ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

三愛 @愛知県豊橋市

2019年12月22日 | 愛知県(三河)

豊橋市内散策中の”アフタヌーンティー”(←そんなかっこいいもんじゃない)は、豊橋市公会堂近くの交差点にあるホットケーキで有名だという「三愛」へ。歩道橋をヒーヒー言いながら渡り(豊橋市街って歩道橋多くないか?)店に辿り着くと、店のドアには無情にも「現在満席」のサインが…。こんな午後の外れた時間でも満席になっているのか…と引き返そうとすると、店の方が出ていらして「空いてますのでどうぞ。」と招き入れてくれた。札をひっくり返すのを忘れていたようだ。店に入るとテーブルが3つ、マックスで8人程しか客席がないこじんまりとした空間。そうか、そりゃすぐ満席になるわと合点がいく。店は年配の主人と女性でやっていらっしゃるようだ。木製の硬い2人掛けの椅子に腰掛けてメニューを見せてもらう。コーヒーは店先に”おすすめ”とあった「バリ・アラビカ」のストレートコーヒーを。ホットケーキは、沢山の種類の中から「レーズン入りホットケーキ」をお願いした。9㎜の鉄板で焼くというホットケーキは女性の方が調理し、コーヒーを主人が担当するようだ。コーヒーは豆にも様々な種類があり値段もやや高め。

しばらくして洒落たヨーロッパ調のカップとソーサーでコーヒーが、そして白っぽいバターが添えられた「ホットケーキ」が運ばれた。まずはコーヒーに口をつける。すっきりとした口当たりで酸味がしっかりと感じられるもの。そして2枚重ねで綺麗な焼き目が付いた「ホットケーキ」にナイフを入れる。サクッとナイフが入るが口に含むと中はしっとり。レーズンがたっぷりと入っている。これは旨い。ラム酒も入っているそうだ。バターを塗ったり、別添えのシロップをかけたり、両方を使ったりと色々組み合わせながらいただいた。その場では見かけなかったがホットケーキにはたっぷりの生クリームやフルーツを使った色々な種類があるそうだ。食べてみたいものだが、オッサンにはちょっと勇気が必要か…。店の外に待ち客が出たのでさっさと済まして勘定してもらった。(勘定は¥1,400程)

 


 

↓ 愛知大学構内にある下見板張りの建物「愛知大学綜合郷土研究所(旧・陸軍歩兵第60聯隊将校集会所)」(明治41年・1908・建造)。現在は新しい建物に機能移転している様子。長い廊下が建物を貫いていて、基礎部分は煉瓦造り。この廊下に軍靴の音が鳴り響いていたはず。鬼瓦や当時正面だったろう出入口には陸軍を示す☆マークが残っていた。

 

 

 

 

 


 

ホットケーキと珈琲の店 三愛

愛知県豊橋市八町通2-37

 

( 豊橋 とよはし さんあい コーヒー パンケーキ 喫茶店 純喫茶 近代建築 第15師団 歩兵第60連隊 軍都 日本帝国陸軍 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マッターホーン @愛知県豊橋市

2019年12月15日 | 愛知県(三河)

2年ぶりの豊橋へ遠征(仕事の電話掛かってきませんように…)。早朝から名鉄電車に乗って豊橋駅に着き、まずは自転車を借りにレンタサイクル店へ。朝食抜きで来ているのでコーヒーでもと寄ったのは洋菓子と喫茶の「マッターホーン」。創業は昭和49年(1974)頃だとか。店はケーキが並んでいる売場の横に喫茶室がある。ケーキを眺めながらそちらへ入るといくつものテーブルが並んでいて先客が何組か。自分の後から入ってくる客が「珍しい、今日は空いてるわね。」なんて言っていたから、いつもはもっと混み合うのだろう。席に座ってもメニューが無かったので何があるのかさっぱり分からない。給仕の女性にコーヒーと、ショーケースの中にあって店名を冠した「マッターホーン」というケーキをお願いすると、「コーヒーにもケーキが付きますけれど…。」との事。いわゆるモーニング・サービスなのだろう。ただサービスのケーキは日替り(この日はエクレア)で好みのケーキには代えられないそうなので、(興味もあって)たぶん食べられるだろうとそのまま付けてもらう。

