ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ひょうたん 三宮店 @神戸市中央区・三宮

2015年07月21日 | 兵庫県

初めての神戸三宮駅。土地勘が無いので、どこに行けば何があるのかさっぱり分からないが、足は勝手に飲食店が集まる界隈へ。ガード下(になるのかな)で小さい飲食店がひしめき合い、週末で人がごった返す場所にある餃子の専門店「ひょうたん三宮店」の前で足が止まった。店の前に何人か並んでいたからだが、この地と言えば、味噌だれで餃子を食べると聞いていたので、試してみたい店のひとつだったのだ。本店は元町にあるんだとか。運良く行列が店に吸い込まれたと思ったら、すぐに自分も一緒に入れたので、小さいテーブル席に案内され腰をおろした。店は正直言って綺麗ではないし、空調も効いていないようだったが、小さい店ながらたくさん店員が居て、客が満員の店内はすごく活気がある。店の入り口にも、中にも「餃子しかありません」の文字が。日本酒も置いていないそうだ。もちろん餃子と瓶ビールを頼み、しばし待つ。

何しろ餃子しかないので、焼き方さんは次から次へ入る注文をこなす為、焼きっぱなしだ。ビールで喉を潤しつつ待っていると、わりと長い時間がかかってから、無造作に平皿に盛られた餃子が運ばれた。あらかじめ「味噌だれ」という物が用意されているのかと思ったら、テーブル上の入れ物に味噌が入っていて、自分で小皿に入れた酢や醤油と調合するようだ。味噌は八丁味噌ベースで色濃いもので、他にも何かがブレンドしてある。舐めてみると、味わいは思ったほど強くなく、八丁味噌特有の尖った塩っ辛さはあまり感じない。たっぷりつけてもいける味。別に味噌を付けなくてもいいのだろうが、自分はもちろんたっぷりつけて食べてみた。さほど大きくない餃子の皮はしっかり焼き目は付いているものの、意外にもしっとりとして柔らか。餡は多くなく、もちっとした皮を楽しむ感じで、なかなか旨い。もちろんこの味噌だれがビールに合わない訳は無いので、あっという間に平らげた。(勘定は¥1,000程)

※令和2年6月を以って閉店されましたが、現在は会社化して再開されたようです

 


 

 ↓ 呑み歩いた翌朝に頑張って早起きして、「旧居留地」界隈を散歩。「神戸朝日ホール(旧・神戸証券取引所)」(下左・昭和9年・復元)と、「日本毛織ビル(ニッケビル)」(下右・昭和12年・1937・建造)

 

 ↓ どっしりと落ち着いた「旧居留地38番館(旧・シティバンク神戸支店)」(昭和4年・1929・建造)。近くを歩いていると日本じゃないみたい。

 

 ↓ 「商船三井ビルディング(旧・大阪商船神戸支店)」(大正11年・1922・建造)。柔らかい女性的なラインが印象的。ライトアップされるという夜にも見てみたかったなァ。

 

 ↓ 道を挟んで隣に建つ「海岸ビル(旧・三井物産神戸支店)」(大正7年・1918・建造、震災後改築 ※国登録有形文化財)。上の「商船三井ビル」と並んだ姿は壮観。

 

 


 

ぎょうざ専門店 ひょうたん 三宮店

兵庫県神戸市中央区北長狭通1-31-37

 

 ( 三宮 三ノ宮 餃子 瓢箪 ひょうたん三宮店 三宮餃子 神戸餃子 旧居留地 閉店 廃業 )

