ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

White Riot Tour 1977 / The Clash

2015年07月11日 | パンク・ニューウェーヴ

White Riot Tour 1977 / The Clash (2007)

オリジナル・ロンドン・パンクの雄ザ・クラッシュ(The Clash)の1977年のライヴ音源。正規盤のような扱いでamazonなんかでも売られているが、レーベル名などからいくと、ほぼ海賊盤(ブートレグ)。どういう経緯で発売されたものかは分からなかった。最近はアーティスト公認だったりするブートレグもあるので難しいが、クラッシュについては公に認めた音源は無いはず(イギー・ポップなどは一時期、海賊音源を認めて正式に許諾したことがある)。彼らの1977年の公式な高音質録音は残っていないのかな…。

1977年と言えば、ロンドン・パンクにとってシンボリックな年で、クラッシュの曲名にもなっている(このアルバムの最後にも収録)。実際は1975年辺りからニューヨーク・パンク勃興の動きがあり、ロンドンではセックス・ピストルズ(The Sex Pistols)が活動を始めているが、1977年になると、実際にピストルズらのライヴを体験した連中が、我も我もとバンドを組み活動を開始する、いわゆるDIY(Do It Yourself)という流れが出来て、雨後の筍の如くパンク・バンドが誕生したのだ。このアルバムには同年5月に行われたイングランド中部・レスターでのライヴ音源が収録されているので、観客の中には、すぐにバンドを始めるであろうパンクスがたくさんいた事だろう。ひょっとして、のちに有名になった若者も居るかもしれない。「タイムマシンがあったら、何時の、誰のライヴを観に行きたいか?」という質問があったら、自分はなんと答えるだろうか。必ず1977年のクラッシュは入るだろうと思う。

このCDに収録されている音は、当然だが良くはないし(それでもこの時期の彼らのブートとしたらかなりイイ)、演奏も上手くはないが、聴くに値しないかというとそうではない。音に出さずにはいられないどうしようもない焦燥感と、ちょっとした名声への色気が充分に感じられ、熱くて迫力ある演奏を聴くことが出来る。痺れるほどかっこいい。ファンは必聴です。ファースト・アルバムに収録された楽曲もアレンジや歌詞が違っていたりと、まだ手探りな状態なのがよく分かる。これ公式に音源を入手してリマスタリングして発売してくれないかな。彼らの魅力のひとつが、ジョー(Joe Strummer)、ミック(Mick Jones)、ポール(Paul Simonon)の3人が(ある意味)それぞれフロントマンである事。それぞれ個性の違うヴォーカルだし(3人とも下手クソだが・笑)、3人ともフォトジェニック。何しろこの頃のクラッシュはカッコイイ。

 ↓ 同公演のポスター 「at De Montford Hall, Leicester 28th May 1977」

オークションにて購入(¥842)

  • CD (2007/4/5)
  • Format: Import
  • Label:Good Times Music 
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上野凮月堂 @東京・上野

2015年07月10日 | 東京都(老舗)

上京した際には留守中に迷惑をかけている周りの人達に、いちおう何か土産を買っていくことが多い。帰りの東京駅の大混雑では疲弊するし、自分のバッグ以外の袋をぶら下げて歩くのが嫌なので、最近は駅では何も買わず、訪問した先で日保ちのする土産を買い、先に送ってしまうようになった。今回は上野の「上野凮月堂」。創業が延享4年(1747)という老舗で、元々は総本店が京橋にあり、この上野凮月堂(創業・明治38年・1905)は創業家の家系で唯一残っている店舗で、現在全国にある風月堂は暖簾分けや、別の系統なのだそうだ。

その昔、小さい頃の東京土産というと「ゴーフル」だった。茶色の丸い缶に入ったゴーフルは、透明のビニール包装だったと思う(記憶に自信ありません)。誰が何枚食べるか、長姉、長兄と争った覚えがある。そんなゴーフルもそのうちに珍しくなくなり、中部地方でもデパートならすぐに手に入り、わざわざ東京で買ったり、お土産にすることは無くなってしまった。時々もらうゴーフルも、しばらくすると湿気てしまい…。