まずはケーキ「マッターホーン」が運ばれ、続いてコーヒーと「エクレア」が登場したが、…フルサイズ(驚)。えー?サービス品なので小さなものが付いてくるとばかり思っていた。朝一番の”おめざ”としてもオッサンにはちょっとキツい。欲張り過ぎた(笑)。ともかくすっきりとしたコーヒーを啜りつつ、ケーキをやっつけていく。「マッターホーン」はふわっとしたスポンジと生クリームが層になっているシンプルなケーキ。中に入っているのは栗の粒かな。何となく懐かしい感じの味で口当たりも軽い。想像だがきっと昔からあるんじゃないのかな。「エクレア」は中にコーヒークリームと生クリームが詰められたもの。コーヒーと一緒にいただくとめっぽう旨い。オッサンが朝からケーキ2つ喰ってる光景は人に見せられたものじゃないがどちらも完食。席を立とうとする頃にはもう客足が途切れないようになってきた。(勘定は¥680)

 


 

↓ ヒーヒー言いながら自転車で「愛知大学」まで走る。軍都として栄えた豊橋で、愛知大学は戦後まもなく陸軍第15師団など旧軍の施設を利用して開校したので、敷地内外にはいくつかの近代建築が残存している。厩舎の横に建つ「愛知大学第二体育館(旧・陸軍教導学校大講堂)」(昭和2年・1927・建造)。僅かだが細かい部分に幾何学的なデザインが。

 

 

  

↓ 「愛知大学中部地方産業研究所・生活産業資料館(旧・機銃廠)」(明治41年・1908・建造)。鬼瓦には陸軍を示す☆マークがそのまま残っている。

 

 


 

マッターホーン

愛知県豊橋市松葉町2-3

 

( 豊橋 とよはし マッターホーン本店 喫茶 洋菓子 ケーキ 生ケーキ モーニング 珈琲 三州吉田 軍都 大日本帝国陸軍 名古屋鎮台 陸軍第15師団 近代建築 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菊乃屋菓舗 @愛知県知多郡武豊町

2019年11月09日 | 愛知県(三河)

愛知県の武豊町での近代建築散策。早めの昼食を「大豊食堂」で食べた後に寄ったのは、すぐ近くにある和菓子屋「菊乃屋菓舗」。古い店だとは思うが、店構えが新しいのでまだ建て直したばかりのようだ。店前の駐車場に車を停めて中へ。真新しい店内にはガラスショーケースの中に様々な菓子が。見た感じ饅頭が多いようだ。この辺りには”浦島太郎伝説”があるらしく、それにちなんだ史跡も多いらしい(ただし”浦島太郎伝説”は全国に数多存在し、諸説あります)。こちらの店ではその”浦島太郎伝説”にちなんだ菓子も多く作られていて、ずばり「龍宮饅頭」というものもあったのでそれと、故事にちなんだ「四海波」、命名由来不明の「イトカワ饅頭」の3種類を購入した。購入して店を出て、建物を見上げると屋根の上に”浦島太郎”を発見(写真最下段)。

帰ってから包みを開けていただく。「龍宮饅頭」は皮に”龍宮”の文字の焼印が付けてある。黄身餡で、東海地方の人ならば「なごやん」に似ていると言えば分かってもらえる傾向の味。「四海波」は能の有名な謡曲「高砂」に出てくるめでたい祝言の一説だが、この地の海岸に四海波という龍宮の入口と言われる場所があるのだとか(←調べた)。薄く軟らかいふわっとした生地であんこが包んである。牛乳がつかってあるようで優しい甘さ。「イトカワ饅頭」はやけに沢山置いてあったから買ったのだが、パッケージを見てもどんな由来の菓子かよく分からなかった。帰ってから調べると、あの一世を風靡した小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルが武豊町で展示されたことがあり、それにちなんで作られたよう。つまり「イトカワ」とはあの小惑星のこと。その小惑星の形を模した菓子なのだとか(笑)。粉を吹いたというかフライ物のような見かけの茶色の皮の中に黄身餡が入っている。皮や餡には味噌が使ってあるようだ。どうして武豊町で「はやぶさ」だったんだろう?(勘定は¥500程)