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鯛めし楼 @名古屋市中区・伏見

2015年07月20日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋の伏見にある創業明治3年(1870)という老舗「鯛めし楼」。鯛尽くしの様々な料理がいただける店で、夜に使うにはお高い店だが、昼には名物の鯛めしを食べる事が出来る。少し雨がぱらつく中、店へと歩いて行く。店の建物の前は駐車場になっていて、脇に白い暖簾が掛かった控えめな入口がある。店に入ると、店内はL字の広いカウンターになっていて、さすがに落ち着いた高級感ある雰囲気。テーブル席と個室も用意されているとのこと。着物を着た給仕の女性に案内され、カウンターに座る。奥が調理場になっていて、何人もの調理人が居る様子。あちらこちらに「鯛車」を模した可愛らしいイラストが描かれている。社用の客の土産用だろう、ゴルフのピンなどにも鯛車のイラストが描かれて置いてあった。

先客は3人程で、意外にも若い人達だったが、接待利用のようだった。やはりみんな鯛めしを食べている。自分の前に置かれた品書きにはびっしりと鯛料理を中心とした一品料理が並んでいるが、どれにも値段が書かれていない。これらの一品料理で日本酒をいただきたいところだが、接待以外で夜使うにはちょっと覚悟が要りそうだ。もちろんこの日は、はじめから鯛めしを頂くつもりだったので、迷うことも、覚悟も、全く必要無いのだが(笑)。

しばらくしてお重と汁椀が盆にのせて運ばれた。蓋を開けるとびっしりと鯛めしが敷き詰められている。こちらの鯛めしは天然鯛の身を細かくほぐして、味付けしたもの。いわゆる「でんぶ」だが、混ぜ物なし。その口当たりはふわふわで、それだけだと頼りないものだが、ご飯と一緒にひと口、口に入れると、鯛の味が凝縮されていて存在感は充分。これ、ものすごく手が掛かってるなァ。温かいご飯は味が付けられていて、口に入れると鯛の香りも引き立ち、旨い。澄まし汁には鯛の身、えのき、山椒の葉が入っている。すっきりした味付けで、ご飯がわりとしっかりした味付けなのでちょうどいい。一緒に出た香の物は、その切り方にも隙が無く、さすが老舗高級料理店という矜持を垣間見ることが出来る。重に入っているので、鯛めしの量はかなり多く、少食の方でなくとも持て余してしまうかも。この半分のサイズがあってもいいくらい。食後にはなぜかコーヒー(ネスプレッソ)が付くが、これは要らなかったかな。お茶で充分。

量も多く、シンプルな味が続くので、途中ややダレるが、昔のまま(つまり140年以上)の調理という贅沢な味を堪能する事が出来た。素晴しい技術と味を知って、またひとつ大人になった気分(すでにオッサンだが)。品書きにあった「鯛木ノ芽焼」「鯛酒むし」「鯛あら煮」「別鯛茶」など、色々食べてみたいなァ。(勘定は¥3,240)

 

 ↓ 伏見・納屋橋の東詰に建つ「旧・加藤商会ビル(現・サイアムガーデン)」(昭和6年・1931建造)※国登録有形文化財 現在は鯛、ではなくタイ料理店。

  

 

鯛めし楼

愛知県名古屋市中区錦2-18-32

( 名古屋 伏見 たいめしろう 鯛めし 納屋橋 なやばし 加藤商會 サイアムガーデン )

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From The Vault : The Marquee Club (Live In 1971) / The Rolling Stones (DVD+CD)

2015年07月19日 | DVD

From The Vault : The Marquee Club (Live In 1971) / The Rolling Stones (DVD+CD) (2015)

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の映像アーカイヴ・シリーズ「From The Vault」の第3弾。近年ストーンズの歴史的映像記録が次々と発表されているので、果たしてこのシリーズがどういう位置付けなのか、今ひとつ分かりにくいが、今回は1971年のロンドン、マーキー・クラブでのライヴ。これまたブートレグ(海賊盤)ではお馴染みだった映像で、テレビ・カメラで撮影された解像度のよくない映像をVHS、DVD-Rとフォーマットを変え、コアなファンが食い入るように見てきたもの。ライヴといってもテレビ撮影用で、客は関係者ばかりだそうで人数も少ない。ストーンズは69年(アメリカ)、70年(ヨーロッパ)とツアーをやったが、名作「Sticky Fingers」が発売されたこの年には短いイギリス・ツアーしかなかったので、これも貴重な記録だ。特に日本盤は必要なかったが、適価の輸入盤を探すのが面倒だったのと、このシリーズの解説は元レコードコレクターズ誌編集長の寺田正典氏が気合の入った著述をしているので、つい日本盤にしてしまった。

