川エリ子、イチンノロブ・ガンバートル、加藤久仁夫、角野栄子、朽木祥、倉部今日子、こじまさとみ、富田昭子、tomekko、中川貴雄、中川ひろたか、長嶋洋一、長野ヒデ子、西巻かな、西巻茅子、パーサンスレン・ボロルマー、ミノオカリョウスケ、山崎杉夫、和歌山静子の24名。ほとんど名前すら聞いたこともない人たちだが、こんなに大勢の絵本作家が狭い鎌倉にひしめき合っているんだ。

 

なんとかおらっちも混ぜてもらえないもんかしら。

 

  年取りていい作つくれる人もありかえって悪くなる人もある 蝶人

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「現代詩手帖」11月号を読んで

2021-12-12 11:50:00 | Weblog

 

照る日曇る日第1680回

 

特殊詩人部落の専門誌がなんと図書館にあると知ったので、取り寄せてパラパラ読んでいる。

 

知っている人の作品が出る時を除いて中身はおおかた詰まらないが、本号は巻頭で「ミャンマー詩は抵抗する」という特集を組んでいるのはえらいと思う。文芸誌でも総合誌でもミャンマーや香港を特集する根性のある雑誌は見たことも聞いたこともない。もっともこの雑誌にそれが出来たのは四元康祐という人物と連絡が取れたからだろうな。でも自慢できる立派なコンテンツだ。

 

あとは豊崎由美選手と広瀬大志選手の対談「コンテンポラリー・リリックの世界」(←このタイトルなんとかならんかったのかしら?)が面白かった。

 

井上陽水や中島みゆき、松本隆、サザン、甲本ヒロト、椎名林檎辺りは知っているが、スピッツの「夢じゃない」、奥田民生、キリンジの「エイリアン」、向井秀徳、DIR EN GREYの京、相対性理論のやくしまるえつこ、松本天馬、髭男の藤原聰なんちゅうのは殆ど初耳で、おらっち勉強不足だったなあと思わされてしまった。

 

最後に別の対談に出てくる稲川方人という人は、まるで副総理のように偉そうに喋っているので、内容は別にしてとても不愉快。こんな男の詩など金輪際読んでやるものか、と思わせてしまうのだから、対談って怖いね。

 

  珍しく「視線」てふ字を見つけたりなんでもかんでも「目線」の世に 蝶人

 

 

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小野寺悦子文・ささめやゆき絵「ひとりぼっちのけいとだま」

2021-12-10 11:03:52 | Weblog

 

照る日曇る日第1679回

 

おばあさんの毛糸だまがおばあさんの留守中に寂しくなって、ひとりでに転がり出して町のあちこちをさまよいながらおばあさんと出会って、おばあさんは毛糸玉をくるくる巻き戻しながらおうちに戻って、毛糸玉で帽子にあんで、「そーらできた。これならいつも一緒」と呟くというこれ以上ない論理的な絵本ずら。

 

  政権の批判も出来ない政党が「批判は止せ」と仲間に迫る 蝶人

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吉田修一著「湖の女たち」を読んで

2021-12-09 10:12:06 | Weblog

照る日曇る日第1678回

 

琵琶湖とその周縁に住む人々が登場する推理小説だが、いきなり当時の琵琶湖ホテルが出てきたので驚いた。今から半世紀以上も昔の大昔、私の祖父はこのホテルで行われた聖書贈呈式の挨拶の途中、「主イエス・キリストは」と言ったところで脳出血に襲われ、そのまま不帰の人となったのである。

 

さて本編だが、週刊誌に連載されたからだろう、話柄の一つひとつがブツ切れになっていて、全体となかなか繋がらない。満州で人体実験をしていた731部隊関連の怪しい人物、真正マゾ女と若い刑事、謎の殺人事件を追う事件記者、津久井やまゆり事件の影響を受けて100歳の老人を殺したかもしれない少女……。

 

琵琶湖の傍に住む人々の群像はそれなりに浮かび上がってくるのだが、あちこちにばら撒かれたいくつかのプロットが次第次第に大きな輪郭を形作り、やがては中心軸にひとつに収斂する手前で、物語は停止してしまう。

 

2つの殺人事件の犯人は誰か? そもそもいったい全体これはなんの話なのか?

