日本の温泉シリーズ。次は九州を書く順番だけど、遠いからあまり行ってない。それも最初の旅行では取りあえず大きな宿に泊まったので、あまり特色のある宿が思い当たらない。別にもう一回指宿温泉を書く予定なので、今回はまず鹿児島県日置市にある吹上温泉みどり荘を取り上げたい。地名だけ書いても場所が判らないと思うけど、鹿児島県南西部、薩摩半島西部の海辺に近いあたりになる。なお、北海道と宮城県にも吹上温泉がある。北海道の吹上温泉は上富良野町にあり大露天風呂で有名。「北の国から」で若き日の宮沢りえが入って有名になった。僕も行ったことがある。
(「みどり荘」の露天風呂)
一方、鹿児島の吹上温泉みどり荘は長いこと、九州で唯一の「日本秘湯を守る会」の会員旅館だった。この会は福島県の二岐温泉「大丸あすなろ館」から始まったので、東北や関東信越の宿が多い。スタンプ帳に10個たまると一泊招待がウリなので、離れた宿が入っているメリットは少ない。しかし、入ってなければこの宿を知らなかったかもしれない。東京から行く人はやはり秘湯の会で知った人が多いと思う。空港から薩摩焼の窯元などを見て、たどり着く。遠くまで来たなあという感じだ。
(入口)
吹上温泉は源泉43度の硫黄泉で、数軒の宿があるようだ。「みどり荘」は中でも大きな宿で、優しい泉質が肌に優しい。付近の様子はもう忘れてしまったけれど、案外大きな敷地にゆったりとムードある宿が建っていた。この時は開聞岳に登ることがメインの旅で、鹿児島県の薩摩半島だけをノンビリ回った。近くに大きな温泉もないし「みどり荘」に泊まろうとなったが、料理も施設も立派なことに驚いた。8部屋しかなくて少人数向けの宿である。内風呂もいいけれど、ちょっと離れた露天風呂がとても素晴らし。いつまでも入っていたくなる。まあ、最初の写真は撮りようだなと思うけど。
(池に面した全景)
宿はみどり池に面していて、そこをグルッと部屋が立ち並ぶ。面してない部屋もあるし、多分そこに泊まったのだが、露天風呂も池に面してとても気持ちが良い。料理も鹿児島の地鶏など美味しかった。ところで僕は実は前から温泉近くにある「吹上浜」を見てみたかった。鳥取砂丘や浜松の中田島砂丘と並び、日本三大砂丘と呼ばれている。それより吹上浜は戦後派作家・梅崎春生の遺作『幻化』の舞台になった場所なのである。「桜島」でデビューした作家の最後の作品で、心に傷を持つ主人公が砂丘を彷徨う場面は永遠に忘れられない。もう知らない人が多いと思うけれど、読んだときから吹上浜を見たかったのである。
(吹上浜)
また坊津(ぼうのつ)を訪れたのも忘れがたい思い出。と言われても判らないと思うけれど、薩摩半島南西の小さな港町。昔、鑑真がここにたどり着いたのである。中国からここへ来て、そこからまた奈良まで行ったのか。小さな記念館があって、今では小さな漁港という感じの港が、かつて栄えた歴史を展示する。一日目に行った薩摩焼の窯元(日置市の苗代川)も司馬遼太郎『故郷忘じがたく候』を読んだから行ったのである。やはり山と温泉に加えて、歴史と文学も旅情を呼ぶわけである。
(「みどり荘」の露天風呂)
一方、鹿児島の吹上温泉みどり荘は長いこと、九州で唯一の「日本秘湯を守る会」の会員旅館だった。この会は福島県の二岐温泉「大丸あすなろ館」から始まったので、東北や関東信越の宿が多い。スタンプ帳に10個たまると一泊招待がウリなので、離れた宿が入っているメリットは少ない。しかし、入ってなければこの宿を知らなかったかもしれない。東京から行く人はやはり秘湯の会で知った人が多いと思う。空港から薩摩焼の窯元などを見て、たどり着く。遠くまで来たなあという感じだ。
(入口)
吹上温泉は源泉43度の硫黄泉で、数軒の宿があるようだ。「みどり荘」は中でも大きな宿で、優しい泉質が肌に優しい。付近の様子はもう忘れてしまったけれど、案外大きな敷地にゆったりとムードある宿が建っていた。この時は開聞岳に登ることがメインの旅で、鹿児島県の薩摩半島だけをノンビリ回った。近くに大きな温泉もないし「みどり荘」に泊まろうとなったが、料理も施設も立派なことに驚いた。8部屋しかなくて少人数向けの宿である。内風呂もいいけれど、ちょっと離れた露天風呂がとても素晴らし。いつまでも入っていたくなる。まあ、最初の写真は撮りようだなと思うけど。
(池に面した全景)
宿はみどり池に面していて、そこをグルッと部屋が立ち並ぶ。面してない部屋もあるし、多分そこに泊まったのだが、露天風呂も池に面してとても気持ちが良い。料理も鹿児島の地鶏など美味しかった。ところで僕は実は前から温泉近くにある「吹上浜」を見てみたかった。鳥取砂丘や浜松の中田島砂丘と並び、日本三大砂丘と呼ばれている。それより吹上浜は戦後派作家・梅崎春生の遺作『幻化』の舞台になった場所なのである。「桜島」でデビューした作家の最後の作品で、心に傷を持つ主人公が砂丘を彷徨う場面は永遠に忘れられない。もう知らない人が多いと思うけれど、読んだときから吹上浜を見たかったのである。
(吹上浜)
また坊津(ぼうのつ)を訪れたのも忘れがたい思い出。と言われても判らないと思うけれど、薩摩半島南西の小さな港町。昔、鑑真がここにたどり着いたのである。中国からここへ来て、そこからまた奈良まで行ったのか。小さな記念館があって、今では小さな漁港という感じの港が、かつて栄えた歴史を展示する。一日目に行った薩摩焼の窯元(日置市の苗代川)も司馬遼太郎『故郷忘じがたく候』を読んだから行ったのである。やはり山と温泉に加えて、歴史と文学も旅情を呼ぶわけである。
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