ラッパ隊の故・ボビー・キーズ(Bobby Keys)とジム・プライス(Jim Price)が加わり、グッと華やかになった演奏は、テレビ撮影という事もあって、やり直しがあったりと、ゆるい部分もあるが、遅刻してみんなをイライラさせたという無精ヒゲがふてぶてしいキース・リチャード(Keith Richard※)、ギブソンSGで流麗なソロを淡々とキメるミック・テイラー(Mick Taylor)、そして歌といい、態度といい、肌の艶といい、妖艶で、男もすなるという(笑)ミック・ジャガー(Mick Jagger)など、見どころは多い(←実際そういう噂があったんです)。みんな演奏中にウイスキーのボトルをかっくらうのも時代だ。緊張感には欠けていて、ライヴとしてはなんだか不完全燃焼だが、このタイトルがこんなに綺麗な映像で見られるなんて凄い時代だなァ。さぁ、ブートを処分しないと…(苦笑)。

※キースは70年代後半に姓を「Richards」(リチャーズ)と変えるまでは「リチャード」

第1弾はこちら、第2弾はこちら

amazonにて購入(¥4,242)

  • Format: CD+DVD
  • Language: 日本語
  • Region: リージョン2 
  • Disc: 2
  • Label: ワードレコーズ
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とん平 @岐阜県大垣市 (※閉店)

2015年07月18日 | 岐阜県(西濃)

 

岐阜県大垣市で、ある酒場を目指し、歩いて店の前まで辿り着くも、どうも臨時休業のようで店を開ける気配がない。なので、もし時間が余ったら次に行こうと思っていた店、この「居酒屋とん平」に口開けで入る事になった。通りに面してはおらず、少し中に入ったところに店がある。昔は居酒屋というとみんなこんな雰囲気だった。赤提灯が連なった入り口の暖簾をくぐって中に入ると、カウンターのみのよう(2階とかあるのかも)。主人と奥さん2人で切り盛りしている。カウンターに腰を下ろし、品書きに目を凝らす。カウンターの上には紙に書かれたたくさんの品書きがぶら下がっているし、手に取ったメニューにもぎっしり。何をいただこうか迷うほど。結局、酒(賀茂鶴)と、季節のものとしてみょうがの天ぷらをお願いした。

実はこの店、「珍味」があるということで引っ掛かったお店。品書きにも「カエル」「いなご佃煮」「ハチノコ」なんていうのが載っている。カウンターの端においてあるバケツにはドジョウが泳いでいた。でも2軒目くらいだったら試してみようと思っていたのだが、最初から珍味っていうのも…と日和ってしまった(笑)。連れが居ればいいけれど、1人なので量が分からないのもね…(←言い訳)。酒は冷や(常温)でいただく。天ぷらはサクッとした食感と、みょうがの爽やかな味が旨い。短冊に書いてあった鰹の竜田揚げを追加。演歌が流れるカウンターでゆっくりといただいた。そう言えば最近演歌が流れる店って珍しいな。店の外には「ラーメン」を推す貼り紙があったけど、どんなんだろう。(勘定は¥1,500程)

 ↓ 大垣駅前の和菓子屋や居酒屋が入ったビル。近代建築っぽい雰囲気はあるのだが、情報は見つけられなかった。古い建物なんだろうか?、それとも…。しっかり観察してくればよかったナ…。

 

 

居酒屋 とん平

岐阜県大垣市高屋町4-1

※閉店されたようです

 

