きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている⑦ “平和的生存”世界と共鳴

2017-01-12 15:26:33 | 平和・憲法・歴史問題について
憲法施行70年 先駆性を考える 第1部 9条は生きている⑦ “平和的生存”世界と共鳴
前文と9条

昨年2016年は、平和への歴史的画期となるべき重要な変化が世界に広がりました。
10月27日、ニューヨークの国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)は、核兵器禁止条約締結を交渉する会議の招集の決議を、圧倒的賛成多数で採択しました。「核兵器のない世界」へ歴史の扉を開く画期的決定に、全世界が大きな感激に包まれました。今年、3月と6月に交渉会合が開催されます。
さらに12月19日、国連総会は「平和への権利の宣言」を採択しました。平和を「権利」として認める画期的な宣言です。日本国憲法前文の平和的生存権と共通する考え方が世界的流れとなっています。



核兵器関連の諸決議の採決を行う国連総会第1委員会=昨年10月27日、ニューヨーク(島田峰隆撮影)


笹本潤弁護士

安倍政権逆行
平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会の笹本潤弁護士は、宣言採択の意義について「国連憲章の武力行使禁止の原則への違反に対し、国家が訴えるだけでなく、平和に生きる権利が奪われていると、個人が国連、各国の政府や裁判所に訴えることができる第一歩です。宣言の採択は画期的」と述べます。
ところが日本政府=安倍政権は、「平和への権利」の採択にも、核兵器禁止条約交渉の開始にも反対したのです。同盟国アメリカの圧力に屈し、9条を持つ国、唯一の戦争被爆国としてあるまじき逆行です。
世界の流れは日本国憲法の平和理念の実現の方向に大きく動き始めています。発展途上国が世界政治での役割を拡大し、世界中の平和を求める市民運動が世界政治をゆり動かしているのです。
笹本氏は、核兵器禁止条約や平和への権利をめぐって国連加盟の3分の2を超える国が賛成していると指摘。「平和への権利では、アメリカ、ヨーロッパの諸国、韓国などが反対しています。これらはすべて軍事同盟を結んでいる国です。その中で日本は、平和的生存権を定めた前文と9条がある憲法を持つ国です。国際的な場での存在が問われます」と厳しく批判します。

被爆者の怒り
青森県八戸市在住の被爆者・野﨑改造さん(86)は、日本政府が核兵器禁止条約交渉の開始に反対したことに怒ります。野﨑さんは長崎県五島列島出身。三菱電機長崎製作所の養成工だった14歳のときに被爆しました。野﨑さんには自衛官の息子がいます。
「安倍首相の憲法改定は戦争に巻き込まれる方向に進むものです。なぜなら、被爆国として一番先に手をあげて核兵器廃絶を訴える立場なのに反対する。南スーダンで戦闘が起きているのに『衝突』とごまかして自衛隊を派遣する。本当に怒りを覚えます」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年1月11日付掲載


今年の国連で、「核兵器禁止条約締結を交渉する会議」が始まります。「平和への権利の宣言」も採択され、日本国憲法の「平和的生存」の理想が世界に広がろうとしています。