

今日は、著者・松村卓氏が野口体操から学ばれたときの話です。
私も数十年前、40肩でテニスや卓球ができなくなったとき、
野口先生のお弟子さんが芸大で教えられていた「こんにゃく体操」を
習いにいったことがあります。
P.84 「次の瞬間、新しく働くことの出来る筋肉は、
今、休んでいる筋肉だけである。今、休んでいる筋肉が多いほど、
次の瞬間の可能性が豊かになる」
休んでいる筋肉が多いほうが、次の瞬間の動作がスムーズにできる---
これはアスリート時代にはまったくなかった発想ですが、
「骨を使って立つ」ことがわかってくると、
その意味が徐々に実感できるようになります。
こんにゃく体操を習っているときは、「体を緩める」いっぽうで、
動作の目的が良くわからず、「変な体操!」と思っていました。
野口氏のいう「筋肉を休ませる」ということは、
筋肉をゆるませることであり、
それは骨をしっかり動かすことにつながってきます。
逆に筋肉が過度に緊張した状態では、骨の動きが邪魔されてしまい、
動作がぎこちなくなります。
うぅ~む。昔やっていた頃は、何もわかっていなかったことが判明。
今、なんとなく垣間見えてきたのは、登山の、特に下りのとき、
重心の位置と運び。そして、不足の事態への備えです。
動体視力により、次の一歩を何処に置くか決める訳ですが、
浮石でないか? より安定性のある場所はないか? 掴まれるものはないか?
最適・最上の場所に足を置くために、どれだけの筋力を使うか?
そして、それらは緊張しまくった筋肉では対処できないことのようです。
一瞬一瞬に反応し、普段は休んでいる(緩んでいる)筋肉は、
しっかりした骨を使うことで、成り立つ・・・・
つまりは、「骨」なのだ! というのが著者の主張です。