( 大垣 とんぺい カエル すずめ どじょう イナゴ カエル唐揚げ 珍味 閉店 廃業 )

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月の蔵人 @京都市伏見区

2015年07月17日 | 京都府

研修で関西(京都・神戸・大阪)へ行く用事があり、同行者らと食事に行った先がここ、「京の台所 月の蔵人(くらびと)」。周辺は酒処・伏見とあって酒蔵が多く、こちらも「月桂冠大倉記念館」のすぐそばにある。酒呑みとしては、どちらかというと昼飯はどうでもいいからそちらを見学したかったが(笑)、時間と行動に制約があり、店へ直行。店の駐車場には観光バスが何台も停まっているので、「そういう店」だというのが分かる。多人数だと仕方がないところ。かなり詰め込まれた狭い座敷席に着くと、すでに御膳が用意されていて、待ったなし。午後にも研修が残っているので一杯やる訳にはいかず、さっそく食べ始める。

食事は御膳に小皿がたくさん並び、ご飯とみそ汁が付いている。刺身や天ぷらなども入っているが、湯葉とか豆腐が売りなんだろうと思う。作ってから時間が経っているし、こういう、いわゆる宴会料理をどうのこうの言っても仕方がない。唯一、手作りざる豆腐は、温かいままの豆腐をつゆや、塩でいただくもので、豆乳の甘味も感じられて旨かった。こちらで製造しているものだそう。ご飯の量が少なかったので、周囲の男性陣は皆、心細かった事だろう。自分は(個人での)食べ歩き以外の時はいつも昼は少ないので、この位でちょうどいい。料理の内容は、個人で行ったらちょっとアレだけど、自分が幹事なんかをやる立場だと、人数を引き連れていくにはこういう店が助かるんだよね、実際。

 ↓ 店の近くには風情ある景色が。少し雨が降っていたが、さっと周ってみた。下左:壕川。下右:朱色の土塀が綺麗な「辧財天・長建寺」。この地は以前、遊郭(中書島遊郭)だったとのこと。

 

 

京の台所 月の蔵人

京都府京都市伏見区上油掛町185-1

( 京都 伏見 月のくらびと 月桂冠 月桂冠酒造 弁財天 中書島遊郭 )

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好日八祥 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2015年07月16日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市の有名な日本料理店「たか田八祥」の支店のひとつ「好日八祥」。と言っても、こちらは岐阜高島屋の地下食料品売り場のイートイン施設。それでなくても狭い岐阜の高島屋地下の端っこに位置している。席数もカウンター7席程だけで、簡単な食事が出来るようになっているのみ。横の売店で販売しているお惣菜のショーケース(試食)といった感じのお店。用事があって高島屋に来た時に、ふと寄ってみた。店は給仕の女性が1人。小さい厨房の中には女性の調理人が1人。さすがに席の幅は狭い。ランチは2種あり、寿司か、季節の炊き込みご飯に、総菜5種と汁物、それにデザートという内容。店の人に炊き込みご飯は何か尋ねると、「新生姜」だとのことだったので、炊き込みご飯の「好日彩菜」と名付けられた方にしてみた。

5種の総菜は5つ綺麗に並んだ皿で供される。どれもひと口サイズで、基本的には横の店で販売している惣菜のよう。ぶりの照り焼き、手鞠寿司、玉子焼きなどの上に、緑のものや柑橘片が添えられているので彩りが良く、綺麗。色々なものを少しづつというのは女性にも喜ばれるだろう。汁物は海老のしんじょ。味付けはどれも割りとしっかりめ。炊き込みご飯は、爽やかな生姜の香りがあって、いい塩梅。こういうシンプルな炊き込みご飯ってしみじみと旨い。量も少なめなのでおかわりをしたくなる。炊き込みご飯の内容は月によって変わるようなので別のものも食べてみたいな。デザートは胡麻のプリン。これも隣の店で売っているもの。デパートの中だから中休みも無いだろうし、女性一人でも気兼ねないし(逆に男性の方が入りにくいか…)、さっと寄って、軽くお腹に入れるには便利な店かも。(勘定は¥1,300)