今回はちょうど広小路を通る事があったので、店に入ってみた。もちろんデパートや駅でも購入できるが、出来る事なら本店へ入ってみたいもの。店舗は大きなビルの1階。2階は「資生堂」のように洋食レストラン(パーラー)になっている。そう言えば凮月堂のレストランの評判ってあまり聞かないな。ガラスのショーケースの中に並べられた菓子は、ゴーフルの他にも様々。でもやっぱりゴーフルを購入。昔と違い、明るい青緑色にデザインされた缶に入れられたゴーフルは、アルミの個別包装で、バニラ・チョコレート・ストロベリーの3種類。パリッと割れる食感も、しっかり甘いクリームも昔のまま。何年ぶりだろうか、懐かしい。珈琲の美味しいお供になった。次はパーラーに入ってみよう。(勘定は¥1,080/9枚入缶)

 ↓ 店のカードに載っている明治時代の上野凮月堂

上野風月堂

※正式な表記は「風」の字の「几」中が「百」

東京都台東区上野1-20-10

( 上野 上野広小路 風月堂 ふうげつどう うえのふうげつどう ゴーフル )

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みのや食堂 @岐阜県山県市

2015年07月09日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市から北へ向かった山県(やまがた)市の高富(たかとみ)にある「みのや食堂」。見かけは住宅地の中にある、ごく普通のちょっと古い大衆食堂なのだが、盛りのすごい店として知られていて、噂を聞きつけた好事家が県外からも集まる有名店。以前は夜も営業していたが、主人が体を壊されてから昼のみの営業になったはず(今はどうなのかな)。今でも老齢のご夫婦がやっていらっしゃるが、少し前から後継ぎ(お孫さんだとか)が出来たようで、厨房も賑やかになっている。この日は仕事でこちら方面に車を走らせる事があったので、半年ぶりぐらいに入ってみた。夏用の白い暖簾をくぐって中に入ると、ほぼ満員の盛況。それでも土間のテーブル席がちょうど空いたので、すぐに座る事が出来た。自分の後からは待ちも出ていた様子。相変わらずの人気だ。基本的には地元客が中心だが、大盛りメニュー目当ての客も多い。いつもここへ来るとオムライスを頼んでしまい、あまり色々なメニューは試したことが無いのだが、この日は久しぶりに味噌カツライスを注文。

ちなみにこちらのメニューは、大盛にしても麺類100円、飯類50円のアップでしかない。でも安いからと、大盛にすると大変な事になる。並でも普通の店の大盛か、それ以上あるのだが、大盛にするとその2~4倍の量になるので、初めての人は並から試してみるのが無難。いつも誰かが「もう無理…」とギブアップして残してしまっているのを見かけるが、確かに「実際に見て、圧倒されてみたい」気持ちは分かるものの(笑)、とても勿体ないし、その食材で他の客の数人前程の量があると考えたら、サービスでやってくれている店に失礼じゃないだろうか。ちなみにタッパーが購入出来るので、やむなく残してしまったら必ず持ち帰りましょう。

味噌カツは普通のとんかつよりも大きめのカツに、味噌だれがたっぷりかかっている。つけ合わせは千切りキャベツとマカロニサラダ。ご飯は丼ぶりに大盛だが、これでも並サイズ。濃い味噌だれが食欲をそそります。目の前に運ばれたら、ただひたすら一心不乱に食べ続けるのみ。カツは充分な厚みがあり、旨い。添えられた小皿のたくあんも丸い形のままで大盛(笑)。テーブルに置かれたやかんのお茶で喉を潤しながら、完食。喰った―。ちなみにこちらのオムライスは、普通でももちろん大盛で、大きめに切った玉葱と鶏肉が入り、中はケチャップライス。玉子の上からかけられたケチャップの量も多く、味付け(酸味)がかなり濃いです。これを大盛にすると「ラグビーボール」と呼ばれ、信じられないくらいの大きさに。自分は出されたものを残すことが嫌いなので、かつ丼もオムライスも味噌カツライスも、大盛では頼みません。何しろその日の午後は完全に使い物にならなくなってしまうのは自明なので(笑)。次はまだ注文したことが無い、炒飯かカツカレー(もちろん普通サイズ)にしてみようかな。(勘定は¥850)

この後の記事はこちらこちら

 

みのや食堂

 岐阜県山県市高富1340

 

( 岐阜 高富 みのや 大盛り デカ盛り ガツ盛り テラめし ラグビーボール )

