ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Best Of Mose Allison / Mose Allison

2022年09月14日 | ジャズ

The Best Of Mose Allison / Mose Allison (1970)

ジャズ・ピアニスト、モーズ・アリソン(Mose Allison)のベスト盤。オリジナルは12曲収録だが、購入したこのCDは20曲入りなので拡大再編集されているようだ。そもそもはザ・フー(The Who)のピート・タウンゼント(Pete Townshend)が影響を受けたアーティストということで名前を知った。ザ・フーはかの名ライヴ盤「Live At Leeds」(1970)で彼の「Young Man Blues」をカヴァーしていて(この盤には未収録)、そのハードでドラマティックな音に刺激されてオリジナルを、と聴いてみたのだが、いわゆるジャズっぽくないタッチのピアノ演奏と、拍子抜けするような軽いヴォーカルで驚いた。そのオリジナルには惹かれた訳ではないのだが、もう少し聴いてみようと買ってみた次第。

ラッパも太鼓も入った演奏だけれど、どの曲を聴いてみてもやはり印象は変わらず、軽めでお洒落で都会的な感じ。言わずもがなだけれど、きっとジョージ―・フェイム(Georgie Fame)なんかも大きい影響を受けているだろう。ブルーズ・ベースの曲も泥臭いところはあまり感じられず、「Rollin' Stone」「Seventh Son」などの名曲も、オリジナルにあるような重さは全く感じられない。ピアノはあくまでバンドの音のひとつといった感じで、リーダーとはいえ前に出しゃばったりしない感じ。ヴォーカルもひっくり返ったりしてとても上手いとは言い難いが、何だかクセになる不思議な声だ。果たして彼の全盛期のターゲットはどこにあったんだろう。やっぱり若い白人層だったのかな。

中古店にて購入(¥255)

  • Label ‏ : ‎ Atlantic / Wea
  • ASIN ‏ : ‎ B000002I5Q
  • Disc ‏ : ‎ 1
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The Essential Miles Davis / Miles Davis

2022年02月24日 | ジャズ

The Essential Miles Davis / Miles Davis (2001)

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のコロンビア時代のオリジナル・アルバムはボックス・セットで全部持っているので全く必要の無い編集盤だが、同シリーズのジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)のCDを購入した時に同じ出品者から出ていたので、ついでに入札しておいたら落札出来ていた2枚組CD。でもソニー・コロンビア在籍時に限った有名曲のみが収録されているとばかり思っていたら、収録曲にはバード(Charlie Parker)とやった「Now's the Time」をはじめ、彼の30年ものキャリアを振り返るオール・タイム・ベストだったので結果的にはOK。

彼のキャリアは、おおまかに大物アーティストのセッション参加期、クール、ハードバップ、エレクトリック、フュージョン、ポップスと、様々な音楽スタイルの、言わば”ジャズの歴史”でもあるので、到底2枚では俯瞰出来ないだろうし、選曲もあれが無いこれが無いなんてことになるのは分かり切ったことだったろうが、そこを無理矢理押し込んで編集されている感じ。でもファンとしてはそれに対してあーだこーだ言うのが楽しいので(笑)、コンピ好きはいつまで経ってもCDの枚数を削減することが出来ない…。この2枚組もエレクトリック少なめで好きな曲ばかりという訳にはいかないが、マイルスの偉大な足跡をちょっと新鮮に聴くことが出来た。

ネットオークションにて購入(¥465)

  • Label ‏ : ‎ Sony
  • ASIN ‏ : ‎ B00005JA24
  • Disc ‏ : ‎ 2
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The Essential Jaco Pastorius / Jaco Pastorius

2022年01月31日 | ジャズ

The Essential Jaco Pastorius / Jaco Pastorius (2007)

アーティストの代表曲を2枚組のCDに集めたソニー、コロンビア系の「The Essential」シリーズ。どのタイトルも上手くまとめてあるので重宝していくつか所有しているが、今回購入したのはジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)。異端のジャズ・ベーシストとして名を馳せた彼のアルバムは、参加していたウェザー・リポート(Weather Report)のベスト盤と、1976年のファースト・ソロ・アルバムだけ持っている。ベーシストであるがゆえにコレッとピンとくる曲ばかりではないので、もう少し色々聴いてみようとこのシリーズにしてみた。

