【くりのみ会】教育とカウンセリングコースでは、楽談タイムでご参加の皆さんからお勧めの本の紹介がある。
先日の勉強会で、岩本さんが次の一冊が紹介してくれた。
伊藤比呂美著
読み解き「般若心経」エッセイ+お経+現代語訳
朝日新聞社
いろいろな経典を、詩人・小説家の伊藤比呂美さんが読み解きと現代語を紹介している。
なかな面白い企画だと思う。
このような本をきっかけとして、仏教に近づくのも一つのアプローチだと思う。
蓮如上人の「白骨のお文」は、次のように現代語されています。
「白骨」
つまりこういうことでございます。
ただよっているような人の生きざまを、
つらつら観察しておりまして、
はかないなあと感じるのは人のいのち。
はじまるときもその途中も終わるときも、
まぼろしのような人のいのちです。
そういうわけで、
一万年生きた人の話は聞いたことがございません。
一生はすぐに終わります。
百年間、老いずに生きた人が、これまでにおりますか。
自分が先か、人が先か、
今日かもしれない、明日かもしれない、
滴が、木の根もとに堕ちたり葉末にひっかかったりするのよりも、
せわしなく、人は、
死に後れたり生き急いだりしてゆきます。
そういうわけで、
朝のうちにあかいほっぺをかがやかせておっても、
夕方には白骨となってしまうかもしれない身の上です。
今も無上の風が吹いてくれば
二つの目はたちまち閉じる。
一つの息はたちまち絶える。
笑顔がむなしく死に顔となり、
花のようだった美しさが消えてなくなる。そのとき、
親類縁者が集まって歎き悲しんだところで、
もう、どうしようもない。
ほっとくわけにもいきませんから、
野辺の送りをして夜のうちに煙となる。
そして、ただ白骨だけが、残るのであります。
あわれというだけでは、とうてい言い足りませぬ。
おわかりいただけましたか。
人間のはかないことは、老いも若いもございませんから、
どなたもお若いうちから、いつか死ぬのだということを心がけて、
阿弥陀仏におまかせして、念仏をおとなえするべきなんであります。
しつれいいたしました。