照る日曇る日 第1847回
ある晴れた日に「あかかぶ」が部屋の外に飛び出すと、「しろかぶ」に続いて「てるてるぼうず」「たこ」「かみなり」、しまいに「うちゅうじんさん」まで加わって、世界の果てまで飛んでいく。
それでどこへ行ったのかは、作者は「しらないよ」と、ぬけぬけと言い放つところが、シュールかつパンキッシュで、大変よろし。
「きんぎょが にげた」とまったく同じ発想だが、出来栄えは雲泥の差だ。
50年曲を作って歌い続けたユーミンと50年歌い続けただけのゴウヒロミ 蝶人
照る日曇る日 第1847回
ある晴れた日に「あかかぶ」が部屋の外に飛び出すと、「しろかぶ」に続いて「てるてるぼうず」「たこ」「かみなり」、しまいに「うちゅうじんさん」まで加わって、世界の果てまで飛んでいく。
それでどこへ行ったのかは、作者は「しらないよ」と、ぬけぬけと言い放つところが、シュールかつパンキッシュで、大変よろし。
「きんぎょが にげた」とまったく同じ発想だが、出来栄えは雲泥の差だ。
50年曲を作って歌い続けたユーミンと50年歌い続けただけのゴウヒロミ 蝶人
照る日曇る日 第1846回
金魚鉢の中の1匹のキンギョがいろんなところに抜け出すさまを図像化するだけで成立させた絵本。2歳から4歳までを対象としているそうだから、空想は自由にすればいいとも言えるが、あまり科学的とはいえないな。
ペろぺろとバイデン様の手を舐めて「お気に召しましたか?」と伺うキシダ 蝶人
闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3168~77
1)衣笠貞之助監督の「地獄門」
平家物語に出て来る袈裟御前に横恋慕した盛遠(後の文覚上人)の残酷なる悲劇を描く1953年の本邦初のイーストマンカラー映画。己の身代わりに美貌の妻君を殺された渡辺渡がなんで盛遠に報復しなかったのか不可解ずら。袈裟の京マチ子が最高に綺麗なり。
2)フランク・ダラボン監督の「ミスト」
霧の中から現れる異星の怪物が次々に人を襲うという2007年の阿呆莫迦映画。怪物に殺されるよりはと主人公が仲間を銃殺してしまうラストも後味が悪い。
3)ジェイ・ローチ監督の「スキャンダル」
FOⅩニュースのCEOに拠る有名キャスターの2016年のセクハラ事件を扱った19年の実話スキャンダル映画で、#МeToo運動の嚆矢となった。
4)ポール・バーホーベン監督の「エル」
イザベル・ユペールが暴漢にレイプされるがいつまでたっても適切な対策をしないという2016年の信じられない阿呆莫迦映画ずら。
5)山田洋次監督の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」
2018年のシリーズ第3弾。なにを撮っても山田洋次あうまいなあ。市川昆のような冷たさがないのは人世愛&映画愛の温度差だろう。
6)ガブリエレ・ムッチーノ監督の「7つの贈り物」
ウィル・スミスの主人公が事故で7人を殺した自分の過失を、7つの臓物を提供することに拠って償おうとする208年の善行物語。
7)キム・テギュン監督の「暗数殺人」
2018年韓国製クライム・サスペンス。有利な証言を引き出すために刑事が犯人に大金を提供するなんて信じられない。
8)チャン・ギュソン監督の「幼い依頼人」
実話に拠る2019年の継母による幼児虐待事件映画なり。酷い母親もあったもんだ。
9)ドーリス・デリエ監督の「命みじかし恋せよ乙女」
2019年の独逸製心霊映画。樹木希林の遺作となったがちょっとしか出演していない。
10)キム・テフン監督の「長沙里9.15」
朝鮮戦争の仁川上陸作戦のための長沙里戦争で犠牲になった学徒兵の悲劇を描く2019年の作品。
コロナなど気にしていないと無視してもコロナは君を忘れはしない 蝶人
島田潤一郎著「古くてあたらしい仕事」を読んで
照る日曇る日 第1845回