 


 

↓ 武豊町は味噌と醤油の醸造元が多いことでも有名。こちらは「泉万醸造株式会社」(建築詳細不明)。道路を挟んで設備が設置してあったりと両脇に醸造設備が建ち並ぶ。敷地内の日本家屋には洋館と見られる建物も隣接していた(写真下2、3枚目)。

 

↓ 江戸文政年間創業という「(合)伊藤商店」(建築詳細不明)。「傳右衛門」という銘柄の味噌やたまりを製造している。

 

↓ 細い路地の両脇に立ち並ぶ「南蔵商店」(建築詳細不明)の醸造設備。車1台通るのがやっとという路地に香ばしい香りが漂っている。武豊町にはかつて50もの醸造所があったのだとか(現在は8軒)。

 

↓ 路地を自転車で散策していると秋祭りの準備に町の男衆が集まっているのに出くわした。

 

↓ 247号線沿いに建つ「ユタカフーズ株式会社」の洋館(建築詳細不明)。かなりしっかりと補修整備されている。大きな建物で、何といっても隅切屋根の破風部分の意匠が目を引く。

 

↓ こちらも醸造元の建物「(合)中定商店」(建築詳細不明)。閉まっていて入れないやと思ったら、入口は路地を入った別の場所にあったようだ。残念。

 

 


 

菊乃屋菓舗

愛知県知多郡武豊町大字冨貴字外前田19-1

 

( 武豊町 たけとよちょう 菊乃屋 きくのや きくのやかほ 和菓子 浦島太郎 竜宮 竜宮城 近代建築 味噌 醤油 たまり醤油 ) 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大富食堂 @愛知県知多郡武豊町

2019年11月06日 | 愛知県(三河)

愛知県の武豊町へ初めての遠征。朝早くから近代建築目当てで周辺を廻り、ちょっと早めの昼食に寄ったのは名鉄・富貴駅近くの食堂「大富食堂」。事前に調べていた訳ではなく通りすがりで、まだ11時にもなっていなかったが”営業中”のサインが出ていたので入ってみることに。道路を挟んだ向かいに駐車場があったので車を停めて店に向かう。店内にはテーブル席、カウンター席、小上がり席がある。口開けの客だったのでテーブル席に座らせてもらった。ご夫婦で賄っていらっしゃる様子。店の感じから老齢の方がやっていらっしゃるのかなと想像していたが、そうでもなかった。卓上のメニューには麺類、和洋定食、焼肉まで載っているが、別に壁に貼ってある品書きを見ると、すぐ横は三河湾という立地もあってか刺身関係の単品が沢山。魚介の種類も豊富。ウニ丼なんかもある。魚介類をいただくつもりで入ってこなかったので、大人しく「大富定食(並)」というものを注文した。もちろんこの時点でどういう内容の定食なのかは全く分からない。後客は入ってすぐに刺身などの単品とビールを注文していたので、呑みで使う客も多いのかもしれない。

しばらくして「大富定食(並)」が登場。給仕の奥さんが「今日はシマアジのフライです。」と言ってくれたので、フライの内容は日によって変わるのだろう。その他には厚めのチャーシューが2枚、ケチャップのたらされたオムレツ、ケチャップ味のスパゲッティ―、トマトやキュウリの生野菜サラダなどがのっている。漬物2種と味噌汁も。特にシマアジのフライがイイ。フライ物だってやはり鮮度の良いタネを使うとより一層旨いよネ。チャーシューは肉厚で味もしっかりとしていて食べ応えがある。メニューに載っている「チャーシューメン」にも使うんだろうなァ。この定食はご飯で食べるのももちろんいいが、ビールの供にしたら最高だろう。ビールを呑んでる客がうらやましい。呑みで使ってみたいな。名鉄電車に乗ってここまで来るかナ?(笑)。(勘定は¥850)

 


 

 ↓ 「豊石神社」の敷地内に建つ煉瓦倉庫(建築詳細不明)。境内に唐突な赤煉瓦の建物。祭事に使う幟などが収納されているそう。伝統の「大足区祭礼」では手筒花火を使うそうだから、そのためにも煉瓦造り?