好日八祥 (こうじつはっしょう)

岐阜県岐阜市日ノ出町2-25 岐阜タカシマヤ B1F

※令和6年7月末を以って閉店されました

 

( 岐阜 高島屋 タカシマヤ たか田八祥 たかだはっしょう )

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All The People : Blur Live at Hyde Park / Blur

2015年07月15日 | オルタナティヴ・ロック

All The People: Blur Live at Hyde Park / Blur (2009)

活動を停止していたブラー(Blur)が、再結成した2009年のロンドン・ハイドパークで行ったライヴを収録したライヴ・アルバム2枚組。2日に渡ってライヴが行われ、どちらの日もライヴ・アルバムとして発売された(こちらは初日7月2日を収録)。当初はネット通販だけの発売だったようだ。もちろん再結成が発表されると大きな話題になって、世界中からファンが集まったと聞く。当日の写真や映像を見ても会場は人、人、人、で埋め尽くされていて、壮観。どの曲も、みんなでシンガロン(Sing-Along)して温かい雰囲気。ブラーが地元イギリスのみならず、世界中で愛されていたことがよく分かる。

自分が彼らを聴き始めたのは、もうブリット・ポップ・ブームが終焉を迎えていた頃なので随分遅い。アイドル・ポップ・バンド然としていた頃はもちろん、ライバル・グループとしてオアシス(Oasis)と舌戦を繰り広げていた頃も、雑誌でニュースを見る程度で全然興味が無かった(ま、オッサンが聴く音楽じゃないわな、今でも)。それがある日に衛星放送かなんかで見たある曲のヴィデオ・クリップが琴線に触れ、それからやっと聴き始めた。するとすぐにデーモン・アルバーン(Damon Albarn:Vo.)とグレアム・コクソン(Graham Coxon:G)との間の溝が深くなり、活動を停止してしまったと記憶している。ただ自分が引っ掛かった曲やアルバムは、グレアム主導だったらしいので、自分はグレアムの創る音が特に好きなのかもしれない。

理想的な大合唱になる「Tender」や、ライヴ演奏が難しそうな「Coffee & TV」など、聴きどころは多いが、ハイライトはやっぱりオリジナル通り、フィル・ダニエルズ(Phil Daniels)が参加した「Parklife」だろうか。映画「さらば青春の光(Quadrophenia)」で主役のモッズ少年を演じた彼だ。さすがに歳を取ったなァ。でもオッサンになったとはいえ、元気でノリノリだ。ブラーのメンバーにとっても、ハイド・パークでこの曲を彼と演るのは特別な瞬間だったろう。

オークションにて購入(¥868)

  • CD (2009/11/9)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Import
  • Label: EMI
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鍵屋 @東京・根岸

2015年07月14日 | 東京都(老舗)

酒場好きにとっては聖地と言っても過言ではない根岸の「鍵屋」。安政3年(1856)に酒問屋として創業し、昭和初期から酒が呑めるようになり、現在のような居酒屋形態になったのは戦後だとか。最寄り駅は鶯谷。様々な文献に登場し、一度は訪れてみたいと機会をうかがっていた。黒板塀の現在の建物(大正元年建造とか)も味があるが、移転前の建物(安政3年建造)は「江戸東京たてもの園」に移築展示されているという、まさに博物館級の酒場。ちなみに今でも女性1人の客は入れないそうです(そう、酒場は男の為にあったのだ)。何とか時間の都合をつけて、というか、この店に来るためにわざわざ予定を組んで訪れた。言問通りから一本入った住宅街の中にポツンと店がある。ここだけ異質な空間。店先には開店を待ちわびる同好の士がひとり。まだ新しそうな黒板塀には「鍵屋」と書かれた徳利が埋め込まれている。しばらくして店が開き、暖簾が掛けられた。

