手放しで「すばらしい」とは言えませんが、一歩前進の判決が出されました。
①福井地裁が、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じました。
ボクは、当然の判決だと思います。素晴らしいと思います。
残念ながら、安倍政権は再稼働に熱心です。
菅官房長官は、
「規制委が世界で最も厳しい安全基準で審査し、
その結果を待って(再稼働させる)ということだ」と説明しています。
三権分立の一つ、司法の判決が出たのですから、
政府は、真摯に判決を受けとめるべきです。
東京電力福島原発の原因究明もできず、
後片付けの見通しも立っていないのに、「再稼働」には大反対です。
②横浜地裁の、厚木基地の自衛隊機の夜間早朝飛行差し止め。
厚木基地は、米軍と海上自衛隊の共用使用です。
騒音被害を受けている厚木市民の方々には、
自衛隊機だけの飛行差し止めなので十分な判決とは言えませんが、
一歩前進と思います。
5月19日の毎日新聞の山田孝男さんの「風知草」。
日本の将来像を提案しています。
ボクは、山田さんの考え方を支持したいと考えます。
山田さんは、
「集団的自衛権の行使を認めれば、いずれ戦争に巻き込まれる−−という批判には一理ある。が、憲法さえ守っていれば、今の経済膨張路線を突き進んでも平穏無事という楽観論にはついていきかねる。
では、どうすべきか。
世界に先がけて経済社会を簡素化する。時間はかかっても食料・エネルギーを海外に過度に依存する体制を改める(ただし、原発を使ってはいけない。原発は社会を複雑にし、うわべの繁栄をもたらすが、最後は地域を破壊する)。
中東ホルムズ海峡防衛こそ生命線−−という構造を徐々に変えていく。自衛隊が遠国へ出向いて集団的自衛権を行使する必要がない状況を整えていく。
全人類が資源を奪い合う21世紀を生き抜くため、地産地消が基本の循環型社会へ変化を加速する。
高品質、公平で清潔、平和で安全な日本を守る。量的拡大ではなく質的深化に集中する。節度を重んじる日本文化に根差した新・経済発展モデル、人類共生の規範を世界に示す。
そういう長期ビジョンを明確にしつつ、アメリカの覇権後退を見据え、国際標準の自衛力の回復を探るべきではないか。憲法や当面の国際情勢だけでなく、地球規模の経済社会改革構想という視点が要る。