キネ順ベストテンの外国映画部門の話。とりあえず順位を紹介。
①マッドマックス 怒りのデスロード②アメリカン・スナイパー③アンジェリカの微笑み④バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)⑤黒衣の刺客⑥神々のたそがれ⑦セッション⑧雪の轍⑨インヒアレント・ヴァイス⑩おみおくりの作法
続いて、⑪イミテーション・ゲーム⑫さらば、愛の言葉よ⑬サンドラの週末⑭パプーシャの黒い瞳⑮フォックスキャッチャー⑯ナイト・クローラー⑰黄金のアデーレ 名画の帰還⑱独裁者と小さな孫⑲ミッション・インポッシブル/ローグ・ネーション⑳アリスのままで
21位以下は、KANO、妻への旅路、裁かれるは善人のみ、キングスマン、涙するまで生きる、ターナー、アクトレス、ラブバトル、はじまりのうた、あの日の声を探して
面倒だからこれ以上書かないけど、今年は例年以上に当たりが良くて、「おみおくりの作法」を除いて、20位まで全部見ている。20位以下でも、妻への旅路、ラブバトル、はじまりのうた以外は見ている。新作をそんなに見ている意識はないんだけど、まあ、選ばれそうな作品が大体判るということだろう。ここ10数年のベストテンと同じく、さまざまなタイプの批評家がそれぞれ投票することで、「誰もが納得できない結果」になっている。ベスト3を全部自分の10本に選んでいる人は3人しかいない。一方、3本とも選んでいない人は22人で、投票者の3人に1人にあたる。どっちかというと、自分もそっちの方。このように、映画を通して「評価の多様性」という現代社会が浮かび上がる。「多元主義」で、あれもこれも見て、それなりに良さを見つけていける人でないと、面白い映画を見逃してしまう。
それにしても、またクリント・イーストウッドが2位になっている。毎年毎年、イーストウッド映画に高得点を与えて、日本の批評家もよく飽きないものだという感じもする。作品ごとの評価だと言えば、それまでだが。僕もここで書いたように、昨年1位の「ジャージー・ボーイズ」や「アメリカン・スナイパー」は名作で、見るべき映画だと思う。でも、1位とか2位とかに入れる気はしない。見る前から判っているような出来の良さを再確認するような鑑賞時間になっているから。それは実は1位の「マッドマックス 怒りのデスロード」も同じような感じで、公開当時から大評判になったから1位に入れる人がいるだろうなとは思って、予想外ではないが、僕には予想通り面白かったという感じの映画である。
ホウ・シャオシェンの「黒衣の刺客」も、美しすぎる作家性の高い武侠映画で不満が残る。作家性は大切にしたいが、「神々のたそがれ」「雪の轍」「インヒアレント・ヴァイス」のような映画でこそ、僕は納得できる。これらの映画と「裁かれるは善人のみ」が、まあ自分では上の方に来ると思う。それと「バードマン」で、アカデミー賞作品賞にしては前衛っぽいが、非常に面白かった。一方、「セッション」は題材が好きではないので、ダメ。「フォックスキャッチャー」もさすがの僕にも暗すぎ。「黄金のアデーレ」は僕はあまり評価できなかった。あの絵はウィーンにあった方が良いのではないだろうか。「ナイト・クローラー」は題材が面白いが、好きになれない。そういうタイプの映画もある。
「ミッション・インポッシブル」の新作はあまり面白くなく、それならナポレオン・ソロの新作「コードネームU.N.C.L.E」の方が面白く、「キングスマン」の方がもっと面白いと思う。「顔のないヒトラーたち」は38位に選ばれているが、もう一本の「ヒトラー暗殺、13分の誤算」がない。一生懸命探したら、116位に入っている。これは映画の完成度からすると、逆の評価だと思う。戦後になって、アウシュヴィッツ追及を始める若手検事を描く前者のウェルメイドに比べ、「早すぎた抵抗者」と言われ本国でも忘れられていた人物を厳しく描く後者の方が見て欲しい映画である。
ここでも書いた「ジミー、野を駆ける伝説」や「わたしに会うまでの1600キロ」「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」、「薄氷の殺人」「マジック・イン・ムーンライト」などが、50位以下に続々と並んでいる。毎年のことだけど、「一部受け」する映画が上の方にランクインして、多くの人がいいとは思いつつ12位とか13位とかに評価するような映画が思った以上に下位に沈んでしまう。僕に言わせれば、「さらば、愛の言葉よ」や「ミッション・インポッシブル」よりも、ずっと見応えがあると思う。まあ、ベストテンに入るかというと、僕もそこまではいかないと思うけど。これで、簡単に外国映画を見たことにしてオシマイ。
①マッドマックス 怒りのデスロード②アメリカン・スナイパー③アンジェリカの微笑み④バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)⑤黒衣の刺客⑥神々のたそがれ⑦セッション⑧雪の轍⑨インヒアレント・ヴァイス⑩おみおくりの作法
続いて、⑪イミテーション・ゲーム⑫さらば、愛の言葉よ⑬サンドラの週末⑭パプーシャの黒い瞳⑮フォックスキャッチャー⑯ナイト・クローラー⑰黄金のアデーレ 名画の帰還⑱独裁者と小さな孫⑲ミッション・インポッシブル/ローグ・ネーション⑳アリスのままで
21位以下は、KANO、妻への旅路、裁かれるは善人のみ、キングスマン、涙するまで生きる、ターナー、アクトレス、ラブバトル、はじまりのうた、あの日の声を探して
面倒だからこれ以上書かないけど、今年は例年以上に当たりが良くて、「おみおくりの作法」を除いて、20位まで全部見ている。20位以下でも、妻への旅路、ラブバトル、はじまりのうた以外は見ている。新作をそんなに見ている意識はないんだけど、まあ、選ばれそうな作品が大体判るということだろう。ここ10数年のベストテンと同じく、さまざまなタイプの批評家がそれぞれ投票することで、「誰もが納得できない結果」になっている。ベスト3を全部自分の10本に選んでいる人は3人しかいない。一方、3本とも選んでいない人は22人で、投票者の3人に1人にあたる。どっちかというと、自分もそっちの方。このように、映画を通して「評価の多様性」という現代社会が浮かび上がる。「多元主義」で、あれもこれも見て、それなりに良さを見つけていける人でないと、面白い映画を見逃してしまう。
それにしても、またクリント・イーストウッドが2位になっている。毎年毎年、イーストウッド映画に高得点を与えて、日本の批評家もよく飽きないものだという感じもする。作品ごとの評価だと言えば、それまでだが。僕もここで書いたように、昨年1位の「ジャージー・ボーイズ」や「アメリカン・スナイパー」は名作で、見るべき映画だと思う。でも、1位とか2位とかに入れる気はしない。見る前から判っているような出来の良さを再確認するような鑑賞時間になっているから。それは実は1位の「マッドマックス 怒りのデスロード」も同じような感じで、公開当時から大評判になったから1位に入れる人がいるだろうなとは思って、予想外ではないが、僕には予想通り面白かったという感じの映画である。
ホウ・シャオシェンの「黒衣の刺客」も、美しすぎる作家性の高い武侠映画で不満が残る。作家性は大切にしたいが、「神々のたそがれ」「雪の轍」「インヒアレント・ヴァイス」のような映画でこそ、僕は納得できる。これらの映画と「裁かれるは善人のみ」が、まあ自分では上の方に来ると思う。それと「バードマン」で、アカデミー賞作品賞にしては前衛っぽいが、非常に面白かった。一方、「セッション」は題材が好きではないので、ダメ。「フォックスキャッチャー」もさすがの僕にも暗すぎ。「黄金のアデーレ」は僕はあまり評価できなかった。あの絵はウィーンにあった方が良いのではないだろうか。「ナイト・クローラー」は題材が面白いが、好きになれない。そういうタイプの映画もある。
「ミッション・インポッシブル」の新作はあまり面白くなく、それならナポレオン・ソロの新作「コードネームU.N.C.L.E」の方が面白く、「キングスマン」の方がもっと面白いと思う。「顔のないヒトラーたち」は38位に選ばれているが、もう一本の「ヒトラー暗殺、13分の誤算」がない。一生懸命探したら、116位に入っている。これは映画の完成度からすると、逆の評価だと思う。戦後になって、アウシュヴィッツ追及を始める若手検事を描く前者のウェルメイドに比べ、「早すぎた抵抗者」と言われ本国でも忘れられていた人物を厳しく描く後者の方が見て欲しい映画である。
ここでも書いた「ジミー、野を駆ける伝説」や「わたしに会うまでの1600キロ」「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」、「薄氷の殺人」「マジック・イン・ムーンライト」などが、50位以下に続々と並んでいる。毎年のことだけど、「一部受け」する映画が上の方にランクインして、多くの人がいいとは思いつつ12位とか13位とかに評価するような映画が思った以上に下位に沈んでしまう。僕に言わせれば、「さらば、愛の言葉よ」や「ミッション・インポッシブル」よりも、ずっと見応えがあると思う。まあ、ベストテンに入るかというと、僕もそこまではいかないと思うけど。これで、簡単に外国映画を見たことにしてオシマイ。