ソロ作品はもちろんのこと、パット・メセニー(Pat Metheny)、ウェザー・リポート、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)らの作品に参加した際の音源も収録されているのでキャリアを俯瞰出来る内容。ソロ作品でのベース・ラインは緻密。ベース奏者のソロって楽器の特性ゆえに似たようなものになりがちだけれど、さすが彼の作品はその個性がしっかりと曲に出ている。ジョニ・ミッチェルがジャズに寄っていた頃の共演は、浮遊するようなトーンでもう1人ヴォーカルがいるみたいに雄弁。まるでデュエットしているようだ。意外と良かったのが80年代に入ってからのビッグバンド・スタイル。彼のイメージからすると合わなさそうだけれど、聴いてみるとこれがなかなかイイ。来日時の奇行が有名でトラブルメーカーだった彼。故に干されて最後はホームレスだったという…。1987年にたった36歳で夭折したが、彼の音楽の人気が衰えないのが分かる気がした。

ネットオークションにて購入(¥465)

  • Label ‏ : ‎ Sony Legacy
  • ASIN ‏ : ‎ B000QEIMAU
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Freedom Jazz Dance (The Bootleg Series Vol. 5) / Miles Davis Quintet

2021年08月29日 | ジャズ

Freedom Jazz Dance (The Bootleg Series Vol. 5) / Miles Davis Quintet (2016)

もうどれだけ発売されているのか分からなくなるくらいの物量がリリースされているマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のブートレグ・シリーズ。いつも満足した試しは無いのに、値段によってはつい手を出してしまう悪い癖。今回購入したのは1966年から1968年までの録音のアウトテイク。アルバムでいくと「Miles Smiles」「Sorcerer」「Nefertiti」「Water Babies」「Miles In The Sky」といった辺り。クインテット第2期で、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock, p)、ロン・カーター(Ron Carter, b)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter, t.sax)、トニー・ウイリアムス(Tony Williams, drs)という、いわゆる黄金期と呼ばれる面々だ。自分はエレクトリック・マイルスから入ったので、このメンバーに強い思い入れは無いのだが、聴いてみたくないかと問われれば「否」というのは嘘になる。

演奏の間に入るマイルスのハスキーで独特の声が興味深い。実際に何を指摘しているのかは発声のクセが強過ぎて分からないのだが(日本盤は翻訳とか付いているのかな)、そりゃあもうマイルスだもの、みんな緊張してピリピリしていたに違いない。こうしてややもすれば同じ曲の演奏の繰り返しで冗漫にもなりかねないスタジオ・セッションを流し聴きしていると、いつもこの中から切り取ってアルバムにまとめ上げたプロデューサー、テオ・マセロ(Teo Macero)のセンスとその力量に驚く。実際の編集作業をマイルスと一緒に進めたのか、ポンと任されたのか、どっちなんだろう? やはりライヴと違ってセッションのボックス・セットの常でこれを何回も聴こうとは思わないが、ディープに聴く人にとっては堪らない素材なんだろうな。

オークションにて購入(¥1,410)

  • Label‏ : ‎ Sony Legacy
  • ASIN ‏ : ‎ B01KKYZQP4
  • Disc ‏ : ‎ 3
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Live In Vienna 1973 / Miles Davis Septet

2021年06月02日 | ジャズ

Live In Vienna 1973 / Miles Davis Septet (2009)

大手通販サイトに沢山のブートレグ(海賊盤)もどきのハーフオフィシャルと呼ばれる非公式盤が出回るようになって久しい。かつて80年代、欧米では著作権保護を目的とした取締りがとても厳しく、自分がアメリカに滞在していた頃も大都市のマニアックなレコード屋でも海賊盤はなかなか目にすることがなかった。世界的に見て当時から一番のブートレグ天国だったのは、この日本。今でもそうなのかは知らないが、一時は有名なアーティスト自身が聖地・西新宿の店に立ち寄っていく姿がよく見られたそう(→店内で写真を見たことはあるが遭遇したことは無い)。中にはジミー・ペイジ(Jimmy Page)のようにツェッペリン(Led Zeppelin)関係のブートを棚からごっそりとかっさらう人も居たようだ(←暗黙の了解らしい・笑)。自分はまだアナログの方が多かった時代から西新宿に通ってストーンズ(The Rolling Stones)、ツェッペリン、ヴェルベット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)、クラッシュ(The Clash)、テレヴィジョン(Television)などのブートを買っていたが、今と違っていい音で出回っている作品は少なく、何度もなけなしの小遣いをドブに捨てるような酷い盤を手にして泣かされたものだ(今でもレコード棚に…)。何がどうなって今のような事になっているのかは分からないが、ちょっと検索するだけで山のようにブートまがいの作品が出てきて、しかもそれらの値段が特にバカ高い訳ではないから逆にファンを戸惑わせることになっているは皮肉なもの。こういう盤は当り外れが多いので購入してみようと思う人は要注意。ま、今は昔より格段に情報が多いので大丈夫だとは思うけれど…。