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角浅 @岐阜県羽島郡笠松町

2015年07月08日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜県の笠松町の近辺を自転車でウロウロしてみた。この地域を周るのは初めてだが、細い路地や寺社が多く、蔵などの古い建物もあちこちに残っていて、なかなか面白い土地だった。そんな街の旧街道筋にある手打うどんの「角浅(かくあさ)」。詳しくは分からないが創業は70年以上前とか。休日の昼過ぎだったが、店は外に待ちが出るほどの人気で、老若男女が次々と訪れていた。自分も少しだけだが待って、相席してもらいテーブル席に腰を下ろす。奥には小上がりの座敷もあるが、どの卓も満席。場所がいわゆる繁華街とは違う事を考えたらすごい人気だ。厨房の中で元気よく、そして淀みなく作業する主人は茶髪で今風。それでも店はしっかりとこの地に根付いた昔ながらのうどん屋という佇まいで、中休みも無いのがうれしい。

何にするか迷ったが、カツ丼と、ころうどん(冷たい麺に少量の冷たいつゆがかかったもの)のセットにしてみた。他の客は、煮込みうどんを頼んでいる人が多かったかな。しばらくして丼ぶりと椀が運ばれる。こちらのカツ丼は、揚げたカツの上から「とじ玉子」がのせられた「とじ玉子のせカツ丼」タイプ。セット品だからか、カツ丼の丼ぶりは小さめだが、カツは一人前しっかり入っているよう。こんもりと盛られて、とじ玉子とつゆは色がやや濃い目。想像よりふわっとはしていなかったが、なかなか旨い。ころうどんは切りが細めで、薬味は別添え。しっかり水で締められていて、やや濃いめのつゆがかかっている。強いコシではなく喉越しの良い、好みのタイプのうどんで、旨い。だんだん暑くなってきたので、これからはころうどんの出番が増えそうだなァ。品書きにはないが、平日の時間限定できしめんもやっているようだ。何かがないと、平日この場所に居ることはないが、何かついではないものか…。(勘定は¥1,030)

この後の記事はこちら(2)(3

 


 

 ↓ 古い街並みに姿を残す「杉山家住宅主屋」(明治25年・1892・建造 ※国登録有形文化財)。そこかしこに凝った意匠(遊び)が残る商家跡。屋根には屋根神様が祀ってある。

 

 ↓ 岐阜工業高校の敷地内にある「岐工記念館(旧・岐阜県工業試験場)」(昭和4年・1929・建造 ※国登録有形文化財)。戦後、天皇の岐阜行幸の際には2階が宿舎にもなったという建物だが、現在はどういう訳か荒れてしまっている。

 

 


 

手打うどん・丼物 角浅

岐阜県羽島郡笠松町田代820-1

 

( 岐阜 笠松 笠松町 角浅 かくあさ うどん きしめん カツ丼 きしころスタンプラリー2015夏 )

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Live At Woodstock / Joe Cocker

2015年07月07日 | クラシック・ロック

Live At Woodstock / Joe Cocker (2009)

1969年に開催されたウッドストック・フェスティヴァル(正式名:The Woodstock Music & Art Fair)の40周年を記念して発売された、ジョー・コッカー(Joe Cocker)の同フェスティヴァルでのパフォーマンスを収めた1枚物CD。同コンサートを収録した映画サウンドトラックは1970年に発売されて大ヒットしたが、ジョー・コッカーのパフォーマンスは、映画もサントラも、ビートルズ(The Beatles)のカヴァー「With A Little Help from My Friends」の1曲、8分程のみ。だが、その強烈なパフォーマンスは同映画のハイライトのひとつにもなり、彼の知名度を上げた歴史的パフォーマンスだった。

このフェスティヴァルの音源は、何周年か毎にいろいろ発掘されてきたが、近年になって各アーティストのフル演奏を収めたアルバムが「Woodstock Experience」というシリーズになって発掘、発売されている。どういう権利関係を辿ったのか分からないが、当時たった1回の開催だったこのフェスティヴァルは、その後の音楽界にも大きな影響を残したので、その価値は大きい。ジミヘン(Jimi Hendrix)などを除いて、どうして今まで発売されてこなかったのか不思議なくらい。でもこのジョー・コッカーに関してはそのシリーズとは関係のない発売のようで、経緯は正直よく分からない。

