きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている⑥ 必要なのは非軍事支援

2017-01-11 15:30:26 | 平和・憲法・歴史問題について
憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている⑥ 必要なのは非軍事支援
紛争地域

言葉と交渉で物事は解決できるんだ―。
戦乱が続くアフガニスタンで活動する日本国際ボランティアセンター(JVC)の現地スタッフ、サビルラさんの実感です。
紛争地域で人道支援・平和構築活動に取り組むJVC。長谷部貴俊事務局長が優しい笑顔を見せました。
「彼は、内戦と戦争が続くなか、武器を持った者が勝ちなのだと考えていました。JVCの活動に参加し、住民組織や、米軍とも交渉を繰り返すなかで成果を獲得し、変わっていったのです」
自身も2005年から12年にかけて15回ほど現地入りした長谷部氏は、医療も教育も破壊された紛争地の現実を目の当たりにしました。「本当に必要とされるのは、ほとんどが非軍事の支援です。私たちがいなくなった後も、住民の力で復興を続けていける支援が大切です」と、医療、教育、農業技術などの支援を強調します。
「『対テロ戦争』の真剣な検証が必要です」。長谷部氏は厳しい表情で指摘します。



JVCの長谷部事務局長

テロの温床に
米国は、2001年の同時多発テロを契機に、アフガニスタン報復戦争を開始し、03年にはイラク侵略戦争に突入しました。アフガニスタンでは、米軍の誤爆で、結婚式の最中、JVCスタッフの親戚を含む47人の民間人が犠牲になる事件(08年)も起きました。
テロの根絶どころか、米国への憎しみはテロの温床となり、過激組織ISというモンスターのようなテロ集団が台頭して世界中にテロが拡散する事態となっています。
「暴力の連鎖を断ち切るには、非軍事の価値を世界に広げ、交渉による解決をめざすしかありません。紛争地での人道支援は命がけですが、粘り強くやるしかないのです」と長谷部氏は語ります。
安倍政権は、激しい内戦が続く南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣しました。長谷部氏は、NGO(非政府組織)職員らの救出を口実に、自衛隊に安保法制(戦争法)に基づく新任務「駆け付け警護」が付与されたことに反対します。
紛争地での人道支援活動は軍隊と一緒に行動しないという原則が国際NGOの共通認識です。軍隊と協力していると疑われ、攻撃対象にされるからです。
それどころか、アフガニスタンでは農業に関連する会社のイギリス人女性職員が武装勢力に誘拐された際、救出に行った米兵の投げた手りゅう弾の爆発で死亡する事件も起きています。

非暴力を貫け
長谷部氏は語ります。
「日本は憲法9条というバックボーンを生かし、和解への取り組みに積極的に参画することが求められます。非暴力を貫く紛争地の市民と力を合わせ、どんな世界をめざすのか一緒に考える。憲法9条は、世界が進むべき道標です」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年1月10日付掲載


「私たちがいなくなった後も、住民の力で復興を続けていける支援が大切」ですね。
軍事的に紛争勢勢力を一方的に叩き潰しては、住民が主体的に復興できないし、住民同士のしこりが残る。