今回購入したマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の73年のウイーンでのライヴも大手通販サイトで購入出来て、以前から海賊盤で出ていた音源。自分はその海賊盤は聴いたことがないが、話によると今回購入したこれよりも海賊盤の方が音がいいらしい(苦笑)。ま、安く買ったので承知だったが。当時のバンド・メンバーは以下の通り。

  • Miles Davis - Trumpet
  • Pete Cosey - Electric Guitar, Percussion
  • Reggie Lucas - Electric Guitar
  • Michael Henderson - Bass
  • Al Foster - Drums
  • Dave Liebman - Electric Tenor Sax, Soprano Sax, Flute
  • "Mtume"  - Congas, Percussion

エレクトリック・マイルスここに極まれり、といった感じのラインナップだ。ヴィデオ起こしなのかは知らないが、モノラルでややこもった音質。自分は耳が腐っているので(※←比喩的な表現です・笑)充分に聴ける音質だが、慣れていない人にはお勧め出来ない。呪術的なコンガの音に、ハードなエッジのリズム・ギターが絡まり、そこにマイルスのミュート・トランペットが加わっていく。これが本当にジャズなのかと問われれば「違うかもしれない」と言う他ない。映像が無いと、どう演奏されているのかが分からないので、すべてがダマになってこちらに向かってくるが、だんだん心地よくなってくるのが不思議。これだけ色んな音楽が溢れていて、それらのほとんどを何の苦労も無しに聴ける現代であっても、ここにある音楽はやっぱり特殊だ。たった5年程で、どうしてマイルスはこの異境にまで到達したのか…。

オークションにて購入(¥608)

  • Label : GAMBIT
  • ASIN : B002T4F802
  • Disc : 1
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The Real... Duke Ellington / Duke Ellington

2021年03月17日 | ジャズ

The Real... Duke Ellington / Duke Ellington (2012)

コロンビア、ソニー系の大御所アーティストの廉価版CD3枚組の「The Real...」シリーズ。今回購入したのはジャズの巨人、デューク・エリントン(Duke Ellington)。女性ヴォーカルを加えたものを含む彼のビッグバンド(オーケストラ)の演奏が、3枚のCDにたっぷり75曲詰まっている。以前記述したように、自分がデューク・エリントンの音楽を聴いたのはストーンズ(The Rolling Stones)の81年のツアーのオープニングに流れた「Take The "A" Train(A列車で行こう)」を聴いてから。亡くなった父は昔からビッグバンドのジャズが好きで、幼少の頃に車の中で色々聴いた覚えがあるのでデューク・エリントンのCDも持っていたはず。

「The Real...」シリーズはたっぷりのヴォリュームでありながら値段が安いし、総じて内容が充実しているのはこのデューク・エリントン版でも同じ。たっぷりと75曲収録されている。彼のディスコグラフィーは全然把握していないし、この「Real...」シリーズ唯一の欠点でデータがほとんど記載されていないので、いつ頃の録音だとか、どのLP(それともSPか)に収録されていた曲だとかが分からないのが惜しい。それがあるだけで随分満足度が違うのだが…。音からするとかなり古そうなので、彼の初期のコロンビア録音も含まれているんじゃないかな。40年代頃のハーレム、紫煙たなびく場末の薄暗い地下ジャズ・クラブで、バーボンでもやりながらこんな音楽を聴けたのなら最高だろう(←ちょっと怖いか・笑)。これを機会に、亡くなった父が箱に詰めたまま棚に仕舞ってある10インチ盤を引っ張り出してどんなアーティストがあるか調べてみようかな。

→ <後日> いくつもある箱の中から何枚か出してみたけれど、カンパニー・スリーヴの付いているだけの物がほとんど。クラシックが多いかな。知っているポピュラー・アーティストはドリス・デイ(Doris Day )、シナトラ(Frank Sinatra)、江利チエミ、ペギー葉山くらい(笑)(写真下)。とても1枚1枚は確認出来ないが、ざっと見たところデューク・エリントンは見つからず。これらをちゃんと聴くかどうかは別にして、壊れたままのレコードプレーヤー、直さないとナ。