手品の種明かしを今か今かと待っていたのに、小屋から突然放り出された読者は、呆れ果ててモノも言えない。そしてしばらくしてから、こういうだろう。

 

「この詐欺師め。金返せ!」

 

   そのかみに多喜二弑せる築地署よ春夏秋冬光は射さず 蝶人

 

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ジェイン・オースティン著・新井・宮丸訳「マンスフィールド・パーク上」を読んで

2021-12-08 10:05:31 | Weblog

照る日曇る日第1677回

 

貧乏人の子沢山の家から富貴な親戚宅に引き取られて美しく育ったヒロイン、ファニー。

 

優しい従兄エドマンドを愛する内気で性格の良い彼女に一目惚れした軽薄な金持ち男のヘンリー・クローフォドがガンガン攻勢をかけるが、果たしてこれからどうなるのか?

 

また、エドモンドとヘンリーの妹メアリーの恋は、いかなる結末を迎えるのか?次々に襲いかかる焦躁と不安の波は不気味な嵐を呼んで、漱石が高く評価する英国の閨秀作家の筆は、いやが上にも冴えに冴えかえるのであったああ。

 

 1億の民が毎日マスクを棄てるので「白いコロナの道」ができたよ 蝶人

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第104回

2021-12-07 16:16:21 | Weblog

 

西暦2021年水無月蝶人酔生夢死幾百夜

 

公社の男女の社員がまるで仕事をするように生真面目に乱交している姿を、私は唖然として見つめていた。6/1 

 

青山トンネルを出ると、星条旗通りだった。夜の底がお星様だらけになった。「ササキさあん!」という呼び声に霊園の方を見ると、ハーレーダヴィットソンに跨って黒革のジャンプスーツを纏った若い女が、赤信号の交差点で対向車に激突し、空中で1回転して、白く柔らかな頬を、鋪道に叩きつけられる姿が見えた。6/2

 

「もしもあなたが先に亡くなって、もしも私が90歳までも長生きしたら、私は1階のあなたの南向きの書斎のお部屋に、南北の方向にベッドを置いて、毎晩ゆったりと眠ることにするわ」と、彼女が言うので、「いいよ、君の好きなようにしなさい」と、私は答えた。6/3

 

その外資系ブランドでは、本社と支社との関係が急速に悪化して、支社長は、「今後一切本社の指令を無視せよ」と全員に通達を出したのよ。6/4

 

D社の企画担当にワタナベという独裁者が就任したので、居たたまれなくなった私は、志願して地下の清掃工場で寝起きするようになったのだが、お陰で私は、ここに並べられている汚れたユニフォームを、一瞬で青い背広に変身させる魔術を習得することができたのさ。6/5

 

イケダノブオは、ツモリチサトの洋服や雑貨が気に入ったようで、大きく両手を広げて、所謂ひとつのラック買いと称される大人買いを始めたのだが、もしかするとイケダ選手は、むかしツモリ選手のアシスタントをしていたのではなかったか?6/6

 

「そうか、田舎土産に川魚が欲しいんか。しばらくそこらで待っとれよ」、と叫ぶと、おらっちは、マシラのように深い深い谷底の川に飛び込み、名物の落ち鮎を、両手に握りしめて戻ってきた。6/7

 

会社が倒産すると分かったと同時に、私がデスクの上に置いていたブルーレイプレーヤーは、誰かによって持ち去られ、その行方は、杳として知れなかった。6/8

 

横須賀から乗ったペンキ塗りたての船が、どうやら底に穴が開いていたようで、出発3時間後にどんどん沈み始めたので、さてどうしたものか、と腕組みをしているわたし。6/9

 

この地方の人は、なぜか全員上手なおふらんす語でしゃべっているようだ。私に向かってシッポを振りながら近づいてきたゴールデン・レトリバーに「どこへ行くの?」と尋ねたら、「コンセールへ」と答えたので驚いた。6/10

 

無茶苦茶に大きなエレベーターに乗って法務室へ入ると、モトムラ氏が大審問官のように居丈高な口調で、「One 40,Oh240を持ってきてくれ」と命じるので、余は「それが何であるかも知らないので出来ない」と断った。6/11

 

いつものように、飛ぶ教室の絨毯に乗って、サトウさんちへ行き、サトウさんとモコを乗せて、日本海と太平洋と大西洋を越えて巴里へ行ったら、ピカソ美術館が、久しぶりに営業しているというので、今度は飛ぶ教室バスに乗って出かけた。6/12

 

せっかく異色の新人たちを登用して人気番組に成り上がったのに、それに満足して高慢と自惚れの無眼回路に嵌まり込んだこいつらは、プロデユーサーの私が、いくら次のステップに駆け上るように促しても、一向に目を覚まさない。6/13