 

 ↓ 「豊石神社」のすぐ東側に建つ民家の倉庫らしき建物(建築詳細不明)。入口が見えないのでどんな用途かはよく分からないが、屋上部分のデコレーションが目を引く。

 

 ↓ 「旧国鉄武豊港駅転車台」(昭和2年・1927・建造、のち補修)。かつてあった「武豊港駅」に隣接する石油会社に貨車を出入りさせるための転車台だったそう。忘れ去られていた物を平成11年になって小学生に発見された(!)のだとか。保存修理され見学出来るようになっている。詳しくないが「直角二線式」は非常に希少なのだとか。国登録有形文化財。

 

 ↓ 転車台のはす向かいに建つ煉瓦造りの建物(建築詳細不明)。醸造所跡(山田屋倉庫?)や銀行跡(旧・中埜銀行武豊派出所?)という記述がある建物だが結局調べてもよくは分からなかった。木製窓枠に彫られた「S」の意味は?。なぜ屋根頂部に立膝の僧のような像が?。

 

 

 


 

大富食堂

愛知県知多郡武豊町冨貴外前田2-7

 

( 武豊町 たけとよちょう 富貴駅 ふき駅 大富 おおとみ おおとみしょくどう 食堂 大衆食堂 麺類食堂 定食 ランチ 洋食 焼肉 海鮮丼 近代建築 名鉄河和線 名古屋鉄道 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大善食堂 @愛知県豊川市

2019年05月10日 | 愛知県(三河)

愛知県豊川市散策。この日は早朝から徒歩と自転車で市内を巡ったのでヘトヘト。あてにしていた食堂数軒に振られたりして食事時間が不規則になった。駅に帰る道すがら通りから奥まった場所にある「大善食堂」に寄る。といっても昼は摂ったのでちょっと1杯だけ。さすがに昼時を過ぎた時間帯とあって先客は無し。中はテーブル席が並んでいて、奥には小さな小上がり席も。見かけよりこじんまりとしていて年季も入っている。卓上の品書きを見るとびっくりするほど値付けが安い。好物の「カツ丼」や「オムライス」は500円台…。三河地方らしく「にかけうどん」もある(300円台)。お腹が空いていれば食べたかった…。「ポーク銀串定食」なる見かけない品があったのでそれを単品で、「酒一級」と一緒にお願いした。女将さんに「酒は燗?」と訊かれたので「ひやで。」と答える。

果たして酒はちゃんと「ひや」(=常温)で運ばれた。ガラスコップに擦り切り。しばらくして「ポーク銀串」が登場。平皿に串に刺さった豚肉や玉ねぎ、ピーマンが2本。分厚い豚肉は折ったように刺さっていて、もう”トンテキ”といって差し支えない。たっぷりのたれもトンテキのタレっぽい味付け。これにはビールだったかなと思いつつも、輪切りのレモンを垂らしたりして、肉の油をコップ酒で洗い流した。間違いのない旨さ。マヨネーズで和えられたスパゲッティーと千切りキャベツ、トマトが添えてあってヴォリュームもすごい。軽くつまむつもりが…(笑)。ぜひ機会を作って次はご飯物を頂きたいナ。(勘定は¥880)

 


 

↓ 「豊川稲荷」の表参道にはさすがに観光客の姿が多い。昼食の第一候補にしていた風情ある看板の食堂「旭亭」(建築詳細不明)。残念ながら閉まっていた。

 

↓ 2番目の候補だったすぐ近くの食堂「河精」(建築詳細不明)。こちらは残念ながら昨年9月に廃業していた。

 

↓ 「河精」の隣の「ブラックニッカ」と「ハイアース」の看板を掲げる「BARかわせ」(建築詳細不明)。入口に角度が付けてあったり、黒のモザイクタイルで装飾してあったりとなかなか気になる建物。営業している?