 

amazonにて購入(¥498)

  • Label : RCA
  • ASIN : B0079ZG7GU
  • Disc : 3
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Valve Bone Woe / Chrissie Hynde with The Valve Bone Woe Ensemble

2021年03月13日 | ジャズ

Valve Bone Woe / Chrissie Hynde with The Valve Bone Woe Ensemble (2019)

我が愛するプリテンダーズ(The Pretenders)のクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)が2019年に発表した2枚目のソロ名義のアルバム。異色なのはシナトラ(Frank Sinatra)やコルトレーン(John Coltrane)、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)など、ジャズのスタンダードやボサノバ、ロック・スタンダードのアレンジ曲など、ロックンロールではない彼女のヴォーカルが満載なこと。インタビューではこういったジャズが身近だったというクリッシー。聞けばジャケット等のアートワークにも採用された一連の油絵も彼女の作品で(作品写真下)、この歳にして創作意欲旺盛な一面が見られる。

そもそも近年はオーケストラと共演したり、映画の挿入歌を歌ったり、トリビュート盤に参加したりと、いわゆるロックじゃない曲をよく演っていたので、こういう作品が出ても驚かないが、アルバム全部となるとどうか。女性にしては低いけれど、見た目と違ってとても甘い声質でもあるクリッシーがこういう曲を演ると、しっかりとアンニュイな雰囲気が漂い、想像通りビタッとハマっている。バックの演奏は近年相棒として活躍している現プリテンダーズのJames Walbourneも参加しているテンポラリーなものだと思うが、まるきりスタンダードな演奏ばかりっていう訳でもなくエフェクトとしてシンセなども使用しているようだ。13にはジェフ・ベック(Jeff Beck)とも共演した女性ベーシスト、タル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfeld)も参加している。自分はクリッシーの大ファンなので充分楽しめるが、それでもお腹いっぱい、続編は要らないかな(笑)。

amazonにて購入(¥1,268)

  • Label : Bmg Rights Managemen
  • ASIN : B07R1CMRJT
  • Disc : 1
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Undercurrent / Bill Evans and Jim Hall

2021年01月16日 | ジャズ

Undercurrent / Bill Evans and Jim Hall (1962)

レコードを購入する時の理由に”ジャケットがカッコイイから”という、いわゆる”ジャケ買い”というのがある。自分もかつて中古レコード屋で盤を漁っていた時にはそういう事が何度もあった。その頃からずっと気になっていたのがこのビル・エヴァンス(Bill Evans)とジム・ホール(Jim Hall)の1962年のアルバム「Undercurrent」。この水浴とも水死体ともとれるようなジャケット写真が何とも言えずかっこよくて何度も手に取った。それでも特段ビル・エヴァンスが好きという訳でも無いし、レコード・ジャケットはその写真の鮮明度というか、デザインも盤(あるいは発売時期)によってまちまちで、ぼやけたのやら、タイトルやアーティスト名が入ったものやら色々。結局買うことは無かった。

久しぶりにこの盤の事を思いだしCDを探していると、やはりCDでもジャケのデザイン(色、トリミング、ロゴetc...)は様々。音なんかどうでもいいから(笑)、とりあえず写真のシャープネスの良さそうな物を選んで購入してみた。ちなみに鮮明度の高い元写真はこちら。アルバムはビル・エヴァンスのピアノとジム・ホールのギターのデュオ。どちらもクールなトーンの音色で、せめぎ合うというよりは寄り添うような演奏。こういう音楽は最近飲食店のBGMに使われ易いので、どうしてもそんな感じに聴こえてしまうのは時代のなせるワザか。プロデューサーのアラン・ダグラス(Alan Douglas)ってあの晩年~死後のジミ(Jimi Hendrix)の作品を扱って悪名高いあのアラン・ダグラスかな(→そのようです)。こうしてCDの小さなジャケットを見ていると、やっぱりレコードのでっかいジャケットの迫力は魅力があるなァ。探して飾ってみようかな。

amazonにて購入(¥630)

  • Label : CAPITAL
  • ASIN : B0000691U0
  • Disc : 1
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Live At Montreux / Marlena Shaw

2020年12月25日 | ジャズ

Live At Montreux / Marlena Shaw (1974)