 

思い出多き家なれども、このたびの大震災で、あっという間に倒壊してしまったので、おらっちは、後ろを振り返ることなく、スタスタと歩み去ったのであった。6/14

 

つまらんロックコンサートが終わって、5人で歩いていたら、拳くらいの大きさの5人の小人が、両手に刀とピストルを持って、「金を出せ」とうるさく付きまとい始めたので、1人1殺で踏み殺してやったずら。6/15

 

会社がとっくの昔に倒産してしまったというのに、キムラ氏をはじめ、元野球部のメンバーは、まだ残っている食堂に毎日手弁当でやってきて、朝から晩まで、練習することもなく、ただいたずらに通い詰めていた。6/16

 

他にすることもないので、毎日私の会社にやってきて、デスクワークに夢中で取り組んでいた私が、ふと目をやると、大通りに面したビルの窓の外に、長男のコウ君が、まるで動物園のチンパンジーのようにぶら下って遊んでいるので、吃驚仰天したよ。6/17

 

31,30,29,28,27,26,25,24,23,22,21,20,19,18,17,16,15,14,13,12,11,10,9,8,7,6,5,4,3,2,1  6/18

 

マンハッタンの超高層ビルの谷底から、パンツを穿かずに這い上がって窓を拭く青年がいたが、てっぺんに到着していざ拭こうとした途端に、頭をどつかれて叩き落されてしまうのだが、それでもそのノーパン青年は、またしても脚立に乗って、上へ上へと高層ビルを這いあがってくるのだが、またしてもドタマを叩かれ 6/19

 

おらっちとサカイ君が、レリアンの広告タイアッップの不始末をどうもみ消そうか、とひそひそ話し合っていると、マエ課長が聞き耳を立て始めたので、これはヤバイ、とアオキ嬢をこっそり呼び寄せ、おらっちはとんずらしたのよ。6/20

 

大学の同級生のニシムラ君とメールを遣り取りしていたら、「君のメールには女の匂いがしないね」と言われたので、念のためにパソコンに鼻を摺り寄せておらっちが書いたメールの匂いを嗅いでみたが、なんの匂いもしなかったずら。6/21

 

今度のタカハシゲンイチローの講演会では、どんな本にサインしてもらおうかと思って、本箱の中を探したが、ただの1冊も無かったのだった。6/22

 

昔テレビの料理番組で見たヤキブタセットというのが美味そうだったので、作ってみようと思ったが、材料もレシピもないので、頭の中で想像するだけにした。6/22

 

おらっちは、「自分で作ったワクチンを、自分で注射したんや」、と自慢そうに喋ったので、どうやら町内から村八分になったようだ。6/23

 

この教会の執事をしている長老は、街をぶらついている放浪児の私をつかまえて、早くまともな仕事を探して独立するように促すのだが、いううことを聴かない私は、いつまでもそこらをほっつき歩いているのだった。6/24

 

小さな村の村長になった私だったが、何もしないうちに任期が終わり、すみやかに村人から忘れ去られていった。6/25

 

ニシムラ君から「君のメールからは女の匂いがしないね」と言われて以来、何でもかんでも匂いを嗅ぐようになってしまった。以来わが国の首相や閣僚が喋っているTVに近寄ると物凄い口臭がするし、プーさんやプーチンが喋っているTVを嗅ぐと、死臭がするようになったずら。6/26

 

中華街で中国人に雇われて中華料理を作っている私は、シェフからホウヤレホーのクマガイモリイチを持ってこいと命じられたが、てんで意味不明なので、ずっと考え込んでいるばかりだ。6/27

 

時々売り場には「透明ブランドのキリル」というのが登場するのだが、なんせ服も売り子もデザイナーも姿を見せないので、始末に負えない。6/28

 

夏の舗道を、女と歩いている。若くて美しい女は、バレリーナが着るチュチュというのか、超ミニのドレスを着ているが、その薄紫色が素敵なので、思わず目がくらくらするのら。6/29

ジェイン・オースティン著・新井・宮丸訳「マンスフィールド・パーク上」を読んで

 

貧乏人の子沢山の家から富貴な親戚宅に引き取られて美しく育ったヒロイン、ファニー。

優しい従兄エドマンドを愛する内気で性格の良い彼女に一目惚れした軽薄な金持ち男のヘンリー・クローフォドがガンガン攻勢をかけるが、果たしてどうなるのか?

