2017年度予算案の焦点⑦ 文教 加配教員を基礎定数化
文教関係予算は4兆428億円(16年度比0・2%減)、科学技術予算などを加えると5兆3097億円(同0・2%減)です。
批判を受けて改善を認める
義務教育の教職員について、毎年度予算で措置してきた「加配定数」(約6・4万人)の約3割を今後10年間で法律上の根拠を持つ「基礎定数」にします。
17年度は発達障害のある子どもなどへの「通級指導」や外国人の子どもへの指導などが基礎定数に組み込まれ473人増です。財務省は教員削減を主張してきましたが、日本共産党をはじめ関係者の批判を受けて基礎定数改善を認めざるを得なくなったものです。
また加配定数については、いじめなどに対応して395人増え、基礎定数と合わせて教職員定数は868人増です。ただし、少子化や学校統廃合に伴う自然減があり、全体として3282人減です。
今回の基礎定数化にとどまらず、棚上げとなっている少人数学級(現在、小学1年生のみ)の拡大をはじめ教員定数の抜本改善が求められています。
「ゆきとどいた教育を求める全国署名」の集約集会で署名数を報告する高校生ら=昨年12月9日、東京都内
17年度の教員定数改善計画
返済が不要の奨学金を導入
大学生らに返済不要の給付型奨学金が導入されます。学生や保護者、教員らの運動の成果ですが、対象が非課税世帯(1学年約2万人)と極めて狭く、17年度の先行実施もわずか2800人です。
無利子奨学金は51万9千人(4万4千人増)に貸与。資格があるのに予算枠が足りず借りられなかった残存適格者を解消します。日本共産党が強く求めてきたものです。
所得に応じて返還額を決める所得連動返還型奨学金を導入。ただし、所得ゼロでも月2千円の返済を迫られる問題を抱えています。
非課税世帯の高校奨学給付金は、第1子の年額5・95万円(国公立)を7・58万円に増額。日本共産党が求めていたものです。私立小中学校に通う年収400万円未満の世帯(約1・1万人)に年額10万円を支給する制度を新設します。
20年度からの大学入試制度変更や高校生の基礎学力テスト導入に向けた試行テストに57億円を計上。過度な競争に拍車がかかると懸念されています。
18年度から小学校で教科化する「道徳」の教科書の無償配布に向け20億円を計上しました。国家が愛国心など特定の価値観を押し付ける危険性を抱えています。
国立大学運営費交付金は1兆970億円(25億円増)ですが、交付金の1%(約100億円)を国の方針に沿う大学に再配分するため、研究費や人件費に使える基幹経費は16年度比24億円減。再配分で86大学中45大学が減額となっています。
私立大学等経常費補助は、16年度と同額の3153億円。このうち教職員数や学生数に応じて支援する一般補助は約13億円減の2689億円となっています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年1月25日付掲載
行き届いた教育ができるように教員の「加配」がされているところが「基礎定数」になるってことは良い事ですね。
全学年での少人数学級の実現にむけて、さらに充実してほしいものです。
文教関係予算は4兆428億円(16年度比0・2%減)、科学技術予算などを加えると5兆3097億円(同0・2%減)です。
批判を受けて改善を認める
義務教育の教職員について、毎年度予算で措置してきた「加配定数」(約6・4万人)の約3割を今後10年間で法律上の根拠を持つ「基礎定数」にします。
17年度は発達障害のある子どもなどへの「通級指導」や外国人の子どもへの指導などが基礎定数に組み込まれ473人増です。財務省は教員削減を主張してきましたが、日本共産党をはじめ関係者の批判を受けて基礎定数改善を認めざるを得なくなったものです。
また加配定数については、いじめなどに対応して395人増え、基礎定数と合わせて教職員定数は868人増です。ただし、少子化や学校統廃合に伴う自然減があり、全体として3282人減です。
今回の基礎定数化にとどまらず、棚上げとなっている少人数学級(現在、小学1年生のみ)の拡大をはじめ教員定数の抜本改善が求められています。
「ゆきとどいた教育を求める全国署名」の集約集会で署名数を報告する高校生ら=昨年12月9日、東京都内
17年度の教員定数改善計画
基礎定数(義務標準法を改正) 17年度分(人) | 加配定数 | |||
通級指導 | 1:13の割合 | +452 | 児童生徒支援 | +150 |
外国人児童支援 | 1:18の割合 | +47 | 研修等定数 | +10 |
初任者研修体制 | 1:6の割合 | +75 | 養護教諭、栄養教諭等 | +20 |
指導方法工夫改善 | 約4.1万人のうち約9500人を基礎定数化 | -101(少子化に伴う自然減) | 事務職員 | +50 |
指導方法工夫改善 | +165 | |||
合計 | +473 | +395 |
返済が不要の奨学金を導入
大学生らに返済不要の給付型奨学金が導入されます。学生や保護者、教員らの運動の成果ですが、対象が非課税世帯(1学年約2万人)と極めて狭く、17年度の先行実施もわずか2800人です。
無利子奨学金は51万9千人(4万4千人増)に貸与。資格があるのに予算枠が足りず借りられなかった残存適格者を解消します。日本共産党が強く求めてきたものです。
所得に応じて返還額を決める所得連動返還型奨学金を導入。ただし、所得ゼロでも月2千円の返済を迫られる問題を抱えています。
非課税世帯の高校奨学給付金は、第1子の年額5・95万円(国公立)を7・58万円に増額。日本共産党が求めていたものです。私立小中学校に通う年収400万円未満の世帯(約1・1万人)に年額10万円を支給する制度を新設します。
20年度からの大学入試制度変更や高校生の基礎学力テスト導入に向けた試行テストに57億円を計上。過度な競争に拍車がかかると懸念されています。
18年度から小学校で教科化する「道徳」の教科書の無償配布に向け20億円を計上しました。国家が愛国心など特定の価値観を押し付ける危険性を抱えています。
国立大学運営費交付金は1兆970億円(25億円増)ですが、交付金の1%(約100億円)を国の方針に沿う大学に再配分するため、研究費や人件費に使える基幹経費は16年度比24億円減。再配分で86大学中45大学が減額となっています。
私立大学等経常費補助は、16年度と同額の3153億円。このうち教職員数や学生数に応じて支援する一般補助は約13億円減の2689億円となっています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年1月25日付掲載
行き届いた教育ができるように教員の「加配」がされているところが「基礎定数」になるってことは良い事ですね。
全学年での少人数学級の実現にむけて、さらに充実してほしいものです。