また、クリックしてしまった。
論文の査読依頼のメールが来るといつもドキッとする。
頭の中では、「自分の論文を書くことすら覚束ないのに、なんで人の論文が世に出る手伝いをしなくちゃいけないの?そもそも完全ボランティアだし」という、ケチな叫びがこだまする。
さらには、「英語で査読レポートを書くのにどれだけ苦労するか、わかっているのだから無理しちゃいけない」
と、いくつものブレーキを踏む声が聞こえてくるのだが、無視するわけにもいかない。
チラッと、エディターの名前を見ると、知り合いだったりする。
「あの人のご指名・・・」まあ、著者による指定の場合もあるが、いずれにせよエディターは私に依頼を受けさせようと思っている。
半分あきらめてアブストラクトを読むと、まあまあいけそうな気がする。
そこで、受諾のクリック。メールから出版社のページに飛ぶ。そして、もう一度クリックして論文をダウンロード。
ああ、また、クリックしてしまった。これで、査読論文2本を抱えていることになる。いずれも英語の雑誌。
泣けてくるが、引き受けてしまった以上、後にはひけない。