P.1 世間の人々の誤解 たとえば「免疫力が高いと長生きできる」
これが社会通念であるため、健康診断の採血結果で一喜一憂してしまう。
(免疫システムの中心は白血球(ないしリンパ球)だと知っているから)
でも、統計では<
白血球が多い人たちのほうが、生存率が少し低くなる>
別の誤解は
「免疫力を上げると、がんにかかりにくくなる」
それで健康なときから、免疫力増強に励む人が大勢います。
しかし実際には、免疫力が高くなった症状「炎症」があると、
がんの発生率が上がるのです。
以上の文章は、この本の<まえがき>にあります。
そして、色々な医学情報とともに、日本の医療システムの恥部が語られます。
ところで、この本の副題は、
長生きするなら「免疫力」より「抵抗力」です。
その結論は最終章で語られるので、是非、ご自分で読んでください。
ここでは、私自身が、ちょっと気になったことだけメモしておきます。
P.239 長生きするのは「ちょっと太目」
日本では、栄養状態が良すぎて肥満になると、健康が害される、
種々の成人病が生じる、寿命が縮む、と考えられています。(中略)
ところが、世界中の300万人にも及ぶ人たちの調査結果を総合すると、
標準体重の人たちよりも、
俗に「ちょいメタ」という太目の人たちのほうが町名だったのです。
(中略)菜食で健康になり、免疫力が上がることはありません。
それどころか、動物性タンパクを避けて菜食中心にすると、
たいてい痩せてきますから、寿命を縮めてしまうでしょう。
がん患者の場合は、とくに危険です。菜食中心にして体重が落ちると、
がんが爆発的に増殖する恐れがあるからです。
私は近藤医師のファンではあるのですが、次の文章には頷けません。
P.240 だから、がんにかかったら、食事療法には目もくれず、
エビ、トロ、ステーキ、ウニ、ウナギ、と、
美味しいものをいっぱい食べて、体重維持を図るのが
延命するためのコツだと思います。
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私は、
「体重」とは何をさすのか?を問いたいと思います。
同じ60kgの人で、BMIが22だとしても、
その中味が<脂肪>なのか、<筋肉>なのかで、大違いだからです。
また、「菜食が良いとか、悪い」という議論も、
その人がきちんと「体重に見合った植物性たんぱく質を摂っているか否か」
で、健康度はまるっきり違うと思います。
俗にいう「健康オタク」という人たちが、
真冬でもグリーン・スムージーを飲み、生野菜ばっかり
という話は良く聞きます。
これでは、免疫力も抵抗力も落ちる一方でしょう。
「菜食主義」というのは手間隙がかかるし、お金がかかるものだと思います。
きちんとポリシーを持って完全に実行すれば、「良い」かもしれないし、
ムードとか、上辺だけを真似するのであれば、危険だと思います。
でも、でも、近藤医師お薦めのエビやステーキなどは、
養殖場での抗生物質、配合飼料、流通時の保存料などが心配で、
自分から進んで購入する気は起こりません。
私自身は、これらの食材は危険だと思います。
以下、ご参考までに、
私自身は、自然療法の料理教室で習った食材(グルテン・ミート等)では
価格的にも味覚的にも家族を満足させられないので、
煮干や魚を多食しています。卵も結構好きです。
最近はAlmond,くるみ、ヘーゼルナッツなどをサラダのトッピングに多用。
抗生物質多用の食肉や、食品添加物入りの市販食品はなるべく避け、
自然でない食品(合成甘味料やトランス脂肪酸入り食品)も、
なるべく避けるようにしています。
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話がそれてしまいました。
近藤医師の結論は、<体重を減らすと、がんが爆発的に増殖するのは、
身体の「抵抗力」が落ちるから、>だそうです。
P.240 抵抗力とは何か。体をつくっている個々の細胞や組織の頑丈さが、
抵抗力の実質になると思います。細胞本体が頑丈で、
細胞の集合である組織の郷土が高ければ、がん細胞が増殖し、
組織に侵入するのを抑え込めるはずだからです。
(中略)がん細胞は粘膜に生じますが、進行がんになるには、
胃袋の奥にがん細胞が侵入していく必要があります。
このとき、粘膜下層や筋層がバリアー(障壁)としてたちはだかる。
その場合、バリアーが頑丈であれば、がん細胞はなかなかバリアーを
超えられず、がんは進行しないことになります。逆に、
正常組織の強度が落ちれば、がん細胞の増殖・侵入が容易になる。
この理論は、納得です。
何にせよ、正しい食事、運動、精神力で、頑丈な細胞を作り、
精力的な活動を続けたいものです。