 

またエドモンドとヘンリーの妹メアリーの恋、果たしてはいかなる結末を迎えるのか?

 

漱石が高く評価する英国の閨秀作家の筆は、いやが上にも冴えに冴えかえるのであったああ。

 

   1億が全員阿呆に成り果ててマツケンサンバを死ぬ迄踊る 蝶人

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瀬戸内寂聴著「遠い声」を読んで

2021-12-06 09:54:51 | Weblog

照る日曇る日第1676回

 

この本には、大逆事件で絞首刑に処された管野須賀子と古河力作を扱った「遠い声」と「いってまいります さようなら」の2作が収納されているのよ。

 

いずれも主語のわたしが即ち当該人物そのもの、になっていて、特に前作では水を得た魚の如く管野須賀子即瀬戸内寂聴、瀬戸内寂聴即管野須賀子という相思相愛の相関関係に嵌まり込んでおり、寂聴と須賀子は手に手を取って荒畑寒村に惚れ、幸徳秋水に惚れこんで愛欲の虜になり、明治政府と天皇制の弾圧と必死に抗う無政府主義者になり切って牢獄で呻吟するのであーる。

 

彼らの天皇暗殺未遂事件が冤罪か、それとも死刑に値する大犯罪か否かはさておき、ここまで彼らの実存の心底を後代の一小説家がさながら憑依して代弁するかのごとく描破し尽くしてくれたとすれば、以て瞑すべしと言うべきだろうね。

 

  またしても天から新語が降ってきたクイントリックスじゃなくてオミクロン 蝶人

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逗子文化プラザさざなみホールで「らせんの映像祭」をみる

2021-12-05 13:44:19 | Weblog

蝶人物見遊山記 第337回

 

逗子文化プラザのなぎさホールで音楽や能を鑑賞したことはあるが、少し小さめのさざなみホールがあり、そこで仲本拡史さんがプロデュースされている実験映画祭が3日間にわたって開催されているとは知りませんでした。

 

私が出かけたのはその2日目でしたが、まずは「視聴覚派」(本藤太郎&宮田涼介)による絵と音楽のパフォーマンスがあり、初めは処女の如くはじまりながら、最後はもうこれ以上は出ないという脱兎の如き大音響で終わる演奏を、仕方なく耳を塞ぎながら鑑賞しました。

 

ついで10本の短編映像をセレクトした「エクスペリメンタル・ショート」が次々に上映されましたが、いずれも世界の映画祭で好評を博した作品だけに見応えがあり、なるほど映像世界の最先端はこういう地点にあるのかと大変興味深く、勉強になりました。

 

とりわけ大きな感銘を受けたのは村岡由梨さんの「透明な私」で、統合失調症という自らの障害を逆手に取るようにして、愛する家族と共に生きる、大いなる喜びと苦しみを大胆鮮烈かつ繊細、理知的に映像化した極私的映像エッセイは、11分間に亘って見る者の心を震わせ続けたのでした。

 

いっぽう吉開菜央、仲本拡史共同監督による「ナイト・シュノーケリング」というドキュメンタリーは、問答無用の面白さ。題名通り芝崎や油壺と思しき海岸から夜の海に潜りこんで、妖しくも美しい魚類や蟹や海藻たちに出会うのです。

 

そういえば以前仲元本拡史選手が、「トーキョーアーツアンドスペース本郷」に出品していた藻屑蟹らも驚くほど美しかったなあ。

 

最後に上映された磯部真也さんの「13」は、破天荒な事件映画でした。沈みゆく太陽を5年間に亘って同ポジション、同アングルから撮影、多重露光を行い続けた文字通り奇跡的な映像を、我ら観客は驚異の目で見つめ続けたのでした。

 

  命懸けでコロナに向かわぬ政治家の無策が市井の民らを殺す 蝶人

 

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第103回

2021-12-04 08:17:37 | Weblog

 

西暦2021年皐月蝶人酔生夢死幾百夜

 

 

その老人にはさんざん感染防止の注射をしたのだが、どこのワクチンをどれだけ注射しても効きめがないので、しばらく放置していたら急激に健康を取り戻した。5/1

 

あの家は無人のはずだが、夜になると電気がつく。この頃誰かが住みついているようだ。5/2

 

冷たい川に足を踏み入れたら、足の裏に何匹もの小さい鮎が潜り込んで、私の足を擽っては逃げ出していくのであった。5/3

 

