
「脚本を書く」とは、
<何かについて、自分の意見を言うこと> だと思います。
例えば、ミュージカル研究会発足の年(2011年)に上演したのは、
「希望~猫たちの挑戦」
内容は、「震災で家も家族も仕事も失った農家の夫婦が
迷い込んできた5匹の子猫たちと、楽しく歌いながら瓦礫を片付け、
立派な畑を取り戻す」という話です。
そんなの、アタリマエのありきたりじゃん!と言ってしまえるほど
簡単で、伏線も、どんでん返しもありません。
脚本としては、稚拙なものだったかもしれません。
それでも、その年、「一緒にミュージカルを始めよう!」と集まった8人は、
有名なアリアをハモりながら、歌で何かを表現してみたかったのです。
手探りながら、踊りやマイムも取り入れ、一生懸命台詞も覚えました。
その後、このStoryは成長し(=皆で練り直し)、2014年7月公演では、
1.震災で命を失いかけた5匹の子猫が、
2.震災で何もかも失ってしまったトマト農家夫婦を助け、
3.美しいトマト畑を取り戻し、家族全員がそれぞれの夢に挑戦します。
4.1番ちっちゃい猫は、歌手を目指してアメリカへ。
2番目の子猫はロックの歌や踊りを楽しみながら、妹のための仕送り稼ぎ。
3番目は小鳥とお喋りできる<異色のSinger-Songwriter>に成長。
4番目はバレエ教室の先生になり、
5番目は街の人たちの憩いのカフェを開きました。
5.皆が生き生きと活動する場面を歌と踊りで展開しているとき、
またしても大災害<竜巻>が起こって、全てを破壊します。
6.皆が打ちのめされているとき、仲良しの小鳥が「大事なトマトの芽」を
運んできてくれたので、またまたハッピーエンド!
私が言いたかったのは、
「何が起こっても、希望を持ってチャレンジを続ければ、良い結果になる」
さらに、今、歌いたい曲をなるべくたくさん盛り込みたい!
この贅沢な望みを、皆の意見を取り入れながら喧々諤々練っていきます。
これこそが<頭の体操>です。
初年度からうまく機能してきたとは言えません。
4年目にして、やっと充実した討論ができてきた!と思っています。