それはさておき、その演奏内容。もちろん先述の最終曲11はもちろん、どれも力の入った(力み過ぎと言われるかもしれないが・笑)素晴しい演奏。バック・バンドはザ・グリース・バンド(The Grease Band)。キーボードのクリス・ステイントン(Chris Stainton)をはじめ、その後の音楽界で活躍する実力者揃いだ。若干ドタドタと荒い演奏に聴こえるところもあるが、これはフェスで混乱を極めただろうステージでの演奏なので仕方のないところ。むしろそれを考えたら安定していると言ってもいいかも。収録曲のほとんどがカヴァー・ソングだが、これはジョー・コッカーの当時の音楽スタイル。決して技巧派ではないが、その迫力ある(痙攣気味の)圧倒的なヴォーカルで、自分流に料理してその曲の別の魅力を見せてくれている。昔、ジョン・ベルーシ(John Belushi)が米深夜番組「サタデー・ナイト・ライヴ(Saturday Night Live)」でものまねをしていたのをVHSビデオで見たなァ。これでジョー・コッカー抜きで演奏されたという冒頭2曲が収録されていたら完璧だったが…。

amazonにて購入(¥1,352)

  • CD (2009/10/6)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: A&M
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樽平 @東京・銀座 (※閉店)

2015年07月06日 | 東京都(老舗)

銀座8丁目のビルの谷間に店を構える酒場「樽平」。山形県の樽平酒造が昭和2年(1927)(※HPでは3年と記述有)に神楽坂で開店した酒場で、いわゆる郷土料理を出す酒場のはしりとか。この銀座店が出来たのも昭和28年(1953)というから歴史は古い。神田にも姉妹店がある。縄のれんをくぐって店に入ると、カウンターとテーブル席があり、2階には座敷もあるようだ。何軒目かのハシゴの途中だったので、ほんの少しだけと、酒(純米樽酒「樽平」)と名物の玉こんにゃくを注文した。暖簾のかけられたカウンターの上には、仕込み終わった惣菜が積まれている。この銀座で90年近くの歴史があるというのも凄い。もちろん酒蔵の直営という後ろ盾があるからには違いないが、銀座にいることを感じさせない落ち着いた店が親しまれているのだろう。

酒は、酒造の銘柄である「樽平」と「住吉」の名が相合傘で書かれた徳利と、細身の猪口で運ばれた。濾過が控えめなのか、かなり色が濃く、中辛と書いてはあったが、自分にはけっこう辛口に感じる(「住吉」の方が辛口だそう)。つゆの味がしみ込んだ丸いこんにゃくが串に三つ刺さっており、辛子が添えてある。熱々でつるんとした食感のこんにゃくをかじり、燗酒を口に含むと、しみじみと旨い。他にも色々な酒肴が揃っていて、もう1本注文しそうになったが、呑み過ぎなのでこの日はこれだけ。次は芋煮で一杯やりたいな。(勘定は¥1,200程)

※2017年春に閉店したようです

 

 ↓ 有楽町から新橋のあいだ辺り(だったと思う)のJRガード下の街灯。機能のみ重視の今と違って、昔はこういう所もデザインに凝っていてかっこいいなァ。現役で点灯してるのかな。

 

酒場 樽平

東京都中央区銀座8-7-9

 

( 銀座 新橋 銀座樽平 たるへい 樽平酒造株式会社 山形県 山形料理 芋煮 玉こんにゃく ) 

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孝和堂本店 @名古屋市中村区・中村公園前

2015年07月05日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

名古屋市の中村公園前にある「中村の大鳥居」。鉄筋コンクリート製で昭和4年(1929)建造だとか。豊国神社の参道にあるから、神社の物かと思いきや、この地が名古屋市に編入された記念に建てられたそう。今でも目立つが、周囲の建物が低いその時代にはものすごいインパクトがあった事だろう。その大鳥居の根本に店を構えるのは、創業昭和14年(1939)の和菓子屋「孝和堂」。昭和初期は別の地で駄菓子屋だったそう。現在は交差点に位置する大きなビルで、1階部分が店舗になっている。この日は休日の昼前だったが、店には入れ替わり立ち替わり客が入ってきて、勘定待ちが出るほどの大盛況。とても人気があるようだ。何しろ大鳥居の下だし、交差点に面しているからとても目立つし、入り易い。

