ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Last Experience / The Jimi Hendrix Experience

2019年04月15日 | クラシック・ロック

The Last Experience / The Jimi Hendrix Experience (1994)

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)のライヴの中でも悪名高い1969年、イギリスはロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ音源。悪名といってもリリース状況が滅茶苦茶なだけでライヴ演奏自体は素晴らしく音質も悪くない。それゆえにいつまでも決定版を待ち焦がれ、ファンは散財してしまうのだ…。この音源は元々映画のサントラとして企画されたものらしく、映像はその昔に海賊版で色抜けしてしまったような画面のビデオを見たことがあるし、80年代にはアナログ・レコード(ジャケット下)をよく見かけた(持ってません)。

映画の企画だったからか、音源の権利は所属レコード会社が所有していなかったようで、正規だか非正規だか分からない曖昧なリリース状況がずっと続いており、今でもジミの正規音源を管理する親族側の「Experience Hendrix」も手の出しようがないようだ。そのためCD時代になっても粗製乱造で様々なタイトル、編集、アートワークで発表されている。完全版なるものも出ているようだが、本当に実際に演奏された順で正しい音源なのか、あるいはリハとかの音源が混ざっているのか、何が”真実”なのかよく分からない。もちろん今から買うならそちらの方がベターだし、実際に聴いてみるとこの盤よりは違和感なく楽しめるのだが…(音源だけは所有)。

ま、ここはひとつ探求するのは止めにして、安い盤で久しぶりに軽く聴いてみようと買ってしまった次第。今回購入したこの盤も一応ビクターから発売された日本盤ではあるが、なにせ1曲目が「Little Wing」(そんな訳ないだろうに…)。昔からライヴとしての会場の臨場感はあまり感じられない音源だが、この盤でもそれは同じ(だからリハ音源とかが入っても分からなくなる)。曲順はバラバラだし、急にフェード・アウトとか、ぶった切りとか…。ただし曲間のチューニングやなんかで間延びすることはあれど、ジミのギターは冴えまくっていて演奏は本当に素晴らしい。ミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)とノエル・レディング(Noel Redding)の演奏も問題なく、やっぱり個人的にはバンド・オブ・ジプシーズ(Band Of Gypsys)よりもエクスペリエンスの疾走感がある演奏の方が好き。ただしジミとノエルとの関係は完全に破綻していて数か月後にはあえなく解散ということになる。これが空中分解するバンドの音かしらんと思うくらい充実した演奏なんだけどなァ…。そもそも”解散直前”という本来なら知らないはずの情報が余計なだけかもしれない。

オークションにて購入(¥462)

  • CD  (1994/12/16)
  • Disc : 1
  • Label : ビクターエンタテインメント

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