何をやってもうまくいかない著者が、最後の最後に取り組んだのは「古くてあたらしい仕事」、すなわち30万円で始めた出版社がの立ち上げであった。
本書はその「夏葉社」が船出するまでのあれあこれやであるが、語り口がざっかけないので好ましい。
しかし最初に出した本が、小島信夫訳、マラマッドの「レンブラントの帽子」、2番目が関口良夫の「昔日の客」の復刊とは、恐れ入る。されど、こーゆー渋い稀覯本の愛好者は、少ないけれども確実に存在していて、そのニッチの狙いが奏功した結果、この弱小出版社は今日まで永らえたのだろう。
この本を読んでいちばん感動したのは、小田急線の生田の山の上に、今も住んでいる庄野潤三の遺族の話である。
早くも世間から忘れ去られた感がある、本邦戦後文学最高の名著「夕べの雲」の作者の小説選集を、偶々著者が出版したことから生まれた清らかな交流、(特に潤三の妻、千壽子さんとの)についての小文は、読んで心の底まで洗われるような思いがしましたね。
49になったばかりの息子いう「大好きですお2023年!」 蝶人
照る日曇る日 第1843回
大阪芸術大学、大阪文学学校、詩誌「びーぐる」を拠点にする山田氏が中心になって2005年から実施された谷川選手とその詩を巡る、前後8回の対論集である。
本邦を代表する偉大な詩人の「怪人20面相」的な多種多様な活動のあれやこれやが詳細に解説される中で、「現代詩」が置かれている難儀な状況が明らかにされていく貴重なドキュメントなり。
2016年以降の3名の鼎談に期待していたのに、その中心人物の山田氏が急逝されて不可能になってしまったのは、惜しみても余りある悲劇であった。
朝日は漱石毎日は鴎外読売は紅葉日本新聞は子規が書いていた頃 蝶人
照る日曇る日 第1843回
歌舞伎の事なら何でも知っている著者がものした、大戦前夜の歌舞伎座を舞台にした歴史探偵小説である。
連続殺人事件の謎解きなぞの展開は、見事に失敗していて、面白くもおかしくもないが、松竹の快進撃や芝居業界の裏事情などの蘊蓄は、随所にふんだんに散りばめられていて、さすがと思わせる。
美濃部達吉の「天皇機関説」が不敬だとして葬り去られ、治安維持法によってマルクス主義者や自由主義者たちが徹底的に弾圧され、阿呆莫迦軍部が阿呆莫迦政治家どもを駆逐して独裁体制を敷いていく道行は、現代日本の陰鬱な時代状況と折り重なるように描写されているので、現今、「新しい戦前」、いつか来た道を辿りつつある我々読者の心胆を、時折寒からしめるのである。
ヒトよりもニワトリ君が偉いならインフルに罹っただけで皆殺しにされてる 蝶人
闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3158~67
1)ジェフ・ニコルズ監督の「ラビング」
1950年代の米ヴァージニア州を舞台にした黒人女性と白人男性の感動的な愛と戦いの物語。実話に基づく2016年の作品。
2)アーウイン・ウィンクラー監督の「勇者たちの戦場」
イラクに派遣されて心因性の精神障害を蒙った帰還兵士たちの苦悩を描く2006年の戦争映画。
3)コートニー・ハート監督の「砂上の法廷」
弁護士キアヌ・リーブス主演の殺人事件を巡る法廷裁判劇。思いがけないどんでん返しがある2016年のギャガ映画。
4)ミミ・レダー監督の「ビリーブ未来への大逆転」
最高裁判事ルース・ベーダー・ギンスバーグ女史の苦闘の半生を描く2018年の伝記映画。
5)イム・サンス監督の「ハウスメイド」
超富裕一家に雇われ、妊娠、中絶させられた女中の哀しい最期。2010年の韓国映画なのだから、自滅ではなく、もっとキチンと復讐させてやってほしい。
6)ジョン・マッデン監督の「女神の見えざる手」
辣腕ロビイストが銃規制法案を巡って獅子奮迅の大活躍をする2016年の法廷内幕物だが、ホンマまかいな。ロビイストってこんなに凄いのだろうか?