 

↓ 同じ参道の「ドリンク斉藤」(建築詳細不明)。広い間口の店舗兼住宅は、瓦屋根の立派な”看板建築”。

↓ こちらも同じ参道に建つ風情ある建物(建築詳細不明)。2階の戸袋に緑青(銅のサビ)が吹いている。玄関の破風などの感じからいくと旅館か料理屋だったろうか。

↓ 駅前通りから入った所にあった酒屋「マル井酒店」の渋い酒の金文字看板。右から「雪山(セツザン)」「英勲(エイクン)」「四海王(シカイオウ)」。電話番号も4桁。

 


 

 

和食・洋食・麺類 大善食堂

愛知県豊川市山道町2-54

 

( 豊川 とよかわ 豊川稲荷 とよかわいなり だいぜんしょくどう 大衆食堂 麺類食堂 丼物 定食 近代建築 表参道 ホーロー看板 琺瑯看板 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新京食堂 @愛知県豊川市

2019年05月04日 | 愛知県(三河)

愛知県豊川市散策中。昼食のメインに考えていた豊川稲荷参道の1軒が休み、もう1軒は廃業で振られてしまったので、散策中に飾り気のない外観から地元の人が利用する店だろうなと当たりを付けていた食堂へ方針変更。店先には小さなサンプルが並べられたウインドウがあった。建物は新しいので古い食堂かどうかは分からないが、店名(旧・満州国の首都、現在の長春市)からいくと歴史がある店かもしれない(勝手な想像)。中に入るとテーブル席が並んでいる。年配の女性親子でやっていらっしゃる様子。外はまだ寒いが(訪問3月末)随分と動き回って喉がカラカラだったので「ビール」と、つまみに「もつ煮」をお願いした。ビールはキリンラガーの大瓶。ちくわとがんもの入った小鉢が付いてくるのが嬉しい(分かってるナー)。「もつ煮」はしっかりと濃い色の味噌味。臭み消しに生姜が入って、こってりとして辛めの味付け。

ビールが終わったので食事に「オムライス」を注文。席から厨房が見えるが、割烹着の女将さんが綺麗に鍋を振って両手でよっこいしょと更に盛り付けている。そしてサラダと一緒に完成した「オムライス」が運ばれた。「オムライス」はケチャップライスにしっかり火の通った玉子がのせられている。ケチャップライスはしっとりとしている。下味の塩胡椒も少なめでかなり薄味。チキンがゴロゴロ出てきて嬉しいが、かけてあるケチャップも少なめなのでもうちょっと強めに味付けしてあったら…。サラダはしっかりとした量で、千切りキャベツ、トマト、ブロッコリーなどと多彩。マヨネーズが添えられているのが食堂ならでは。孫だろう高校生が外から友達と帰ってきてテーブル席で昼メシ。いきなりテレビのチャンネルを変えたので叱られている。食堂が実家ってなんか羨ましいなァ。(勘定は¥1,550)

 


 

↓ 愛知県教育委員会が編纂した近代化遺産の報告書にあった「松井線香製造所(旧・日本駆虫品製造)」(大正5年・1916・建造)。線香を乾燥させるために壁面がブラインド状になっていて開閉換気出来るようになっているのだとか。

 

↓ 「株式会社トヨテック・本社(旧・豊川電話中継所)」(昭和2年・1927・建造)。我が国初の長距離ケーブル網の中継所として作られ、昭和27年に廃所。現在は地元の光学会社によって使用、保存されている。敷地の隅にある倉庫も主屋と共に登録有形文化財にしていされているが、主屋と違って丸みを帯びた軟らかいデザインなのが面白い。

 

 

 


 

新京食堂

 

( 豊川 とよかわ 豊川稲荷 新京 しんきょうしょくどう 麺類食堂 大衆食堂 洋食 丼物 定食 近代建築 国登録有形文化財 愛知県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金屋食堂 @愛知県豊川市 (※閉店)

2019年04月30日 | 愛知県(三河)

