このところ、朝起きる時間と夜明けの時間がちょうど重なっている。美しい夜明けを見ようと起きてしまい、それきり目が覚める。
そんなわけで、ここひと月ほど、朝、出勤前に10分ほどフラットコーテッドレトリーバーのナイトを散歩させている。ナイトは寝ぼすけで、朝私が起こしにいかなくては、自分からクレートからは出てこない。ちなみに、このクレートは居間に置いてあって、扉は開けてある。
声をかけて、ナイトを起こすだけ起こしておいてから、私が身支度をして、朝食を済ませてから散歩に出かける。
それでも、歩きはじめてしばらくの間は寝ぼけているように見える。
この間、近所の方に「最近は朝、お散歩しているんですね。 大変ですね。 」と言われた。
「?」
一瞬何のことを言われているのかわからなかった。どうやら犬の散歩が私の負担となっているのだろうと、同情してくれたらしい。
犬の散歩は私の日常生活の中でも、食事、風呂、睡眠、家族との団らんと並び、五本の指に入る楽しみなので、そう言われて少々困った。
せっかく話しかけてくれたのを無視するわけにもいかないので、「ええ、でも今しか一緒にいてやる時間がないので」と答えたら、なんだか変な顔をして黙ってしまった。
会釈をしてそこで別れた。
人間、ものは考えようで、せっかく好きで飼い始めたペットでも、負担に思ってしまったらそれでおしまいだ。
その方も動物を飼っているし、よく世話をしているので、さほど深い意味があってのことではないのだろう。それでも、そういうもの言いばかりでは、人生をつまらなくしてしまうと、私は思う。
それに、このようにネガティブな言い方をしていると、楽しくないので誰も口をきいてくれなくなる。
人が近づいてこないのは、さらにつまらない。