7)スティーヴン・ナイト監督の「ハミングバード」
孤独なアフガン帰還兵士が監視社会から逃れて権力に刃向かう2013年の英国製アクションスウリラーサクペンス映画。
8)ジェームズ・ポンソルト監督の「ザ・サークル」
ある秘密結社が実力を蓄え、国家国民に大きな影響を与える、とかなんとかの2017年の退屈なお噺ずら。
9)濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」
村上春樹とチェーホフから題材を得て、巧みに組み立てた脚本がよく出来ている2021年の秀作だが、役者は一考の余地あり。
10)李相日監督の「怒り」
著名な俳優を数多く起用した2016年の探偵映画だが、脚本、演出ともによくない。
松田定次、小沢茂弘監督の「新吾十番勝負」全4作
1961年から4年までに製作された大川橋蔵主演の阿呆莫迦チャンバラ映画。こういう下らない映画のお陰で日本映画は腐敗堕落の一途を辿ったのよ。
クレンペラー。ムラビンスキー、クライバー 両翼配置の指揮者が好きだ 蝶人
チャールズ・ブコウスキー著・都甲幸司訳「郵便局」を読んで
照る日曇る日 第1842回
ついに登場したブコウスキーの出世作の最新版の訳本だあ!
おらっち、ブ選手の初めての自伝的長編小説を、清新な日本語で読める快楽を心ゆくまで堪能することができましたあ。
これは、実際に郵便局員として口を糊していたブ選手の、女と酒と競馬と文学まみれの日々をば、ヘミングウエイの初期風の文体でつづったパンキッシュな物語で、
例えばこんな風だ。
「彼のアレはでかいの」フェイは言った。「こないだの晩、彼が来て、こう訊いたの。『デカいアレでやられるのは好きかい?』で私言ったの。『愛でやられるほうがいい』って」
十五夜の満月のあとは見捨てられ見る人も無きの只の月かな 蝶人
これでも詩かよ 第306回
人はみな、何かを、やらかす
生れてから、死ぬまで
やらかし、やらかし、やらかし続ける
政治家になって、贈収賄を、やらかす
教祖になって、マインド・コントールを、やらかす
会社をM&Aして、WinWin競争を、やらかす
ヤクザになって、麻薬取引を、やらかす
億万長者になって、メディア買収を、やらかす
独裁者になって、世界征服をやらかす
けれども
やらかすだけが
人生なのだろうか?
贈収賄を、やらかさない
マインド・コントロールを、やらかさない
WinWinごっこを、やらかさない
シャブ取引を、やらかさない
メディアしゃぶりを、やらかさない
もちろん、世界征服なんて、やらかさない
猫町横丁には、そんな人たちも、住んでいて
人知れず、静かに、生きて
人知れず、静かに、死んでいく
やらかさない やらかさない
とくに、なんにも、やらかさない
そんな人生だって、立派な人生では、ないだろうか?
塚本ぐヮ始めた言葉遊びの言葉派はみな自涜型の脹脛を持つ 蝶人
蝶人物見遊山記第353回&鎌倉ちょっと不思議な物語第438回
ある晴れた日に第708回
1963年生まれで鎌倉在住の刺繍作家による刺繍をもとに刺繍から衣服、絵画、建築、綜合芸術へと自由自在、奔放に越境したコレクションをみて、こころのおなかがいっぱいいになったような気になりました。
タイトルは、布を引き裂くと臓器の中から「さらけでるもの」があって、それを自他の前に突きつける、というような意味かしら。
会期は1月9日までなので、駆け付ければまだ鑑賞することができますが、物凄い人出だ。なんでみな北条一族がライヴァルを皆殺しにして死骸累々祟り渦巻く死都鎌倉くんだりにやって来るんだろう。
古都らしさに憧れて来た住人が挙って建てる古都らしからぬ家 蝶人
蝶人物見遊山記第353回&鎌倉ちょっと不思議な物語第438回
ある晴れた日に第708回
1963年生まれで鎌倉在住の刺繍作家による刺繍をもとに刺繍から衣服、絵画、建築、綜合芸術へと自由自在、奔放に越境したコレクションをみて、こころのおなかがいっぱいいになったような気になりました。
タイトルは、布を引き裂くと臓器の中から「さらけでるもの」があって、それを自他の前に突きつける、というような意味かしら。
会期は1月9日までなので、駆け付ければまだ鑑賞することができますが、物凄い人出だ。なんでみな北条一族がライヴァルを皆殺しにして死骸累々祟り渦巻く死都鎌倉くんだりにやって来るんだろう。
