きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

政権交代へ ミャンマー② 国民和解へ努力

2015-11-20 17:40:22 | 国際政治
政権交代へ ミャンマー② 国民和解へ努力

国民民主連盟(NLD)が掲げた公約の一つに「国民和解」があります。NLD政権樹立の見通しが確実となり、来年3月までに新大統領がNLDから選出される見通しとなった今、2008年制定憲法の非民主的条項の改定問題、現在の与党・連邦団結発展党(USDP)や軍などとの関係について、どのような態度を取るのかが注目されています。


ウ・ウィン・テイン氏

軍と交渉重要
アウン・サン・スー・チーNLD党首の秘書を務めるウ・ウィン・テイン中央委員会執行委員は、憲法改定問題でもっとも困難なのは「436条問題」だと言います。同条項は、憲法改定のためには連邦議会の75%を超える賛成を必要とするとしています。現在、議会には25%の軍人枠があり、軍人枠議員の賛成者がいなければ75%を超える賛成を得ることは不可能となっています。
テイン氏は「重要なのは軍との交渉と説得だ。以前は議会で少数派だったため交渉自体が困難だったが、いまは多数派で条件がまったく違う」と語り、憲法改定への自信をみせました。
NLDは与党や軍との対立を極力回避する方針です。スー・チー氏は投票日直後の暫定結果が示された際の演説で、「当選者は落選者に対して傲慢(ごうまん)にふるまうことを避けなければならない。真の勝利は一個人や一組織のものではなく、国全体のものだ」と強調し、軍も含めた新たな国づくりを進める考えを示しました。



「変革」を願い投票所前で列に並ぶ人々=8日、ヤンゴン

全民族平等に
公約の二つ目の柱は「少数民族との和平」の問題です。テイン・セイン政権は10月に一部の少数民族グループと停戦にこぎつけ、この間題での進展をアピールしました。
国内では「全グループとの停戦実現への重要な一歩」との評価がある一方、「選挙目当て」「海外向けのショー」など政府の和平への真意を疑う声もあります。
実際に少数民族問題は、独立当時から主要民族ビルマ人との間で懸案となっていました。NLDはこの問題を最重要視し、「2015年選挙マニフェスト」の最初に「少数民族間題と国内平和」を掲げました。
ここでは、「すべての民族との連帯に基づいた平和と繁栄の連邦国家に向けて努力する」「真の連邦国家の精神に基づいて内戦の根源に対処し、安全と安寧の下で人々が生活できるよう政治的対話を保持する」などが記され、すべての民族が平等となる民主的な連邦国家の構想が示されています。
少数民族間題専門家でインターネット・メディア「モマカ」編集担当のネイン・チャン・イェ氏(35)は、「ビルマ族優位の立場をとる軍人たちとは異なり、NLDの少数民族への対応はより民主的で高いビジョンを持っている」と期待を寄せます。
(ヤンゴン=松本眞志 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年11月19日付掲載


国会議員に25%の軍人枠がある事自体が、民主主義とはいい難いものですが…。
その軍人枠の議員の賛同も得るような政策。その一つは少数民族との和解です。
コメント
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