きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている① 偽りの名誉 もうごめん

2017-01-05 22:24:40 | 平和・憲法・歴史問題について
憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている① 偽りの名誉 もうごめん

今年は日太国憲法が施行されてから70年を迎えます。安倍政権は、戦争法による憲法破壊の道に乗り出し、明文改憲も狙っています。憲法に基づく政治という立憲主義が重大な危機にさらされています。歴史的岐路に立つ日本国憲法の生命力と先駆性について考えます。第1部は、日本国憲法前文と第9条の生命力を考えます。

自衛隊派兵の地 首相に怒り 青森
行動する若者に希望


「息子も、そのうち南スーダンさ連れて行かれるのか。助けてけろよ」
雪が舞い、風が吹きすさぶ津軽海峡を臨む青森県の港町。自衛隊員の息子を案じる母親の叫びです。



正太郎さん(後列右から2人目)が二度目の出征前に撮影した家族写真。前列の妻に抱かれているのが生後1カ月の佐藤さん

「自民党の議員もこれくらい言え
南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されている第11次隊は、青森に司令部を置く陸上自衛隊第9師団が主力です。泥沼の内戦状態のなか、派兵されています。
陸上自衛隊青森駐屯地(青森市)。若い隊員が周囲を警戒する門前で、白髪まじりのタクシー運転手が顔をしかめました。
「今度は、鉄砲撃たされるかもしれねえんだべ。そこまでやらせるのか。南スーダンさごっそり連れて行かれて、タクシーさ乗る隊員もいなくなってしまったよ」
青森市から新幹線で十数分。津軽半島北端の今別町では、自衛官の60代の父親がまくし立てるように言いました。
「自衛官も国民も一緒にデモする気迫を見せねばねえ。何の義理があって、危険な国さ自衛隊を送るんだ。安倍総理は派遣をやめろ。国会議員なれば、自民党の者もこれくらい言ってみろ」
県南東部の八戸市でも、自衛隊に定年間近の息子がいる父親(86)が、「安倍首相が望む憲法改定は戦争に加担する道に思える」と警戒します。「息子は、戦争している国さ送られて反撃しなければ死に損だから憲法を変えた方が良いと考えている。私は言って聞かせるんだ。憲法9条があるから、日本の平和が守られてきたんだって」
70年間、一人の戦死者も出さず、一人の外国人も殺さなかった自衛隊。その歩みが危険にさらされています。



内戦の続く南スーダンに派遣された隊員が所属する青森駐屯地

つづいた平和をつづけるために
「集団的自衛権の名のもと、おぞましい戦争への道を開こうと言うのでしょうか」
下北半島北端のむつ市に暮らす佐藤ミドリさん(73)は、自宅近くの港を眺めながら唇をかみしめます。戦争法のもとでの自衛隊の海外派兵が、過去の侵略戦争と二重写しになっています。
「貧しい漁師だった」という父親・正太郎さんは陸軍軍人として日中戦争に出征。無事に帰国しますが、再び召集され、31歳のときにパプアニューギニア東部のブーゲンビル島で餓死しました。
正太郎さんが、中国の戦地でつづった「従軍日記」の一節です。
―華やかに仮装せられた名誉に束縛され、犠牲を甘受し、盲従しなければならない―
「“仮装の名誉”とは、安倍首相らが偽りの言葉で、戦死者を靖国の『神』と祭りあげることそのものです。父は、国のために死ぬのが名誉なんて言うのは偽りだとわかっていたのです」
佐藤さんは2015年7月、シールズの国会前行動に駆けつけました。「衝撃でした。100年も、200年も憲法を守り、戦争のない平和な世界をつくろうと行動する若者たちがいるんですよ」
70年続いた平和をこの先100年も続ける―。憲法9条はその希望の鎖をつなぎます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年1月4日付掲載


太平洋戦争に派兵された父親は、死ぬのは名誉ではないと分かっていた。
70歳を超す自分がシールズの国会前行動に参加。孫の世代が、いまの憲法をこの先100年も200年も守り続けると発言。
父の世代から3世代を超えての歩み…