子供たちの読み聞かせ塾で、日本国憲法をテキストに使っていると、どことなく良い子になるそうだ。5/4

 

歯医者の私が頼んだのは歯医者ラーメンだったが、配達されたのは、もしかするとハイチラーメンだったかもしれない。5/5

 

私は地下鉄の早稲田駅から例によって無賃乗車で乗り込んで、どんどんどんどん乗り進んだが、いったいどこへ行きたいのかは、自分でも分からないのだった。5/6

 

私の体内に2つの怪しい影が発見されたので、2人の主治医がこれは癌だとかいや単なるオデキだとかいうて論争しているので、その間に私は病院を抜け出した。5/7

 

東京駅の大広間で、私に向かってワンワン吼えながら飛びつく犬がいるので、驚いてよく見れば、2002年に昇天したはずの我が家の愛犬ムクではないか!5/8

 

私が設計した車の外装に関して、いつもカラリストがへんちくりんな「流行色」を押し付けるので、とうとう頭にきて、自分でペンキを塗ることにした。5/9

 

あの憎たらしい奴が、おらっちを車で追い詰め、撥ねたので、おらっちのメガネがフッ飛んだ。5/10

 

超時代的なアイコさんの恐るべき下着コレクションを見せつけられた連中は、唖然として見入っていた。5/11

 

明日病院で、どういう風に右手が痛むかについて喋り、どういうふうにMRI検査やリハビリを頼むか、その練習をしているうちに、朝になったようだ。5/12

 

「私その1」は、激痛に耐えながら右手を動かしていたが、「私その2」が、「その1」の肩を叩いたので、あまりの痛さに、うめき声をあげた。5/13

 

巨大で真っ白な2頭のチャウチャウにすっかり気に入られて、おらっちは、嬉しいような悲しいような気持で、彼らの面倒をみていた。5/14

 

ここはアフリカか、それともインドなのか? 大地に横たわっていると、周りでいろいろな鳥が鳴き、獣や大蛇が蠢いている気配がする。5/15

 

閉店寸前の真っ暗なデパートのパート控室の奥の方で、誰かが誰かと争っているような、不穏な声と物音が聞こえる。5/16

 

パソコンで妻のウイルス接種の予約をとろうとして、何回も何回モアクセスするのだが、その都度「予約できませんでした」という返事が帰って来るので、またしてもパソコンで妻のウイルス接種の予約をとろうとして、何回も何回モアクセスするのだが、その都度「予約できませんでした」という返事が帰って来るので5/17

 

円と同心円の違いについて親しく教授のレクチャーを受けていたのに、いざそれらが実際に虚空に姿を現すと、どれがどれだかさっぱり分からなくなってしまい、いったいオレは何をしてきたのだと、中原中也のように呟くおらっちなのであった。5/18

 

私は自由が丘に下宿していたが、毎晩駅前の食堂で比較的高価なかつ丼を食べることが固定観念になってしまい、他のもっと安い食堂で蕎麦やラーメンを食べるという選択肢があることすら知らなかった。5/19

 

男たちが、「この女はまったくの変態だ」と、口々に罵り始めたので、私は割って入り、「そもそも変態とは何ぞや?」と、問いかけると、みな論争を避けて、ちりぢりになってしまった。5/20

 

オレは電話で起こされた。家に電通と博報堂の連中が来ているという。我が家にはモローイ部分があるから、そこに跨って至急修理せんけりゃならんそうだが、その嘘ほんまかいな。5/21

 

東京駅の駅員事務所の傍で、制服に身を包んだ元D社社長のミズノ氏を見かけた。静岡県で隠棲しているはずなのに、こんな所でなにを? 今更第2の人世という年でもないのに、と、謎は深まるばかりだ。5/22

 

久しぶりに昔の恋人に再会したので懐かしく、どことも知れない町はずれをさまよい歩くのだが、どことなく実在感が希薄なので、本当に彼女なのかと首をかしげている。5/23

 

せっかくリモートを誓ったのだが、どうしても3密、4密、5密、6密状態に戻ってしまうので、それが人間の本性なんだとようやく気付いた訳よ。5/24

 

老いたる両親を東京のあちこちに案内し、ふと気づけば2人ともいないので、懸命に探したら、なんと横須賀線の始発電車に乗って発車を待っていたので、さすがだてに年は取っていないなあと妙に感心した。5/25

 

