神戸の三宮駅のガード下に位置する酒場「森井本店」。大正7年(1918)創業で、もうすぐ創業100年を迎えようかという老舗。平成7年の阪神大震災で建て替えられたと聞いていたので、まだ新しい店を想像していたのだが、店先の古い木製看板が掛かる佇まいといい、店内の様子といい、すでに貫禄が出てきているのがすごい。店内にも古い看板屋やポスターなどか飾られて落ち着いた雰囲気。カウンターに腰を下ろして、まず、「金盃酒造」の純米酒一合を冷や(常温)で注文。ちょうど誰かが頼んで出来上がったばかりの焼きそばがカウンターにのっていて、あまりにも旨そうで頼みそうになったのだが、ハシゴなのでグッと我慢して、酒肴は軽く、定番の「鯖生ずし」(締めさば)を注文した。
店内は年齢層こそやや高めだったものの、サラリーマンや男女のグループなどで賑わっていた。それでも週末で若い人が多く繰り出している界隈からするとグッと渋め。こういう店で呑むと落ち着くようになったのは中年の証しだろうか。酒は「金盃」の銘が入った徳利とガラスコップで出される。色も濃い目で、どっしりとした味。お通しは失念。生(き)ずしは小振りで締め加減はしっかりめ。生姜が添えられていて、少しのせたりして楽しんだ。旨い。隣の席では若いサラリーマンが年輩の上司に対して熱弁を奮っている。でも上司の方は完全に出来あがっていて無口なので、明日になったら覚えてないだろうなァ(笑)。ひとり客も多いが、見た感じ、サッと引き上げて行く人が多い。「どて焼き」を追加。「焼き」だが、実態は「煮込み」で、中に入ったスジ肉がとても旨い。やや甘めの味付け。こちらの酒とはよく合って、煮つゆまで呑み干してしまった。(勘定は¥2,000程)
↓ 翌朝の早起き近代建築散歩シリーズその2。(その1はこちら)、「神戸郵船ビル(旧・日本郵船神戸支店)」(大正7年・1918・建築)。黄色いテント屋根が妙にマッチしてかっこいい。
↓ 道を挟んで向かいにある「丸亀組(旧・オール商会ビル)」(建築年不明だが戦前で間違いないだろう)
↓ 「神港ビルヂング(旧・川崎汽船本社ビル)」(昭和14年・1939・建造)。建物はシンプルだが、屋上のガラス張りの塔屋が珍しい。
↓ 「チャータードビル(旧・チャータード銀行神戸支店)」(昭和13年・1938・建造)。現在はカフェやレストランが入っている。列柱がかっこいい。
↓ 「旧居留地十五番館(旧・アメリカ合衆国領事館)」(明治13年・1880頃・建造) ※国重要文化財。震災で全壊したが、元の建材で再建されたんだとか。
居酒屋 森井本店
兵庫県神戸市中央区北長狭通2-31-42
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