1974年にブルー・ノートから発売されたマリーナ(マレーナ)・ショウ(Marlena Shaw)のライヴ・アルバムのCD版。オリジナルのアート・ワークは、ちょっとごちゃごちゃとしたブルー・ノートらしからぬデザインだったようだ(ジャケ写下)。時はすでに70年代だから、ブルー・ノートもかつてのクールさが既に失せていたのか、それともファンクの影響なんかもあったのかもな。

彼女の音楽を全然知らなかった自分が存在を知ったのはストーンズ(The Rolling Stones)が2003年のリックス・ツアーの際、ステージ移動のBGMとして採用したサンジェルマン(St Germain)の「Rose Rouge」を採用した際。この曲にマレーナ・ショウのこのアルバムからの一部(語り部分)がサンプリングされていたのだった。それから1度オリジナルはどんなのか聴いてみたいナと思って忘れていたが(笑)、急に思い出してポチッとやってみた。

自分はあまりヴォーカル・ジャズが得意ではないが、余裕しゃくしゃくといった感じで客を笑わせつつ自慢の喉を聴かせるマレーナ。前半はいかにもといった感じのヴォーカル・ジャズ。しっとりとした曲有り、ミドルテンポの曲有り。リラックスした中にもちょっとふてぶてしさがある。サンプリングの元曲であり代表曲のひとつでもある長尺の「Woman Of The Ghetto」では、流麗で、尚且つ題材ゆえにソウルフルなスキャットと歌声を聴かせてくれる。バックの演奏もグルーヴィー。特にオルガンとベースは70年代らしい”黒さ”、”ファンクネス”があってカッコイイ。当時の彼女のライヴ動画は観たことがないけれどどんなステージだったんだろう。

オークションにて購入(¥620)

  • レーベル : Blue Note Records
  • ASIN : B000008PBE
  • ディスク枚数 : 1
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Original Album Series / Rahsaan Roland Kirk

2020年03月21日 | ジャズ

Original Album Series / Rahsaan Roland Kirk (2015)

盲目の怪人、ラサーン・ローランド・カーク(Rahsaan Roland Kirk)のアトランティック時代の5枚を簡易紙ジャケでセットした「Original Album Series」。このシリーズ、最初は自分で「こうやってまとめて買うのはダメッ」とか言っていたのに、最近ヤケクソ気味に増殖中(苦笑)。ローランド・カーク版に収録されているのは以下のオリジナル・アルバム。

1. 「Here Comes The Whistleman」 (1965)
2. 「The Inflated Tear」 (1967)
3. 「Left & Right」 (1968)
4.「 Volunteered Slavery」 (1969)
5. 「Natural Black Inventions: Root Strata」 (1971)

自分が所有しているのは1969年の「Volunteered Slavery」のみ。それ以前のアルバムをしっかり聴くのは初めてだが、前半は所々荒々しさが感じられるものの、思いのほかスタンダードなジャズ。1はスタジオ・ライヴだそう。彼はMCでかなり際どい事や政治的な事も発言するそうだが、自分の英語力ではその辺りの機微をしっかり理解することが出来ないのは残念。2でも色々な楽器を操るラサーンだが、ラッパよりもピアノが目立っている曲もあって意外。イメージとは違う繊細な音作りの様子も伺う事が出来る。でもこの頃の映像を見ると管楽器を3つも4つも抱えて、ある時は同時に、ある時はソロで演奏する姿はやはり異端。それでも彼の場合、決して不協和音で奇を衒っているのではないところがスゴイ。

思ったより振り幅も大きく、3なんかは映画音楽と言われても納得してしまいそうなムーディーな展開。特にラッパが目立つということはなく優雅に曲が進んでいく。突然現れる強烈なスキャットには面食らうが(笑)。4「Volunteered Slavery」ではビートルズ(The Beatles)やアレサ(Aretha Franklin)の曲を料理。反人種差別を掲げる黒人運動が盛んだった当時の世相もあってかソウルフルなジャムが聴ける。なんて浸っていたら5ではいきなりフリーキーなラッパの乱舞。もうジャズとは言えず呪術的な太鼓や鐘に不穏なラッパが絡んでいく不思議な世界。と、変幻自在なラサーンを味わえるなかなかナイスな5枚組だった。

オークションにて購入(¥1,265)

  • CD (2015/9/25)
  • Disc : 5
  • Format : CD, Import
  • Label :  Rhino
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