店に入ってカウンターに腰を下ろす。電球が照らす「いぶし銀」の店内は、長い時間を経た店だけが持つ特別な雰囲気があり、その場に居るだけで幸せな気分になる。「ジリリリ…」と店にかかってくる電話も黒電話が現役だ。何というか、もうすでに「空気が旨い」。老齢の主人に、まずお酒(桜正宗)を燗してもらい、薄い木の板に書かれた多くない酒肴の中から名物の「うなぎのくりからやき」を注文した。酒はきっちり正1合を升で計り、銅壺(どうこ)で温められる。くりからやきは1人1本のみ、売切御免だそうだ。主人によると仕入れが高過ぎて、もう数が用意出来ないとの事。意地だけでやっているんだとか。焼けるまでは、お通しの柔らかく煮られた煮豆をつまみながら、酒を口に運ぶ。目に入る古道具、看板、古いポスターや、焼き台で忙しく立ち回る主人の所作を眺めながら呑む酒は、最高に旨い。女将さんが他の客に、酒は3種あり「桜正宗」「菊正宗」「大関」の順に辛口になっていくと説明していた。

まだ5時を過ぎたばかりだが、もう何組かの客が入ってきて、カウンターは満席に。主人も大忙し。若干テンパる主人を、女将さんが上手にサポートしていて、微笑ましい。しばらくして串に刺されたくりからやきが置かれた。甘辛いしっかりとした味付けで、旨い。もうこの時点で、くりからやきは売り切れになった。「合鴨塩やき」と酒を追加。塩は強くなく、ほとんどそのままといった感じ。酒は3種ともよくある普通の大手銘柄なのに、どうしてこうも旨いんだろう…。20種類ほどの酒肴はどれも、いわば「地味」なものが多いが、どれも酒(日本酒)を旨くしてくれそうなものばかり。全部食べてみたいが1人ではどうしようもない。早食い早呑みで、長居も苦手なので、未練たっぷりで(笑)勘定をしてもらった。

「ありがとう存じました」

主人と女将さんの声を聞きながら、まだ明るい外に出る。噂に違わぬ素晴しい店だった。(勘定は¥2,500程)

 

鍵屋

東京都台東区根岸3-6-23-18

( 根岸 ねぎし 鶯谷 うぐいすだに 鍵屋 かぎや くりから焼き 江戸東京たてもの園 )

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飯田お好み焼き店 @岐阜県大垣市 (※閉店)

2015年07月13日 | 岐阜県(西濃)

久しぶりに岐阜県大垣市を訪れた際に、前から気になっていた店を訪問。駅から東に歩いていったところにある「飯田お好み焼き店」(本当にこの店名なのか分からない)。昔はさぞかし賑わっただろう商店街にあり、店の佇まいは完全に「昭和」のそれ。ふた昔前くらいまでは、こういう雰囲気の店がどの街にもあったものだが、最近はあまり見かけなくなってきた。あまりにも地元密着過ぎて、若干入りづらい雰囲気が無きにしも非ず。わざわざ暖簾が掛かっているサッシの引戸から入ったら、鉄板と常連客のすぐ目の前でびっくり。横が開け放しだったので、そこから入ればよかったか。焼き場の中には高齢の女性主人が1人。テーブル席の常連客はもうお酒が入っているらしく上機嫌。他にも何人か先客が。皆地元の人ばかりのようだ。土間のテーブル席のひとつに座り、店の壁に貼られた品書きから、物腰やさしいお母さんに焼そば(肉玉)とビールを注文。ビールは銘柄も訊かれ、キリンを選択。こういう店で選べるというのも素晴しい。お母さんは全部1人で切り盛りしているので、注文が入ると忙しくなる。それでも常連客と楽しそうにしゃべりながら、てきぱきと鉄板調理が続く。