古都らしさに憧れて来た住人が挙って建てる古都らしからぬ家 蝶人
西暦2023年睦月蝶人映画劇場その1
闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3148~57
1)ゲロ・フォン・ベーム監督の「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」
2018年の記録映画。誰かがニュートンはレニ・リーフェンシュタールが男性モデルに対してやったことを、女性モデルにやった、と評していたが至言だ。
2)アッバス・キアロスタミ監督の「トラベラー」
首都で行われるサッカー大会をどうしても見たくて、万難を拝してテヘランまで駆け付けた少年の夢と執念を鮮やかに描破した1974年のモノクロ映画。
3)アッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」
友達のノートを返そうとイランの貧しい村の中をあちこち駆けずり回る、ただそれだけの映画になんでかくも惹きつけられるのだろう?1993年のイラン映画。
4)アッバス・キアロスタミ監督の「そして人生はつづく」
「友だちのうちはどこ?」の続編で、1990年のイラン大地震に襲われた村の少年を訪ねる旅路を描く92年の作品。
5)アッバス・キアロスタミ監督の「オリーブの林をぬけて」
「友だちのうちはどこ?」の派生作品で、懸命に女の愛を求める若者の一念を描く。ラストの草原の長回しがとてつもなく素晴らしい1994年の作品。
6)アッバス・キアロスタミ監督の「桜桃の味」
自殺志望者がその協力者を求めるロードムービーであるが、主人公はどういう人物なのか、、なぜ死にたいのか、なぜ幇助者を必要とする死に方を選ぶのかが全く説明されないので、見ていてもその甲斐のない1998年の映画なり。
7)アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の「ラブレス」
2018年のロシア映画でめえだけにかまけて家出してしまった息子に衝撃を受ける阿呆莫迦夫婦を描く。親切なボランティア部隊が行方不明者を熱心に捜索してくれるので驚く。
8)イ・ジスン監督の「奴隷の島、消えた人々」
塩田の強制労働を舞台にした実際の殺人事件に基づく2016年の韓国の謎とき映画。思いがけないどんでん返しに驚く。
9)バート・レイトン監督の「アメリカン・アニマルズ」
4人の阿呆莫迦大学生が図書館の貴重図書を盗み出そうとして失敗した実話の顛末を描く2018年の阿呆莫迦映画なり。
10)スティーヴンナイト監督の「ハミングバード」
監視カメラに覆い尽くされた現代社会の中で、愛と正義に生きようとする一人のアフガニスタン帰還兵士の悲劇を描いた2013年の英国アクション映画ずら。
急速に男か女か分からない男女になりゆく氷川きよし 蝶人
照る日曇る日 第1841回
キューリのピクルスが瓶の中から飛び出して道路に転がり出ると、その後ろからサンドイッチやプレッツェルやリンゴやアーモンドや干しブドウの一群が1列になって大行進するプロットが素晴しい!
彼らは街角で少年にぶつかって、ピクルス以外はみんな食べられてしまうのだが、食べられなかったピクルスだけが再び逃げ出すラストは秀逸なり。
月4400円の新聞も月末に捨てられトイレットペーパーとなる 蝶人
蝶人物見遊山記第352回&鎌倉ちょっと不思議な物語第437回
ある晴れた日に第707回
鎌倉では阿呆莫迦市長が住民の頭越しに誰にとっても不便極まる辺鄙な深沢地区への市庁舎移転を「勝手に決め」、あまつさえそれを広報に発表して既成事実化を図っています。それで先月ようやく議会に諮ったところ、賛成16、反対10という結果になり、あと2名の賛成があれば本決まりになるところでした。
市議選連続トップ当選の長嶋竜弘氏http://kamakurasi.com/をはじめ、心ある無所属や共産党は反対ですが、賛成派には自公を始め鎌倉ネットワークの議員までが賛成に回っているのは不可解です。
さて忘れるとこだったけど、年末にお馴染みの展示を見物しました。鎌倉殿の阿呆莫迦13人ぶーむで小町通りは賑わっていますが、同じ小町でもここはいつもガラガラで、それがいいので来る人もおりまする。