愛知県豊川市を散策。自転車を漕いでいくつもの近代建築を眺めた後は、軽く食事をしようと姫街道沿いの「金屋食堂」へ。創業は昭和31年(1956)とのこと。この辺りは”金屋”という地名のようだ。何とも渋い佇まいの日本建築の暖簾をくぐると、土間にテーブルが並んでいた。しかもほぼ満席の盛況ぶり。奥に座敷もあるのかな。土間の一番奥の2人用の席に案内される。和洋定食が揃っていたが、他にもあてがあったので重くなさそうなものをとホワイトボードに書いてあった「カンパチ刺身定食」を注文、ご飯は小にしてもらった。ただ刺身ということで…つい「お酒(小)」を追加。「燗つけていいですか?」と訊かれたので「ハイ。」とお願いした。店内は活気があり、客層は家族連れ、働く人、カップルと様々。フライ物の注文が多く、各テーブルに運ばれていくそれらの盛りがなかなかに凄い。「フライ物でビールでもよかったかナー…」と心が揺らいだが、燗酒に冷奴が付いてきたのでそちらに集中。こうやって少量でも酒やビールに1つつけてくれる店は”分かってる”なァ。

ちびちびとやっていると「カンパチ刺身定食」が登場。味噌汁と漬物が付いて、ご飯は茶碗に軽く盛られている。カンパチは角が立って艶が良く、見るからに新鮮で旨そう。さっそく箸をつけていく。ホワイトボードに”本日の焼魚”などと一緒に載せているくらいだからちょっとは期待していたのだが、プリプリの歯応えがあるもので本当に旨い。ここはフライ物だけにあらず(まだ他は食べていないけれど)。酒とはもちろん、ご飯と食べるのも旨い。他にはクラゲやワカメ、ツマなどが添えられていて、それらも綺麗に平らげた。まだ後から後から客が入ってくる。古びた見かけだけだとこんなに新鮮な魚が出てくるような店には見えないが、ここの定食をひとつづつ制覇したい…。そんな気にさせる食堂だった。(勘定は¥1,100)

 

 


 

↓ 残念ながら建物正面は増築されただろう建物に隠れてしまっているが、スカイブルーのペイントがかっこいい「旧・中尾歯科医院」(明治37年・1904・建造)。鬼瓦には布袋様の姿が。

 

 

↓ 牛久保駅近くの通り沿いにある「旧・星野医院」(昭和6年・1931・建造)。スクラッチタイル壁が美しい。道路側と比較して玄関側の造りが複雑だが、後から増床されたりしたのかな。何気に道路際の柵の柱も古そう。

 

↓ 同じ通り沿いにある「旧・豊川牛久保郵便局」(昭和7年・1932・建造)。外壁のスクラッチタイルの色とか風合いが儚げで、どこか女性的な印象。隣に新しい局舎があり、こちらは何かに利用されている様子ではなかった。すぐ近くにあった「博愛堂薬品別館(旧・牛久保信用組合)」(昭和7年・1932・建造)を訪問し忘れる痛恨の凡ミス…。

 

  

↓ 現役の「JR牛久保駅」(建築詳細不明)。古い駅舎だとは思うがよく分からず。入口の4本並んだ柱にはタイルで装飾が。

 

 


 

 

金屋食堂 (かなや)

愛知県豊川市中央通4-16

※ご主人の逝去により閉店されました(令和5年)

 

( 豊川 とよかわ 豊川稲荷 かなや食堂 洋食 和食 定食 大衆食堂 近代建築 星野醫院 うしくぼ 郵便局 駅舎 閉店 廃業 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さかゑ食堂 @愛知県刈谷市

2019年01月19日 | 愛知県(三河)

愛知県刈谷市内を散策。近代建築を探しながら少し郊外の幹線道路沿いに辿り着くと「さかゑ食堂」という地味だがそそられる食堂があったので休憩がてら寄ってみた。中に入ると土間にはテーブル席が並び、小上がり席も3卓ほど。賄っているのは女性2人(親子かな)。小上がりには家族連れ、テーブル席には2人と親し気に喋る地元と思しき人達や、労働者が腰掛けている。壁には「中華そば」などの麺類、丼物、そして洋食もあって惹かれる。どれも値付けが安い。残念ながらご飯物を食べる程お腹は空いていなかったが、すっかり喉が渇いていたので休日特権で「ビール」と「どて」をお願いする。

