今朝、テレビでは気象予報士が梅雨明けを思わせるコメントを出していたが、実に昼には関東甲信越の梅雨明けが宣言された。やっと雨の季節が終わるが、すっかり忘れていた夏の暑さがさっそくやってきた。日本の夏は暑い。そして、ワクチン接種が間に合わないまま東京オリンピックに突入する。2年延期にしなかったのが悔やまれる。せめて、10月ごろのいい季節にしたらよかったのに。結局のところ一体誰のためのオリンピック・パラリンピックなのか。
このところ読まなくなってしまったが、芥川賞。おととい発表になっていたがかつては年に2冊買って文藝春秋の売り上げ増に協力していた。たしかに上手な人というのはいて、(花火か火花かいまだにわかっていない)又吉作品のラストシーンとか、綿矢りさの”蹴りたい背中”というタイトル、なんていうのは記憶に残っている。だが、それら多くの作品のうちどれが心に残っているかというとそれは数える程だ。では、”心に残る”とはどんなことだろう、これまた定義することが難しい概念だ。
読み手はそれぞれの文章を目的に応じて読む。したがって、料理のレシピ本を買ったつもりが、料理家のペットの話ばかりでは役に立たない。娯楽小説のつもりが説教じみたことばかり書かれていては興ざめだし、哲学書のはずがおかしな自己啓発本であっては迷惑になる。そうすると、読み手がその文章を読む目的、というのが最終的に文章の質量を決めることとなるのではないだろうか。これではそれぞれの文章について絶対的な質量を与えることはできないが、それはそれぞれの星で重力が異なるのと同じで、個々人の心の持つ重力が異なるということだ。
文章の質量をはかるために必要な要素として挙げた、
字数、テーマ、文体、語のレベル
に、読者の読む目的を加えることで数式ができるのではないか。
それぞれを、質量(Mass of the document)、文字数(Number of characters)、テーマ(Theme of the document)、文体(Style)、語のレベル(Term level)および目的(Purpose of reading)として数式化してみるとこうなる、
M=F(N,T,S,L,P)
さあ、このカッコの中だがどう組み合わせたらいいだろう。なにせ、実証することができないことなので、導き出すことは容易ではない。大事なのは、右辺の各要素は書き手が決めることができるということ。すなわち書き手は、読み手の目的に応じたテーマを、わかりやすく、それに応じた文体で、適当な長さで書く。ということだ。なんだか、ブログの書き方指南のようになってしまったが、それとはちょっと”目的”が違うので、あとちょっと考えてみたい。
少し間を空けてから