メインはおはぎや饅頭のようだったが、持ち歩く事が出来なかったので、「鳥まん」という変わった饅頭をひとついただいた。饅頭はサクっとした皮に包まれており、鳥の形をした焼き印がある。餡は白餡。あとから店のHPで確かめてみると、白餡に黄身と胡桃が加えてあるとのこと。皮にはシナモンの風味がある。正直言うと、自分は小さいころからニッキとかシナモンが得意ではない。知らずにこの饅頭を口に入れた時も「しまった!」と思ったが、食べてみるとなかなかの味。やさしい餡の味と、皮の食感がいい。歳をとってからだんだん味覚が変わってきたかな(昔は餡子だって好きじゃなかったもんなァ)。(勘定は¥170/個)

 ↓ 「中村の大鳥居」。右下に見える大きな建物が「孝和堂」。

 

孝和堂本店

愛知県名古屋市中村区鳥居通5-32

( 中村 中村公園前 大鳥居 豊国神社 孝和堂 こうわどう こうわどうほんてん )

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赤のれん @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2015年07月04日 | 岐阜県(岐阜)

往時に岐阜県の岐阜市と美濃市を結んだ名鉄美濃町線(廃線)に乗った事がある人なら一度ならず見かけた事があるだろう、旧・琴塚駅前の「赤のれん」。昔からずっと変わらずある店だ。路面電車が走っていた頃の形跡はだんだんと消滅していっているが、この店の佇まいは全然変わらない。昔と違って電車の客は無いし、目の前の道路もバイパスが出来たお陰で、以前と比べて交通量が少なくなっていると思うが、店は健在。若かりし頃は自分には関係のない店だと思っていたが、ずっと気になってはいた。相応の年齢になったので(笑)、近くに行った際に寄ってみた。店は長細いカウンターのみ。大鍋にはラーメン用のスープをとっているのだろう、野菜などがたっぷり入って火にかけられている。主人と給仕の女性の2人で切り盛り。メニューはシンプルに、ラーメン3種、餃子、おでん、串かつ、どて。この後に食事の予定があったので、ラーメンは断念して、ビールと、どて(どて煮)を注文する。

実直そうな主人からコップと、キリンの中瓶を渡され、まず一杯。すぐに皿に盛られたどてが置かれた。八丁味噌でしっかり色濃く煮込まれたどては王道の古い東海地方仕様(よりも濃いかも…)。千切りのキャベツが添えられている。単一のモツではなく、色々な部位が入っているので食感も楽しめるし、味付けも旨い。ビールでも日本酒でもいける味。主人が他の客の注文した中華そば(ラーメン)を作る所作を眺めながら、ゆっくりとつまむ。「昔ながらの」と形容されるだろうタイプの中華そばで、丁寧に湯切りされ、これも旨そうだ。どてと同様に濃い味噌ダレに漬かったおでんもそそるが、残念ながらここでタイム・アップ。次は近いうちに中華そばとおでん目当てで来ようっと。 (勘定は¥850)

(※残念ながら2015年夏をもって閉店されました)

※経営者の変わった新しい店の記事はこちら

赤のれん

岐阜県岐阜市琴塚1

 ( 岐阜 琴塚 あかのれん どて どて焼 中華そば ラーメン 美濃町線 路面電車 )

コメント (2)
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The Legend / Johnny Cash

2015年07月03日 | カントリー

The Legend / Johnny Cash (2005)

今までにベストやら何やら何枚も買っているジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の編集盤。これは2005年に発売された4枚組のボックス・セットで、現在ではブック付き、DVD付きなどの改訂版が発売されている。あまり興味は無いが、グラミー賞の「Best Boxed Or Special Limited Edition Packeage」なんていう賞も獲得しているのだとか。4枚はテーマ毎に分けられていて、

Disc 1 - Win, Place and Show: The Hits
Disc 2 - Old Favorites and New
Disc 3 - The Great American Songbook
Disc 4 - Family and Friends