すぐにキリンラガーの大瓶と、小鉢に入った「どて」が運ばれる。「どて」は薄く切った大根と一緒に煮られていて、見た目よりはあっさりとした味噌の味付け。外は寒いが好天で、空気が乾燥しているところに朝からずっとウロウロとしていたので冷たいビールが旨い。水のように胃の腑に吸い込まれていく。どてをつまみながらあっという間に1本空になってしまった。隣のおじさんが食べていた串カツとかも旨そうだったので追加も考えたが、1人で4人掛けのテーブルを占拠していたし、後から何組も客が入ってきたので勘定にしてもらった。瓶ビールも安くてびっくり。(勘定は¥880)

 


 

↓ 「愛知県立刈谷高等学校正門(旧・愛知県立第八中学校正門)(大正8年・1919・建造)。旧制中学の校門がそのまま残っている。

 

↓ 街中で見つけた漆喰塗りの建物(建築詳細不明)。奥にも同様の建物が並ぶ。こちらT字の突き当りにあるのだが、なぜか外壁に時計が。何かの商家だったのかな。

 

↓ その向かいに建つ建物(建築詳細不明)。近づいてみるとかつての商店の看板建築外壁ははモザイクタイルで覆われていた。

↓ 自転車を必死に漕いで、市街地から遠く離れた「依佐美送信所記念館」(平成19年・2007・建造)へ。昔の建物は壊され、現在は資料館と公園になっているが、昭和4年(1929)に運用が開始され、戦後は米軍に接収された強力な通信設備があった場所。遠くヨーロッパまで長波短波で通信が出来、つい平成5年まで米軍の所有だったという事実にびっくり。残された通信塔はこれでもかつての10分の1の高さだという。

 


 

 

大衆 さかゑ食堂

愛知県刈谷市富士見町4-310

 

( 刈谷 かりや さかえ食堂 麺類食堂 大衆食堂 ラーメン 定食 うどん 丼物 洋食 近代建築 産業遺産 近代化遺産 機械遺産 よさみ送信所 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やまや食堂 @愛知県刈谷市 (※閉店)

2019年01月14日 | 愛知県(三河)

初めて愛知県刈谷市に足を延ばしてみた。JRの刈谷駅で降り、駅前の観光案内所で電動アシスト付きのレンタサイクルを借りて周辺をウロウロしてみる。どんな土地でもそうだが、初めて降り立つ街を駆け出すワクワク感が堪らない。目当ての近代建築(明治以降~戦前の建物 ※自己基準)を愛でながら冷たい空気の中疾走する。冬晴れは空気が澄んで気持ちいいのだが、スマホで建物の写真を撮るにはコントラストがきつ過ぎてなかなか上手くはいかない。いくつか廻って名鉄の「刈谷市駅」前にある食堂「やまや食堂」に辿り着いた。周辺は駅前といっても商店は多くなく、人通りも多くない。実はこの店の前に近くの店名の何も書いてない暖簾だけが下がった食堂を見付けていて心揺れたのだが、あまりの情報の無さに躊躇。こちらは店頭にサンプルや立て看板も出ており、安心して店の中へ。

店に入ると老齢のご夫婦でやっていらっしゃるテーブル席のみの食堂。壁にずらりと貼られた品書きは、麺類、丼物、洋食、おかずと書かれた単品の他、定食やその日のおすすめなど盛り沢山。どれにしようかなんて決められない(笑)。胃袋がいくつもあれば色々選んでビールでも呑みたいところだけれどそうもいかない。「かつ丼」と「きしめん」と「みそやっこ」がセットになった「やまや定食」っていうのにも惹かれたが、店頭のホワイトボードに載っていた「揚げたてカツカレー・スープ付」というのが頭から離れなかったのでそれを注文した。お髭の主人の調理が始まる。

