Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

機能しない守備組織(ナポリ対ミラン)

2014-02-13 21:06:32 | ワールドサッカー
本田圭佑の移籍以降、ミランの試合が毎試合見られるので、チームに生じた課題や起用方針などが連続したストーリーになってきます。あくまでオフの間の楽しみで、レッズ以上に注目することはないとしても、そういう思索はサッカーの楽しみ方の一つで、考えながら試合を見る面白さはやめられません。

前節、ホームでトリノと引き分けたミランの課題はボランチでした。モントリーボ(18番)とムンタリ(4番)のダブルボランチが前に掛かって戻らない課題が明白になった以上、ボランチには間違いなく手を入れてくると予想していました。それで本田が弾かれる可能性もあるとマスコミは予想していましたが、本田は胃腸炎でチームを離脱しベンチ入りメンバーからも外れました。

その結果、ミランのボランチは守備力のあるデヨング(34番)と移籍したばかりのエシアン(15番)のコンビになり、本田の欠場した右MFには本来SBのアバーテ(20番)が入り、カカ(22番)もインフルエンザでベンチスタートと苦しい布陣でした。

対するナポリはイタリア杯から中2日の強行日程でしたが、ほぼ同じメンバーが出場して欧州CL圏内を死守するための必勝態勢でした。ゲームプランもナポリの方が明確に出ました。Jリーグでも流行になった、4-4-1-1の後ろ2ラインをコンパクトに保って、奪ったところからショートカウンターで攻めるものです。

この攻撃が機能したナポリは、前半のスコアこそ1-1でしたが圧倒的にゲームを支配してシュート数でも大差をつけます。そのため、ミランはアバーテを右SBに下げ、右SBだったデ・シリオ(2番)を左SBに、左SBだったエマニュエルソン(28番)を右MFに上げる布陣変更を行います。カカも後半頭から途中出場させ、トップ下に置きました。

しかし、その効果は出ませんでした。1トップのバロテッリにボールが収まらず、中盤の選手間の距離が開いてパスがつながらず、守備を期待して起用したデヨングとエシアンもサイドに開きすぎてバイタルエリアを空けました。ナポリのミドルシュートに中盤が寄せておらず、「なぜフリーで打たせるんだ」とGKアッビアーティ(32番)が怒る場面は再三見られました。

その結果、ナポリFWイグアイン(9番)に2ゴールを決められたミランは1-3という、スコア以上の惨敗を喫します。出場停止などの明確な不在理由はないので、誰を起用すればチームが良くなるといった、明確な処方箋はなく、またチームをいじることは確実としても、どういう手で来るか、今度は予想できません。

ナポリではイグアインのスピードが面白い存在でした。ショートカウンターを狙うナポリではイグアインの武器が面白いように発揮でき、かといってイグアインを警戒してラインを下げるとセカンドストライカーのハムシク(17番)が強烈なシュートを放つと、ナポリのベニテス監督のいいところばかりが出ました。
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3バックが追い風(宇賀神友弥)

2014-02-13 18:01:41 | 浦和レッズ
毎度恒例オフネタは、昨年左アウトサイドに定着したユース育ちの努力家、宇賀神友弥選手を取り上げます。宇賀神は埼玉県戸田市出身の地元選手ですが、少年時代は本人によれば「戸田市で一番うまい程度」だったそうです。同じユース育ちの原口が少年時代から有名だったのとは違います。

事実、宇賀神はユースからトップに上がれず、流通経済大学のサッカー部に入る回り道をします。しかも、最初は三軍チームのクラブ・ドラゴンズに入るほどでした。4年になって、ようやく流通経済大学のトップチームに定着し、4-4-2の左MFの宇賀神は浦和のフィンケ監督の目に留まり浦和入りを果たします。

浦和に2010年に入団後は、即戦力の評価を勝ち取り左MFで試合に出ました。脚質は短い距離が速いタイプで、フィンケ監督が左SBにサヌ、左MFに宇賀神を置いて二段ロケットのようにサイド攻撃を機能させた湘南とのアウェイ戦は、当時の浦和のベストゲームでした。