で毎年この節になると名押絵師、永井周山の手になる羽子板「明治風俗12カ月」を陳列してくれるので、私どもは江戸明治大正昭和ならびに現代のお正月気分に同時に浸ることが出来るのです。
「あけましておめでとう」さえ大儀なり今年はどないに生きていこうか 蝶人
西暦2022年師走狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第409回
もう師走か。また1年が終わるのだ。何もせず、何も出来ないままに季節だけは容赦なく通り過ぎ、懐かしい人々がどんどん亡くなり、世の中は、どんどん悪くなっていく。我々の前にいかなる「未来」が待っているのだろう?12/1
最後まで観戦して2度目の「奇跡」を体感できてよかった。決勝ゴール前に、球がはライン外にはみ出していると思ったのだが、あれは右後方のカメラだから正確ではなかったんだね。人世もサッカーも、いつ何が起こるか分からないな。12/2
毎度詰まらない朝日新聞の本紙より遥かに読み応えがあるのが土曜別刷の「be」。例えば本日ならフロントランナーに話題の紀藤弁護士の活動を特集し、故西村賢太の「逆風満帆」、沢木耕太郎の歴史小説、原武史の連載も興味深い。これで山田洋次の「夢をつくる」が掲載されていたら最高なのだが。12/3
政治、経済、社会、その他どこをとってもロクなネタが皆無な現代ニッポンにあって、独、、西斑牙を撃破してW杯2次リーグに進出した森保ジャパンの奇跡的勝利だけだゆいいつの朗報。月曜日までの期間限定で心ゆくまで美酒に酔おうぜ。12/4
詩は、生を言祝ぐ歌であり、死に抗う、魂の舞踊である。
全国の学友諸君、声を限りに歌い、力の及ぶ限り、踊ろうではないか。12/5
クロアチアから先制点を挙げながら、善戦空しく無念の敗退を喫した森保ジャパン。されどPK戦の技量はガンバ大阪時代の優等生、遠藤等に比べて著しく劣化している。なんでど真ん中に蹴れないのか?なんでキーパーの届かない上部を打てないのか?12/6
クロアチア戦の天下分け目の関ヶ原となったPK戦で、森安監督が自ら熟慮することもなく、「立候補制!」で蹴る選手を決めたという報道を見て目を疑った。主体性を放棄して、最も重要かつ最高度の専門技術を要する最重要のタスクを、こんな無責任かつ反知性的な偶然に委ねた愚かな監督など、世界中のどこを探してもいないだろう。12/7
軍事費を5年間で1.5倍にし、おまけに敵基地攻撃能力を持てば、そうしない場合より1.5倍戦争の危険は高まり、我々の暮らしは1.5倍苦しくなることが、お前には分からないのか。12/8
野望に駆られて何の大義名分もなくウクライナを侵略したプーチン大帝に対して、ウクライナがモスクワのインフラを攻撃したり、クレムリンをミサイル攻撃して大帝を血祭りに挙げる代わりに、ロシアの橋を落としたり、空軍基地を無人機で攻撃したりするのは致し方のないことだ。12/9
もし北朝鮮や中国、ロシアの基地を攻撃したら、彼らは直ちに我が国の自衛隊基地にミサイルを撃ちこむ。すると残った自衛隊と米軍は直ちに彼らにミサイルを撃ち込み、その報復に彼らは全ての自衛隊と米軍基地にミサイルを撃ち込み、以下同文で我が国のすべての原発にミサイルの雨が降るだろう。いい大人が、どうしてそんなことが分からんのか。12/10
もしヤマガミがアベを殺さなかったら、国葬はなかったろうし、旧統一教会は政治問題にならなかったし、宗教2世はもっと苦しんだろうし、キシダの支持率もこれほど下落しなかったろうし、野党の活動も注目されなかったろう。もしかすると、ヤマガミは国民栄誉賞に値するのではなかろうか。12/11
ジム・ジャームッシュ監督の映画「パターソン」に出て来る詩は、みんなステキなんだけど、とりわけ少女が書いた(ことになっている)「雨」の詩には涙が出るほど感動したな。おらっちが書きたいのも、ああいう詩なんだけど、なかなか書けないな。12/12
キシダや自民党国防部がラアラア騒いでいる我が国の防衛費=軍事費の件。対GDP2%なら、印、英、露、仏、独、サウジを一気にゴボウ抜きにして、米、中に次いで世界第3位!になるのだが、そんなに増やして、どこかと戦争でもしたいのかね?12/13
「まひる野」の篠弘氏が89歳で逝去されたらしいが、この歌人が長らく小学館で百科事典編集長をされていたとは知らなかったなあ。しかし、こないだ毎日歌壇で氏に投稿したおらっちの短歌は、他の選者に回るのだろうか?12/14
