今日8月22日は、娘の10歳の誕生日です。
自分の年齢が一桁から二桁になったことが、娘はとても嬉しい様子。
保育園の修了式の時に「rちゃんは何をするのにも決して諦めず、最後までがんばって
いましたね」と、先生から言われたように、頑張り屋さんだなあと、私も思っています
(少々融通が効かないところがありますが)。すくすくとのびのびと育ってくれただけで、
本当に身に余る幸せを感じているのですが、こういう言葉を聞けたとき、私の
「しあわせ度数」が最高点をマークします。
「あのね、ママ。晴れてるときの青い空も好きだけど、雨があがって、まだ晴れてなくて、
雲がすうっと流れていくときの空も大好きなの」
10歳の誕生日の記念に、何か「思い出の絵本」のことを書いておきたいなあと
思った時に、この絵本のことが頭に浮かびました。
『しずかで にぎやかな ほん』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイスガード 絵
谷川俊太郎 訳
娘が3歳くらいの時に、私が本屋さんで見つけて買った絵本です。作者と訳者の
名前にひかれて、手にとったのをとてもよく覚えています。
主人公は、子犬のマッフィン。耳がいいのです。とてもとても静かな音でも目を覚まします。
本文は、そのマッフィンが聞いた「静かな音」とは何の音だったのかを、気の効いた
ユーモラスな比喩で、尋ねていきます。
かいだんを
ぞうが
つまさきだちで
おりて
くるのかな? とか
めうしが
ペティコートを
きてるのかな? とか‥。
その「静かな音」はこんなふうにも言い表されています。
とってもしずかなおと。
ほんとにしずかなおと。
しずけさそのものみたいな。
しずかな しずかなおと。
からっぽのいすのような。
くうきの ような。
あかちゃんに ひみつを ささやく ような。
ため息がでるほど、素晴らしい表現です。「からっぽのいすのような」を読んだ時、
ここだけでも、この絵本を購入した価値がある、と思ったものでした。
幼かった娘が、どれくらいこの本の内容に興味を持ってくれたかは、正直言ってわかりません。
でも、読み手である私が、とても気に入っていたことは伝わっていたかもしれないなと思います。
今回読み返して、この絵本が1996年9月生まれであることを知りました。娘と同じ年
生まれで、誕生日も近いじゃないですか。そのことがなんだか妙に嬉しいです。