私たち元同級生は、「いまなお太陽の如く光り輝く彼女のためなら、どこどこまでも付き合うぜ!」という固い決意をお互いに披歴しあいながら、地獄の底へ降りて行ったのであった。5/26

 

その僻地の僻映画館では、私が観たいと熱望していたさる名画を上映するというので、朝から期待して待っていたら、上映の担当者が泥酔してフィルムをかけられないというので、激怒して宿に戻ったら、映画館主が恐縮して映写機とスクリーンを持って訪ねてくれたので、感激しましたね。5/27

 

久しぶりに郷里に帰省したら、噂を聞きつけた新旧の友達が次々に来訪してくれて、元電通でいまはその傘下の下請け会社で営業をしているときくワタナベ君が訪ねてくれたので、驚いているところだ。5/28

 

ぼくは、ヘビ捕り娘とそのおじいちゃんとおばあちゃんと仲良くなりました。3人は次々に現れる大中小、赤青緑のいろんな蛇の首を後ろ側からエイヤっと捕まえてはぼくのほうへ投げて寄越すので、たまったものではありませんでした まる5/29

 

晩年のモザールは、思いついたらどんどん適当な楽章をこさえて、それがある程度溜まるとセレナードにしたりピアノ協奏曲にしたりしていたようだ、余が川柳が溜まると泥詩抄に転送していたように。530

 

私は交通事故の後遺症で右腕が痛むので、病院のリハビリに通っていたが、いつも右腕を大根のようにぶら下げていたので、医師や看護師たちから白い目で見られていた。5/30

 

その公園の底なし沼から吹き上げる臭素が、人々の鼻に異常な影響を与え、彼らをして、次々に原因不明の殺人事件を惹き起す要因になっているようだった。5/31

 

 「○○さん最近あまり見ないわね」そう言われつつ消えていく人々 蝶人

 

 

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すべての言葉は通り過ぎてゆく第98回~西暦2021年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2021-12-03 09:48:56 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第401回

選挙は政策ではなく、情緒で決まる。情緒を象徴するのは、党首の「顔=表紙」である。自民の表紙は紳士風、維新と国民は坊っちゃん風、立憲と共産は説教坊主風。なんだ、結局は「表紙」の問題だったのか?11/1

 

野党共闘で勝てなかったといって、何をうだうだ反省することがあるだろう。阿呆莫迦民草の支持がどんどん減っていっても、断固としていまの路線を突き進めばいいのだ。11/2

 

選挙は水もの、31日は天気が悪かった。立憲が1万票以内の微差で負けた選挙区が約30あるが、もしそこで勝っていたら130議席となり、枝野は辞めるどころか意気揚々と勝利宣言したことだろう。11/3

 

我が家のコウ君と同様に、自閉症である渡辺さんの息子は、いつも両親と連れだって選挙に出かけ、いつも投票用紙に自分の名前を書いているのだが、これも立派な社会参加ではないだろうか。11/4

 

民主党を鳩山が作ったように、立憲民主党は枝野が作ったもの。枝野が退いたあとはいったん解散して、もう一度零から新党を作り直したらいいのではないか。11/5

 

前から「目明き千人、目暗千人」と思ってはいたけれど、まさか「目暗2千」とは夢にも思わなかったずら。11/6

 

かつてマッカアサーは、日本人を12歳の子供だというたそうだが、あれからだいぶ劣化して、今は10歳のガキである。11/7

 

ベームやワルターの棒だと、まっすぐ心に来るものがあるのに、カラヤンのモザールの「レクイエム」は、なんでこんなに詰まらない演奏になるのか分からない。あれほどの名人指揮者なのに。11/8

 

横須賀のキシモト歯科は9時だと思い込んで焦っていたら、なんと11時だった。その逆だったら悲惨だったが、最近はこういう思い違いがあまりにも多くなったので哀しいずら。11/9

 

維新と国民が組んで、超いかがわしい新右翼グループが誕生。めでたし、めでたし。11/10

 

自公がばら撒こうとしている税金の、おらっち分を、おらっちに返せ!11/11

 

阿呆莫迦政府は広告代理店とメデイアを総動員して、例のマイナンバーカードを取得させようと懸命になっているが、それほど彼奴らは「全国民背番号制」実現の野望に狂奔しているっちゅう訳だ。11/12

 

政敵を暗殺したり、異民族を弾圧したり、自由や平等や基本的人権を圧殺する専制国の民草として生まれなかったことを喜ばしく思うものの、かというて、それらの非抑圧者と連帯して、何事かしでかそうとするわけでもない。11/13