素晴しい手際で、思ったよりも早く平皿にのせられた焼そばが登場。ごく普通の焼そばかと思ったら、麺は細平打ちで、食感も良く、すごく旨い。ソースの加減もちょうどいい。上にのった目玉焼きの焼き加減も完璧。途中で目玉焼きの黄身を崩して麺に絡めて食べると、また旨い。のんびりとした雰囲気の中、冷たいビールで喉を潤しながら、あっという間に食べ切った。うーん、ここは天国かも(笑)。品書きは意外に豊富で、お好み焼き、ネギお好み、焼めし、焼そば、モダン焼、焼うどん各種の他にも焼肉、砂肝、レバーなんてものもある。そうか、お母さんにこれらを焼いてもらってビールを呑んで、締めにもうひとつ炭水化物で腹を満たす。それが出来たら本当に天国だ。値付けも安いし、こんな店が近くにあったら、寄ってばかりで大変(笑)。もう、また行きたくなってきた。(勘定は¥1,000程)

この後の記事はこちらこちら

※閉店されました

 

 ↓ 斜め向かいにあった食堂の跡。素晴しい旭日看板と佇まい。「薄利多賣」の文字が力強い。いつ頃まで営業していたんだろう。

 

飯田お好み焼き店

岐阜県大垣市錦町6

 

( 大垣 大垣駅 飯田 いいだ お好み焼 焼きそば 焼きめし 錦町商店街 )

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珍道中 @岐阜県岐阜市

2015年07月12日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市内で仕事があり、この日は午後遅くにはフリーに。せっかくの平日のフリータイムに心躍らせて岐阜駅前の名酒場「水谷」へ行くも、なぜか店が閉まっている(残念…)。行き場を失って周辺を捜し、歩いて訪問したのが、岐阜駅から西に歩いたココ、串揚げの「珍道中」。以前から開店時間が早いということでメモっておいた店だ。午後3時には開いているらしい。店の前に行くと、開け放された入口からは、すでにカウンターで呑んでいるベビーカー連れの夫婦と、男性の1人客の姿が見える。さっそく自分もカウンターに座った。店はまだ新しいが落ち着いていて、1人で呑むにはいい感じ。奥にはテーブル席もある。飲み物は、ここまでやや暑い中を歩いて来たので、給仕の女性にホッピーセット(白)を注文し、品書きを眺めて、串を何本か注文。冷やされたジョッキの中には「キンミヤ焼酎」が注がれている。これまた冷えた瓶のホッピーをジョッキに入れ、自分で割る。全部しっかり冷やしてあるので、氷が必要なく、薄まらないので具合がいい。まだ若い主人は今どきの風貌だが実直な感じで、ひとつひとつ丁寧に調理作業を進めている。ただ意外と席数もあるので、客が増えてくると主人1人では、やや手一杯になってくるかも。

中部地方では珍しいレバカツや、紅生姜のカツもあったので追加。まだ瓶にホッピーが残っているので、中身の焼酎だけお代わり。揚げたての串に冷えたホッピーは旨いなァ。駅から少し距離があるが、値も安いし、なかなか便利に使えそうな店だ。まだ他にも食べてみたい酒肴がいくつもあった。まだ新しい店だが、しっかり常連客も付いているようで、自転車でフラリとやってきた客同士が言葉を交わしている。値も安いし、もう少しゆっくりしていたかったが、しばらくすると、奥のテーブル席に妙齢の女性集団が着席。大声(叫び声)を張り上げるわ、男言葉で聞くに堪えないわで、店内が一気にうるさくガチャガチャしだしたのですぐに退散した。酒場での女性グループは、賑やかな学生よりもやっかいかも(勘定は¥1,100程)

珍道中

岐阜県岐阜市真砂町12-19 真砂町共同ビル1F

( 岐阜 岐阜駅 真砂町 まさご町 ちんどうちゅう 串揚げ ホッピー キンミヤ焼酎 三冷 昼飲み 昼呑み )

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