P.47 空腹だと成長ホルモンが活性する。
空腹を感じると、グレリンという物質が胃から分泌される。
→食欲を高めるだけでなく、成長ホルモンの分泌を促す。
空腹を感じたからといって、すぐに何かを食べてしまうと、
グレリンの分泌が続かず、成長ホルモンも増えないことになる。
空腹を感じないのに、食事の時間になったからといって食べると、
グレリンは分泌されず、成長ホルモンの分泌も増えません。
胃からグレリンを分泌させ、成長ホルモンの分泌を増やすには、
空腹感を少し長く保つ必要があるのです。
通常、食後2~3時間もすれば、胃は空っぽになるので、
朝8時に朝食を摂れば、午前11時ころには空腹を感じるはずです。
空腹を感じないのは消化のよくないものを食べたり、食べすぎや
運動不足だったり、胃腸の働きが弱っていたりするときです。
P.48 空腹になると分泌されるグレリンを上手に利用するためにも、
間食は避け、朝食、昼食、夕食はそれぞれ、
しっかりお腹が空いたという感覚を感じてから摂る。
P.52 夕食を摂る時刻:寝る2時間前、できれば3時間前が理想。
理由:体内時計との兼ね合いで、
成長ホルモン分泌が最も期待される睡眠時に満腹だと、
分泌が抑制されるから。
食後は食物を消化するために血糖値が上がりますが、
その状態で眠りに就くと、睡眠が浅くなります。
すると、成長ホルモンの分泌が抑制されてしまう。
体内の血糖値が上がると成長ホルモン分泌は止まります。
毎回の食事をして止まるのは仕方ないですが、食べ方を工夫して
血糖値が上がりにくい食べ方を実践すれば、
分泌の抑制を軽減することが可能。
P.53 血糖値が急激に上がると、成長ホルモンもすぐに反応し、
分泌をストップさせます。急激に血糖値を上げない食べ方は……
1.会席料理のように、小分けにして時間をかける。
2.時間をかけてよく噛み、ゆっくり食べる
3.食べ始めを野菜にして、先に繊維質の食材から食べる
この辺は、ためしてガッテンなどで取り上げられたり、
「食べる順番ダイエット」などの本もあり、健康オタクの間では常識です。
問題は、
<そんなことに興味ない!>
<食べたいときに、美味しく食べたいだけなんだ!>という人たちです。
介護予防を研究する立場としては、「健康オタクたちの常識」を
フツーの人たちと共有するための何かを考えることが急務です。