どうみる改悪派遣法 座談会② 院内外で政府追い詰めた
全労連事務局長 井上 久さん
日本共産党副委員長(参院議員) 小池 晃さん
弁護士 鷲見(すみ) 賢一郎さん
―労働者派遣法改悪に反対するたたかいは3国会に及びました。法律は成立しましたが、成立が危ぶまれるほどぎりぎりまで追い詰めた大闘争でした。
井上 まず3国会のたたかいを通じて世論が大きく変わりましたね。最初、マスコミの評価も「いいところもあるよね」という見方がかなりありました。そういう状況から「これは雇用を不安定にする」という声が広がって、批判的な論説が出るようになりました。賃金の底上げ、雇用の安定が日本経済の課題になっているとき、逆行ではないかという主張がはっきり出てきました。
世論つくった労組の共同、法律家との連携
―運動が世論をつくったんですね。
井上 はい。労働組合間の共同はかつてなくすすみました。「雇用共同アクション」ですけれども、全労連、全労協、純中立など、一部連合加盟組合も含めて広範な共同ができた。初めて同じ項目の署名用紙を使いましたし、団体の連名で国への申し入れ書を出すことができたのは象徴的でした。質的な発展だったと思います。それから日本弁護士連合会など法曹関係者を軸により広範な共同した市民集会などが開かれたのも変化です。
最終盤に派遣労働者が声を上げ、労働組合を結成する動きがおこりました。改悪派遣法にたいして派遣労働者といっしょにたたかっていく重要な足がかりができました。
鷲見 自由法曹団、全労連などで7月に、派遣労働者の声を国会に届けようと「派遣労働110番」をやったんです。びっくりしたのは改悪の内容をよく知っていて心配していたことです。「派遣期間が上限3年になったらクビを切られるんじゃないか」という不安の声がたいへん強かった。「自分も何か活動をしたい」という人もいました。
私は街頭宣伝にも何度か出ましたが、話を熱心に聞いてくれる。チラシの受け取りもだんだんよくなり、関心が強まっていることを感じました。
小池 たたかいの初期に、日本弁護士連合会が国会内で何度も集会を開き、野党各党の代表があいさつする機会をつくるなど法曹界にも大きな役割を果たしていただきました。
論戦でも法律家のみなさんと連携をとりました。最終盤に鷲見さんから提起を受けて私が質問したら、法律の付則をめぐって政府がとんでもない解釈を出して、委員会が散会になったことがあります。厚労省は審議がとまって青ざめていましたよ。今国会で法律が通るのか危うい状況になり・ましたからね。

「派遣法案を廃案にしよう」とアピールするデモ行進=7月2日、京都市
法案ボロボロ 審議中断くり返す
―国会論戦では、こんな法案を通していいのかというほど、法案のひどさを浮き彫りにしましたね。
小池 政府の答弁は最初からひどいものでした。まともに答弁できずに審議が止まる、その繰り返しなんですから。
井上 派遣法は戦争法案以上といってもいいほどポロポロですよね。だから政府の答弁は本当に壊れたテープレコーダーのように、一番最初の趣旨説明の内容を繰り返しているだけでした。最後の安倍首相なんて、間違った紙を読んでいましたよね、棒読みで。(一同笑い)
小池 壊れたテープレコーダーそのものですよ。その答弁を聞いて、最初は賛成しようとしていた一部の野党も、最後はみんな反対した。それは大きかったんじゃないですか。論戦を聞いていたら賛成できないですよ。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年11月26日付掲載
日本弁護士会などが仲介役となって、派遣法改悪反対で野党共闘が進んだんですね。
全労連事務局長 井上 久さん
日本共産党副委員長(参院議員) 小池 晃さん
弁護士 鷲見(すみ) 賢一郎さん
―労働者派遣法改悪に反対するたたかいは3国会に及びました。法律は成立しましたが、成立が危ぶまれるほどぎりぎりまで追い詰めた大闘争でした。
井上 まず3国会のたたかいを通じて世論が大きく変わりましたね。最初、マスコミの評価も「いいところもあるよね」という見方がかなりありました。そういう状況から「これは雇用を不安定にする」という声が広がって、批判的な論説が出るようになりました。賃金の底上げ、雇用の安定が日本経済の課題になっているとき、逆行ではないかという主張がはっきり出てきました。
世論つくった労組の共同、法律家との連携
―運動が世論をつくったんですね。
井上 はい。労働組合間の共同はかつてなくすすみました。「雇用共同アクション」ですけれども、全労連、全労協、純中立など、一部連合加盟組合も含めて広範な共同ができた。初めて同じ項目の署名用紙を使いましたし、団体の連名で国への申し入れ書を出すことができたのは象徴的でした。質的な発展だったと思います。それから日本弁護士連合会など法曹関係者を軸により広範な共同した市民集会などが開かれたのも変化です。
最終盤に派遣労働者が声を上げ、労働組合を結成する動きがおこりました。改悪派遣法にたいして派遣労働者といっしょにたたかっていく重要な足がかりができました。
鷲見 自由法曹団、全労連などで7月に、派遣労働者の声を国会に届けようと「派遣労働110番」をやったんです。びっくりしたのは改悪の内容をよく知っていて心配していたことです。「派遣期間が上限3年になったらクビを切られるんじゃないか」という不安の声がたいへん強かった。「自分も何か活動をしたい」という人もいました。
私は街頭宣伝にも何度か出ましたが、話を熱心に聞いてくれる。チラシの受け取りもだんだんよくなり、関心が強まっていることを感じました。
小池 たたかいの初期に、日本弁護士連合会が国会内で何度も集会を開き、野党各党の代表があいさつする機会をつくるなど法曹界にも大きな役割を果たしていただきました。
論戦でも法律家のみなさんと連携をとりました。最終盤に鷲見さんから提起を受けて私が質問したら、法律の付則をめぐって政府がとんでもない解釈を出して、委員会が散会になったことがあります。厚労省は審議がとまって青ざめていましたよ。今国会で法律が通るのか危うい状況になり・ましたからね。

「派遣法案を廃案にしよう」とアピールするデモ行進=7月2日、京都市
法案ボロボロ 審議中断くり返す
―国会論戦では、こんな法案を通していいのかというほど、法案のひどさを浮き彫りにしましたね。
小池 政府の答弁は最初からひどいものでした。まともに答弁できずに審議が止まる、その繰り返しなんですから。
井上 派遣法は戦争法案以上といってもいいほどポロポロですよね。だから政府の答弁は本当に壊れたテープレコーダーのように、一番最初の趣旨説明の内容を繰り返しているだけでした。最後の安倍首相なんて、間違った紙を読んでいましたよね、棒読みで。(一同笑い)
小池 壊れたテープレコーダーそのものですよ。その答弁を聞いて、最初は賛成しようとしていた一部の野党も、最後はみんな反対した。それは大きかったんじゃないですか。論戦を聞いていたら賛成できないですよ。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年11月26日付掲載
日本弁護士会などが仲介役となって、派遣法改悪反対で野党共闘が進んだんですね。