この本はベストセラーなので、名前だけなら知っているという方は多いでしょう。女子マネージャーの主人公みなみが、自分のチームを甲子園に出場させることを目標に掲げ、ドラッカーの名著「マネジメント」を参考に組織を変えていく物語です。
ただ、この本を野球を描いた本と見てしまうとちょっと物足りない印象はあります。作者は確かに高校の野球部を取材して、過去の高校野球の歴史を懸命に調べたりした努力は認めますが、野球というスポーツが過去に次々と名作の小説や漫画を生み出したことを考えると、どうしても「プロの書き手ではないな」という印象を持ってしまいます。
しかし、この小説の主題は組織論ですから、そういう小説だと思って読めば、この小説のように全てがうまく回る確率はともかく、面白い話だと思います。
この小説には東大を出て野球理論に詳しい監督も登場人物の中にいるのですが、この監督は話が高度すぎて周りが理解できないというマイナスイメージのキャラクターで、みなみが頭の良さに定評のある後輩の女子マネージャーをワンクッション入れて「通訳」にしたところ組織が回り出すという物語になっています。
また、こういう適材適所の人材配置をするためには、部員全員から本音を引き出す必要があるのは誰でも考えが行くでしょうが、自分で聞いてもらちがあかないことに早く気付き、人望の厚い入院中の同期生の女子マネージャーを見舞うついでに話を聞いてもらうというところも、さすがです。
一つ疑問なのは、主人公のみなみのように高校生でここまで大人の対応ができる人はなかなかいないだろうということです。どうしても、女子マネージャーというと雑用係という一般的なイメージがあり、その立場だと目先の業務をこなすのが精一杯なのではと思ってしまいます。
この小説は次世代のリーダー論も描いた小説だと思います。以前はリーダーと言えば強力な旗振り役というイメージでしたが、次世代のリーダーはアメリカのオバマ大統領が比較的単純な英語を多用するように、その指導方針のわかりやすさが必要とされる時代だと思います。
川崎Fの監督、相馬直樹氏も、対話を重視して比較的単純なことを指導するタイプの監督と聞いています。人から本音を引き出す技術と合わせて、今は対話型のリーダーの時代だと思います。
ただ、この本を野球を描いた本と見てしまうとちょっと物足りない印象はあります。作者は確かに高校の野球部を取材して、過去の高校野球の歴史を懸命に調べたりした努力は認めますが、野球というスポーツが過去に次々と名作の小説や漫画を生み出したことを考えると、どうしても「プロの書き手ではないな」という印象を持ってしまいます。
しかし、この小説の主題は組織論ですから、そういう小説だと思って読めば、この小説のように全てがうまく回る確率はともかく、面白い話だと思います。
この小説には東大を出て野球理論に詳しい監督も登場人物の中にいるのですが、この監督は話が高度すぎて周りが理解できないというマイナスイメージのキャラクターで、みなみが頭の良さに定評のある後輩の女子マネージャーをワンクッション入れて「通訳」にしたところ組織が回り出すという物語になっています。
また、こういう適材適所の人材配置をするためには、部員全員から本音を引き出す必要があるのは誰でも考えが行くでしょうが、自分で聞いてもらちがあかないことに早く気付き、人望の厚い入院中の同期生の女子マネージャーを見舞うついでに話を聞いてもらうというところも、さすがです。
一つ疑問なのは、主人公のみなみのように高校生でここまで大人の対応ができる人はなかなかいないだろうということです。どうしても、女子マネージャーというと雑用係という一般的なイメージがあり、その立場だと目先の業務をこなすのが精一杯なのではと思ってしまいます。
この小説は次世代のリーダー論も描いた小説だと思います。以前はリーダーと言えば強力な旗振り役というイメージでしたが、次世代のリーダーはアメリカのオバマ大統領が比較的単純な英語を多用するように、その指導方針のわかりやすさが必要とされる時代だと思います。
川崎Fの監督、相馬直樹氏も、対話を重視して比較的単純なことを指導するタイプの監督と聞いています。人から本音を引き出す技術と合わせて、今は対話型のリーダーの時代だと思います。