

対談集ですが、やはり近藤誠医師の発言は面白いです。
P.51 日本には「とにかく長く生きることが貴い」という価値観が
ありますよね。意識を失っても寝かせっきりにして、
強制的に栄養をあげてずっと保たせようという。
P.52 日本の介護職の人がヨーロッパに研修に行って、
食べたがらない病人の口にスプーンで流し込もうとすると、
「虐待だ」って怒られたという話があります。
その辺からまず日本と欧米の考え方が違う。
P.93 日本の外科的な手術の一部は、いろいろな領域でレベルが高いです。
しかし内科になると、薬なんかどこでも似たようなもので。
一般に日本の内科医は、患者の全体像を見ないで、
病状ごとにセキ止め、解熱剤、炎症止め、胃薬……って、
どんどん出します。ひとりの患者に平気で10種類以上の薬を出したり。
これは欧米ではありえません。海外では、一度に三種類以上の薬を飲むと、
体内でどんな化学変化が起きるか予測がつかないから、非常に危険とされ
ています。
曽野さんの発言もかなり刺激的です。たとえば、
P.48 これから一番大変なのは、いやな話ですけど
「年寄りをどう始末するか」っていう問題ですね。
どうしたら穏やかに、比較的幸福に、
不当な長生きをしないようにするか。
大事なことをズバリ、スパっと言ってくださるのが小気味良いです。