となっている。1、2枚目で過去から現在のヒット曲、重要曲、3枚目では米国の歴史に残る曲のカヴァー、4枚目はファミリーや他のアーティストとのコラボを収録している。目新しい企画ではないが、つい入札してしまっていた。特に変わった音源は無さそうだが(しっかり調べてもいないけれど)、4枚目などはまとまっていて便利。奥方のジューン・カーター(June Carter Cash)や、子供達とのコラボ作品はもちろん、ボブ・ディラン(Bob Dylan)(→何度聴いてもスットコドッコイな出来・笑)、ウェイロン・ジェニングス(Waylon Jennings)、エルビス・コステロ(Elvis Costello)、レイ・チャールズ(Ray Charles)、U2など、錚々たるメンバーとの作品群が収録されている。米国に生まれ育った人には3枚目なんかはグッとくるのかもしれないが、残念ながら自分は知っている曲も少ないので厳しい。ただ、歌詞の辛辣さや風刺性は別として、垂れ流しで彼の低音の効いた歌声とシンプルな演奏を聴いているのはとても心地良いものがある。カントリーって昔は全然ピンとこなかったけどなァ。カントリーという保守的な音楽ジャンルのメイン・ストリームに居ながら、異端として君臨し続けたキャッシュ。お勧めは一連の60年代後半の刑務所慰問ライヴ作品と、晩年のアメリカン・レコーディングスから発売された作品群です。

オークションにて購入(¥1,800)

  • CD (2010/12/21)
  • Disc: 4
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label: Sony Legacy
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赤津加 @東京・秋葉原

2015年07月02日 | 東京都(老舗)

世界に名だたる電脳都市・秋葉原。もちろん現在はオタク文化を象徴する街であり、多人数女子アイドルグループの本拠地でもある(そっち方面全く興味無し)。街を歩いていても、メイド服姿や袴姿の女性がビラ配りをしていて、リュックを背負った若い男性がとても多く、近年は主に大陸からの外国人の数も多いようにみえる。そんなガチャガチャした街にも老舗の名酒場が残っている。それが今回訪れた創業昭和29年(1954)の「赤津加(あかつか)」。前から来たいと思っていたが、なかなか時間が取れず、今回もあまり時間に余裕は無かったが、足をのばしてみた。

少し外れた所にでもあるのかと思ったら、まるっきり電気街のど真ん中。周りはビラ配りのコスプレ女性や若者ばかり。その中に場違いなほど落ち着いた雰囲気の黒塀の店があった。暖簾をくぐると那智石を敷きつめた土間にコの字カウンターがあり、周囲にテーブル席。右側が厨房になっている。まだ口開けの時間とあって先客はまばら。厨房側のカウンターに腰を下ろし、菊正宗を燗してもらう。給仕の女性は木の升を使って計量し、徳利を銅壺に沈める。1杯目は白磁の徳利から猪口に注いでくれた。旨いなァ。普段どこででも呑める菊正宗なのに、なんでこんなに旨いんだろう。お通しは大好物のホタルイカ。これで相当呑めてしまう旨さ。周りの喧騒を忘れる落ち着いた空間で、液晶テレビは不似合いな感じだが、ひとりでゆっくり呑む時には意外に良かったりすることもある。土間が若干斜めに傾いた席で、音が出ていたかどうかも忘れてしまうくらいボケっと眺めながら呑んでいた。

次々と客が現れ、席が埋まって行く。自分のようなひとり客も多いが、3~4人のグループ客も多い。予約の電話もうるさいくらいひっきりなし。今はこういう古い居酒屋でも、入れないのを用心してか、みんな予約するんだなァ。この近くだったら色々選択肢があるから、来てダメだったら他所に行きゃいいのに、なんて思いながらお酒と塩辛を追加。口当たりが柔らかくとてもいい塩梅で、旨い塩辛だった(イカばっかり…)。わざわざココに来たい気持ちも分かるかな(笑)。腹は減っていないのでもうこのくらいにしておこう。落ち着いて呑めるいい酒場だった。また来たい。勘定をしてもらって外に出ると、また電脳都市に逆戻り。(勘定は¥2,000程)

 ↓ 風格ある屋根上の「菊正宗」の木製看板。大勢のコスプレ女性がビラ配りをする賑やかな電気街・秋葉原でこの店だけ異空間。

 

 ↓ 秋葉原から「万世橋」を挟んですぐの神田方面。神田司町にある東京で最も古い居酒屋のひとつ「みますや」(創業明治38年・1905・写真下右)。たまには昼間の写真も。

 

 ↓ こちらは多町にある「サカエヤミルクホール」(創業昭和20年・1945)(未訪)。前と店内の雰囲気が違うようだけれど改装した? どちらも基は耐火目的だという銅板の壁が圧倒的。

 

 

大衆割烹 赤津加

東京都千代田区外神田1-10-2

( 秋葉原 外神田 大衆割烹 あかつか 菊正宗 みますや 栄屋ミルクホール )

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