テレビを眺めながら待っていると女将さんが「カツカレー」を運んできてくれた。大きなステンレス製の平皿にたっぷりのカレーとカツが盛られている。同じ皿の上にはゆで玉子とマカロニサラダ。カップのコンソメスープが付いていて、付け合わせは福神漬。たっぷりのカレーはポテッとした感じで優しい辛さのポークカレー。食堂らしさたっぷりのカレーで旨い。カツはなかなか大きく衣は厚め。もちろんカレーと合わさった時の独特の甘味が期待を裏切ることはない。あぁ、こんな食堂が自分ちの近くにあったらしょっちゅう通ってビールを空けちゃうヨ。次に寄ることが出来たら「やまや定食」か、”ブタ汁”〔ママ〕の付いた定食か、それとも「オムライス」か。きっとまた迷いまくるんだろうなァ。(勘定は¥830)

※令和3年8月を以って閉店されました

 

 


 

↓ 店からもほど近い「旧・上天温泉」(昭和2年・1927・建造)。採光窓が広く取られ堂々とした姿の建物。きっと中は天井が高くて気持ちの良い銭湯だったに違いない。現役時代に汚れていただろう外壁もしっかりと直され、とても綺麗。裏に周っても柱や外壁にはしっかりと装飾が。

 

 

 


 

やまや食堂

愛知県刈谷市広小路3-305

 

( 刈谷 かりや 刈谷市駅 麺類食堂 大衆食堂 洋食 ラーメン 中華そば うどん 定食 ランチ 近代建築 銭湯建築 閉店 廃業 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三七福 @愛知県半田市 (※閉店)

2018年11月07日 | 愛知県(三河)

朝もはよから半田市内を散策し、更に碧南市まで足を伸ばしたある秋の休日。もう後は帰るだけだが、時間が中途半端(午後4時)だったので夜営業が始まっている店はまだほとんど無い。念のためにスマホを使って調べてみたら、居場所からすぐ近くでいい感じの店を見つけることが出来た。東本町のぎょうざの店「三七福」。創業は昭和40年(1965)だとか。すぐ近くには「國盛」で有名な中埜酒造がある。何とも素っ気ない外観の建物に入ると、こんな時間にも関わらず先客は2組4名。その後にも持ち帰り客が続々と出来上がった品を取りに入ってきた。壁に貼られた品書きには餃子の他には焼そば、それに炒め物がある程度。まずは瓶ビールを。そして「ぎょうざ」をお願いする。

大きなカウンターの中では年配の主人が黙々と調理をしている。ぎょうざの調理はフライパン。キリンのラガーで喉を潤していると「ぎょうざ」が平皿に盛られてやってきた。その数10個。やや焦げ気味くらい強めに焼かれている。小皿にたれを落としてパクッと。皮がカリッとしていて旨い。小ぶりなのでいくつでも食べられそう。こんなにビールにぴったりの餃子なのにこの店の閉店時間は8時だとか(早いなァ)。この日は食べ歩いたのでビールだけでお腹がいっぱいになってきた。本当は「にらいため」と「ネギマ」がすごく気になっていたんだけれど…。ぜひ次の機会に。(勘定は¥1,120)

※閉店されたそうです(2019年現在)

 


 

↓ 「國盛・酒の文化館」(建築詳細不明)。創業弘化元年(1844)という中埜酒造が実際に酒を醸していた酒造を改造して作られた博物館。

 

↓ 「おとうふ湯葉いしかわ半六邸店旧・中埜半六邸)」(明治22年・1889・建造)。取り壊しの危機にあった建物を遺して、現在はカフェとレストランが入って営業しているようだ。

 

↓ 国の登録有形文化財に指定されている「万三商店(マンサン)・小栗家住宅」(明治元年・1872・建造)。醸造業を営んでいた家で今でも一般住宅らしい。建物全体に格子が並ぶ姿が印象的。

 

↓ 久しぶりに訪れた半田市内には運河沿いの大きな会社の建物(写真下)以外にも街中に黒塀の建物が多く残っていて素敵な街だった。

 

 


 

ぎょうざの店 三七福

愛知県半田市東本町2-10

 

( 半田 はんだ ぎょうざの三七福 みなふく 餃子 やきそば 近代建築 国登録有形文化財 醸造会社 ミツカン 黒塀 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする