Freedom Jazz Dance (The Bootleg Series Vol. 5) / Miles Davis Quintet (2016)
もうどれだけ発売されているのか分からなくなるくらいの物量がリリースされているマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のブートレグ・シリーズ。いつも満足した試しは無いのに、値段によってはつい手を出してしまう悪い癖。今回購入したのは1966年から1968年までの録音のアウトテイク。アルバムでいくと「Miles Smiles」「Sorcerer」「Nefertiti」「Water Babies」「Miles In The Sky」といった辺り。クインテット第2期で、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock, p)、ロン・カーター(Ron Carter, b)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter, t.sax)、トニー・ウイリアムス(Tony Williams, drs)という、いわゆる黄金期と呼ばれる面々だ。自分はエレクトリック・マイルスから入ったので、このメンバーに強い思い入れは無いのだが、聴いてみたくないかと問われれば「否」というのは嘘になる。
演奏の間に入るマイルスのハスキーで独特の声が興味深い。実際に何を指摘しているのかは発声のクセが強過ぎて分からないのだが(日本盤は翻訳とか付いているのかな)、そりゃあもうマイルスだもの、みんな緊張してピリピリしていたに違いない。こうしてややもすれば同じ曲の演奏の繰り返しで冗漫にもなりかねないスタジオ・セッションを流し聴きしていると、いつもこの中から切り取ってアルバムにまとめ上げたプロデューサー、テオ・マセロ(Teo Macero)のセンスとその力量に驚く。実際の編集作業をマイルスと一緒に進めたのか、ポンと任されたのか、どっちなんだろう? やはりライヴと違ってセッションのボックス・セットの常でこれを何回も聴こうとは思わないが、ディープに聴く人にとっては堪らない素材なんだろうな。
オークションにて購入(¥1,410)
- Label : Sony Legacy
- ASIN : B01KKYZQP4
- Disc : 3