昨日、病院から帰ってからというもの、一時間おきにテレビの台風情報をみていた。そこにはこの細長い国土を縦断する台風の進路が映っていた。不安のうちとはいえ、日付の変わる前には寝床に入り、轟々という暴風の音を聞きながら寝入った。
起きてみれば、台風一過、今朝の鎌倉は穏やかな南風が吹いていた。家の周りを一通り見た。先週の台風(18号)では屋根の一部が破損したが、今回はそのようなことも無いようだ。
日本という国ほど自然災害の多いところがほかにあるのだろうか。国土の面積は世界で60位とのことで、狭いとはいえないが、単位面積あたりの風水害地震など、バラエティーに富み、その頻度はずば抜けて高そうだ。
そういうところで私たち日本人はよく頑張っていると思う。狭くないといっても平地は少なく、地下資源もない。この先、海洋資源をめぐる争いが起こるかもしれないが、あまりにも深くて、いつになったら使えるようになるのかわからない。考えてみれば貧しい国土で、身を寄せ合って生きているのが私たち日本人である。
だからこそ、日本人の勤勉で真面目な国民性が培われたのだろう。譲り合いの気持ちがあるし、おしなべておだやかで優しい。
ここ数十年、暴動もない。
自然災害の度に悲しいことが起こるが、この日本では誰もがその危険に直面しながら暮らしている。台風にしても、地震にしても、私たち日本人は自然災害が死に結びつくものであるということを、体の奥深くで理解している。方丈記の精神世界だ。
そうすると、一切合切が神様の配剤と思い、みんな仲良く暮らしていくことが大切なこととなる。