逗子市長選で元市長、国会議員のナガシマが現市長に大敗。そあそうだろう、てめええの私利私欲に駆られて市政や国政を真面目に務めあげない阿呆莫迦政治ゴロへの冷厳な報いである。宮崎県知事選のヒガシコクバラも同様なり。12/15
身心一元論者は、「高度な技術は交響曲が人に与える感動を再現できる」と主張する人間に似ている。しかし我々は空気の複雑な振動とそれがもたらす感動は、存在審級が異なるというほkない。竹田青嗣「新・哲学入門」第3章より 12/16
重要なのは、個々人の世界像(〈世界確信〉の一切が、この現前意識の連続的持続のうちで構成されるということだ。そして、ここから構成される世界確信の全体を、大きく「日常世界」「公共世界」そして「文化的・理念的世界」の3つに区分することができる。竹田青嗣「新・哲学入門第4章」12/17
キシダとかオノデラとか日本会議の奴らが、そんなに軍事費を増やしたいなら、自前で現金を払って、ミサイルや戦闘機を買いたいだけ買えばいいのら。おらっちはビタ一文払わないけど。12/18
世界認識の一般理論は一切の世界認識に次のような本質区分を与えることができる。
W杯決勝戦の決着も、PK戦だった。それほどまでに重要なPK戦を、愚かにも選手の「自発的申告」に委ね、無為無策でクロアチア戦を「戦う前に落とした」森保監督。あんまり「ブラボー!」じゃないね。12/20
「現前意識」は人間の一切の世界確信の構成を支える、それ以上遡行されえない最後の「底板」にほかならない。「現前意識」は我々の生と世界の「現実性」の根本的前提であり、「誰もその背後に回ることのできない絶対的な基底」である。竹田青嗣「新・哲学入門第4章」より12/21
目の前にあるリンゴを見てすぐに目を閉じるとその残像が瞼の裏に残る。つまり我々の「具体的な今」は瞬時の「今」ではなく、いわば「今」とその「残像」としての「過去把持」の重なり合いとして現れている。人間の現在知覚には、本質的に「直後記憶」の契機が織り込まれているといえる。竹田青嗣「新・哲学入門第4章」より12/22
もはや旧聞に属する話だが、М-1に出場した女子2人組の「ヨネダ2000」がサイコーに良かったな。ああいうのを21世紀型落語パンクというんだろうな。12/23
21世紀の現在、哲学はその本質を見失い、自壊し、死に瀕している。なぜか。哲学の本義は普遍認識を目がける普遍洞察の方法にある。だが現代哲学では稀な例外を除いて、哲学の根本方法を否定する相対主義哲学が、その舞台を席巻してきた。哲学の偉大な達成は、相対主義が克服された時代においてのみ現れる。竹田青嗣「新・哲学入門第1章」より12/24
西山禾山によれば「金剛経」の「応無所住 而生其心」、「維摩経」の「仏魔善悪不二無差別」は重要である。「無門関」に出て来る趙州和尚の「狗子仏性」も同様。無、無、無絶対的無の世界である。by平櫛田中12/26
哲学は、普遍的な世界説明を創り出す試みである。だがそもそも何のために?それは「普遍暴力の縮減」のために、またそのことによって、すべての人間の共存とエロス的共生の条件を作り出すため、である。竹田青嗣「新・哲学入門第1章」より12/27
かまくら泌尿器科で貰った頻尿撃退薬は、かなり効き目があるのだが、毎朝起きられず、起きても気力が湧かず、終日物言えば唇寒しの心境に沈湎してしまう。これでは迫りくる白内障手術なんか到底無理だろうな。12/28
頂いたミカンとリンゴにウナギもあるし、お肉とカニも買ったし、オセチも少しあるし、これで我が家は今年もなんとか年越しができそうだ。12/29
人間はもっとも弱い者も、もっとも強い者を斃すだけの力を持っている(ホッブスのリヴァイアサン)。このことが人間世界を絶対の弱肉強食ではなく、「普遍暴力」の世界にする。一方の暴力原理と相互不安、他方の暴力縮減のための社会秩序の創設野2つが、人間世界を規定している。竹田青嗣「新・哲学入門第1章」より12/30
西暦2022年は、プーチンのウクライナ戦争から始まって新型コロナ第8波の進撃で終わった。世界の前途は暗く、パンドラの箱を底まで探しても、エルピスは見えない。12/31
旧年に新年の歌を詠んでいる歌人も愚かメディアも愚かと 蝶人