 

「つくづくこの世が嫌になった、いい加減でもうあの世に行ってしまいたい」と本気で思った人は、ほんとにあの世に行くのである。11/14

 

改憲論議をするなら、まず第1章の天皇条項からはじめてもらいたいものだ。11/15

 

いつの間にやらQRコードを使わないと催事の予約も入場も出来ない仕組みになっているので驚く。こおゆうよおな文明の「進歩」を、「退化」としか思えないおらっちは、ガラパゴス島の寂しい住人である。11/16

 

図書館へ行くために毎週土曜日に車で通過する大町の商店街のアパートなどが、昨日の昼火事で焼けてしまった。妻は直ぐそばに住んでいる知人の近火見舞いに行ったが、さぞや恐ろしかっただろうなあ。11/17

 

いくら金儲けしても、いくら権勢を揮える人物になっても、いくら世紀の大傑作をつくっても、それはいっときのお手柄に過ぎず、あっという間に歳をとって心身共に衰弱し、過去の実績も名声も、自分という存在自体も夢まぼろしとなって、この世から儚く消え去ってしまうのだ。11/18

 

もしも枝野が野党共闘体制を作らなかったら、立憲民主党は現有議席よりもっと少ない当選者しか出せなかったろうに、その事実を見て見ぬ振りをする連中が、よってたかってこの党をさらに右翼化させようとしている。11/18

 

祝!大谷選手MVP受賞!!11/19

 

腰抜け崩壊労組腐敗右翼ダラ幹連合と組むより昔火炎瓶を投げたり新左翼をテロったこともある共産党と組んだ方が政権に近づけるだろう。たぶん。11/20

 

東京五輪が近づくと五輪噺、万札刷り直しが近づくと資本主義の父を大河ドラマの主人公にするという権力忖度先取り共鳴の翼賛放送局、それが「皆さまのNHK」の正体だ。11/21

 

昨日のプロ野球日本シリーズ、ヤクルト対オリックス戦は猛烈に面白かったなあ。ここで打たずにどこで打つとばかりに執念のヒットを飛ばした青木。それから高津監督が「あと1回」と指で示しながら、若い高橋投手に9回を投げ切らせたところが凄かったなあ。11/22

 

共産党のお陰で多くの議員が当選したのに、急に訳もなく怖くなって逃げ出したくなった主体性皆無の立憲野郎。11/23

 

かねてから税金が莫迦高いところにもってきて、物価がバンバン上がっていく。まっこと住みにくい世の中だなあ。11/24

 

産油国と消費国の戦いでは、後者の勝ち目は皆無ずら。11/25

 

立憲4人組の興行は、木下サーカスの地方巡業に似た悲哀感が漂っている。11/26

 

本質的には右翼の立憲民主党と、年ごとに右翼に近づいてきた共産党が疑似左翼的連合政権を樹立すれば、既存の極右連合政権よりもマシな政治をするだろうに。11/27

 

祝ヤクルト・スワローズ日本一!高津監督の指揮下、最後まで勝利への執念を貫き通した。中村捕手のMVPも納得できる。11/28

 

東京で小池、大阪で松井や吉村、名古屋で河村に投票する人々の知性や感性がこの国の主流なんだろうなあ。嫌だ、嫌だ。11/29

 

立憲は、4人とも「共産党とは共闘しない」という。共産党がそんなに怖いか。いっそ共産党に丸呑みしてもらったらどうかね。11/30

 

   東でも西でも地震が起こります日本沈没の前兆かしら 蝶人

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なにゆえに第92回~西暦2021年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2021-12-02 11:34:03 | Weblog

ある晴れた日に第664回

 

なにゆえに野党共闘敗れたか阿呆馬鹿民草が選ばんかった

 

なにゆえに維新国民を持ちあげる腐れ野党に未来はないぞ

 

なにゆえにパンツの紐が緩んでいるパンツが悪いか紐が悪いか

 

なにゆえに世界は悪くなっていくこの国だって例外ではない

 

なにゆえに三流指揮者のコンサートに行く一流どころがみな死んだので

 

なにゆえにお菓子を持って2階へ上がる親からとやかく言われたくない

 

なにゆえに虚人なんかにしてやられるいつまで経ってもお前はダメトラ

 

なにゆえに電気もCDもみな上がる産油国が談合している

 

なにゆえに今日はコウ君が家にいるこれから小児療育で検査するので

 

なにゆえにレストランは超満員もはやコロナは終わったも同然?