しかし、続く2011年は試練の年になりました。攻撃サッカーを旗印にしたペトロ監督は宇賀神を左SBで起用しましたが、ホームの横浜FM戦でロングボールの処理を誤って頭上を越された失点で評価を下げます。宇賀神は早い時間で交代させられることが目立ち、ペトロ解任後の堀監督にも「DFではない」という評価になり、MFのベンチスタート要員でした。

左MFに原口が定着した以上、4バックが続いたらSBに不向きな宇賀神では厳しいと、嫌な予感もしていましたが、彼にとって追い風になったのは3バックのミシャの監督就任でした。左右両方のアウトサイドができて、攻撃を仕掛けてクロスで終われる能力はミシャは評価しており、消耗度の激しいアウトサイドの交代要員としてベンチからは外されない信頼を勝ち取ります。

昨季は肉体改造でフィジカルが強くなり、梅崎から左アウトサイドのポジションを奪うと浦和のリーグ最多得点の攻撃陣を支える脇役として機能しました。昨季の大量補強で原口と宇賀神は厳しい立場に立たされそうでしたが、二人とも見事に試練を乗り越えてくれて、ユース育ちが活躍してくれると嬉しいです。

今季も、ゲームレポートに宇賀神の名前が何度も登場するようになれば、浦和の攻撃は機能している証になるので、楽しみにしています。
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ノルディック複合銀メダル

2014-02-13 17:52:06 | 他スポーツ
昨日のトップニュースは、ノルディック複合個人戦ノーマルヒルの渡部暁斗選手の銀メダルでした。昔、荻原健司が活躍していた頃の複合は、ジャンプで大差をつけて距離が始まる前に挽回不可能にするのが勝ちパターンでした。

しかし、ルール改正で距離のタイム差の計算方法が変わり、距離の比重が重くなってから、日本勢は勝てなくなりました。そのため、日本複合界は距離を中心とした強化に着手して、2009年の世界選手権団体金メダルに結びつけました。渡部暁斗選手も、世界選手権個人戦で4位、今季W杯ランキング2位と結果を出し、今回の銀メダルは実力を出した結果です。

渡部暁斗は前半のジャンプでトップと6秒差の2位でした。ただ、トップの選手が優勝候補筆頭のドイツ人で、彼と渡部暁斗の一騎討ちが金メダルを賭ける勝負になりました。それでも、銅メダル争いは混戦になり、ジャンプで1分以上離されたイタリア選手が追い上げてきました。

渡部暁斗も、牽制し合ってペースが落ちればこの第2集団に吸収される可能性もあると、今回の距離のコースが複雑に入り組んで後ろが見えるので頭をかすめたと思います。幸いトップ争いは激しいスプリント勝負になり、銀メダル以上は事実上確実という展開でした。

最後はわずかに振り切られて渡部暁斗は銀メダルでしたが、日本複合の復活をアピールし、解説の荻原健司も「自分のときより圧倒的にレベルが高い」と絶賛した今回の結果は素晴らしいです。また、距離スキーは「ワックスマン」というスキーが滑る塗料を塗る、独特な技術者がいます。

解説の荻原健司によれば、このワックスマンもいい仕事をしたようです。日本チームのスキーはソチの雪質を計算していて滑ると、荻原健司は絶賛しており、団体戦も期待できそうで楽しみです。

p.s.以前は複合はジャンプと距離は別の日でした。そのため、1992年アルベールビル五輪では前半のジャンプで2位に入った三ヶ田礼一選手がスポーツ紙の一面を飾り、目だったことがありました。一日でやるようになったのは2002年ソルトレーク大会で飛躍一回、距離10kmの「複合スプリント」を採用したのがきっかけです。今はスプリントは当たり前になり、ノーマルヒルとラージヒルという2競技が定着しました。
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