久しぶりに名古屋は伏見の銘居酒屋・大甚本店を訪問。夕方の4時開店なので10分前位になるとポツポツと人が集まってくる。常連の人は構わず暗い店の引戸を開けて中の様子を伺い、店主がOKを出せばまだ暗い店内にそのまま通されて開店まで座って待つ。これがいつもの光景らしい。自分も皆さんの後について店の中へ。店の中は開店準備でバタバタとしているが、それを暗い中でじっと見守る客(笑)。この日は自分も合わせて7人位だったかな。まだ開店時間じゃないのに店主が「遅くなってごめんねー」といつものよく通る声。こういうところがまた来たいと思わせるマジックなんだろう。
定刻になり電気が点いて、まずお酒を注文。自分は前回と同じ大徳利(賀茂鶴特別樽酒)の燗。お酒が運ばれたと同時に席を立って、飯台やガラスケースに所狭しと並べられた惣菜を吟味。この日の刺身は鰹。ガラスケースから勝手に取って、マカロニサラダも手に取って着席。もうこの頃には次々と店の中に人がなだれ込んで、あっという間に大盛況。といっても開店後まだ15分。平日の4時なんですけど…明らかに仕事中のサラリーマンの方も(笑)。直帰ということにしておきましょう。周りを見ると前来た時にも居た人がちらほら。もうここに来る事が完全に習慣になっているんだろうね。羨ましい。
鰹の刺身には葱と生姜が添えられている。新鮮で間違いなし。マカロニサラダはポテトサラダに大きめのマカロニが入ったような感じ。これがまた日本酒に合うんだな。お燗番の奥様がつけてくれた酒はほのかに樽香がついてやさしい味。あぁ、しみじみと旨い。追加の総菜を物色するためまた飯台へ。大根おろしに隠れて中身の分からない小鉢があったので訊いてみると、大陸の若い女店員さんは答えられず。名前が出てこない、と店主に確認。答えは酢漬けの「海鼠(なまこ)」でした。これが滅法旨かった。
ここは1人客が多いので、多くの客が自分のペースで飲んでサッと帰っていく。相席の時のあうんの呼吸といい、いい店はいい客が作るんだなぁと実感できる空間。ここなら1人でもいつまでも居られそうだが、そこは我慢。近くの人が羨ましい。次、平日に出てこられる時はいつだ?(勘定は¥2,100程)
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大甚本店
愛知県名古屋市中区栄1-5-6
(大甚 だいじん だいじんほんてん 居酒屋 酒場 老舗 )