 

なにゆえにマイナンカードを作らせる警察国家を作りたいから

 

なにゆえに雑巾ばかり描き続けるそこにもまた美があるのか?

 

なにゆえに瀬戸内寂聴は身罷ったこの上なく生き切ったので

 

なにゆえにその9割が糞メール不要不急のPC&ケータイ

 

なにゆえに庭に次々花が咲く老いたる者を慰めるため

 

なにゆえに中国韓国にワンワン吼える米国の番犬とも知らずに

 

なにゆえに金持ち所帯に金をばら撒く貧乏人が収めた税金

 

なにゆえに入賞者だけをちやほやする絶対的な優位はないのに

 

なにゆえに売れない絵描きに薄日が当たる長く支えし多くの人々

 

なにゆえに千両の実が鈴なりに生る千両役者を迎えるために

 

なにゆえに雨を冒して横須賀へ行く上の奥歯がまだ治らない

 

なにゆえに緑のタヌキはずる休みする務まらないなら都知事を辞めよ

 

なにゆえに反対ばかりと非難する野党の使命は反対にある

 

なにゆえに最下位から日本一に駆けのぼる高津の采配が冴えているから

 

なにゆえにマフガフは打たれたガムをフガフガ噛んでいるから

 

なにゆえに植松聖は牢屋に一人己の罪を悔いさせんとて

 

なにゆえにマフガフはぐあんばった高津監督の信頼に応えて

 

なにゆえにおらっちは甘露飴を好む名前と味が好きなので

 

なにゆえに空が急に陰ってくるせっかく布団を干していたのに

 

なにゆえに右翼の泉が立憲を乗っ取る鳶が油揚げを掻っ攫った

 

  学研のヨコヤマ君も死んぢまったホームの隙間を怖がってたが 蝶人

 

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西暦2021年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2021-12-01 14:27:18 | Weblog

西暦2021年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧

 

ある晴れた日に第663回

 

 

右翼共一味神水同心し一瀉千里に国を傾く

 

植松が担当者でも施設では利用者たちは拒否ができない

 

靴脱ぎて大統領に投げつけた記者もありけり邦人ならねど

 

2021年1月3日の庭に生る夏蜜柑で作りしジャム食べ尽くしたり

 

セイユーで買うてきたワイのドラ焼きがいつの間にやらのうなっておる

 

ミンミンを喧しと聴く力士哉  

 

九十でノーベル賞を獲る翁

 

野球終わり相撲終わりて霜月尽

 

昔なら読みもせん本をバカスカと買うておったが今は図書館 

 

陸海空宇宙の果てまで我が覇権確立するぞと中華帝国 

 

うるわしきで終わる素敵な歌一首トイレで出来たがすぐ忘れたり

 

「建前と本音は別」てふ本音をば建前として生きよ強い本音で

 

死に掛けし事はあれども死にもせず七十七の今日を寿ぐ

 

大体はお昼の2時頃にやってくるお前はほんとに夕刊か?

 

米国の番犬であるとは露知らず中韓の民にワンワン吼える

 

フルヴェンの悲しみが爆走していくモーツアルトのト短調シンフォニー

 

キャスター司会者にミヤネ屋てふ奴がいて政権寄りの発言をする 

 

八方に切り裂かれたる榎の木前衛美術彫刻に似たり

 

赤塚の六丁目の公園に向かいてとぼとぼ歩く人あり

 

ベトちゃんの4番の出だしを聴いてみてもさっぱり元気が出ないこの頃

 

ハジケルという言葉が嫌だ年甲斐もなく恥知らずめが

 

毎年の竜胆探しに野を行けば竜胆見えず盗掘の穴

 

巨大なるアンテナ立てしコセキ家を尋ねてみたが誰もいない

 

一時間おきにトイレに行く我は正確無比の体内時計

 

外壁を薄いピンクに塗りし人寝られないほど悩んだであろう

 

もう一度呼んでくれるのを待っている「お父さあーん、ご飯だよおー」

 

ワクチンを3回接種する国とまだ1回目も打ち終わらない国

 

捨てられた白いマスクが列をなし鎌倉街道北上中

 

「30年経てば日本はこう変わる」なんてふ記事を読み飛ばしけり

 

 

金持ちぐわぁアルファロメオに乗っている「若者のすべて」を見たこともなく 蝶人

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