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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

柔らかい頭・柔らかい心

2006-10-18 15:54:35 | 好きな絵本
 小学校の「おまつり」が、今週の土曜日に行われます。

 昨年は、その実行委員をしていたので、とても忙しかったのですが、今年は、別の役員
なのでそれほどでもありません‥と思っていたら、「おまつり」で、開き読みをすることに
なってしまい、また別の慌しさが漂っています。(何の絵本を読むことに決ったかは、また
後日お知らせします)

 私が所属している開き読みの会は、司書も兼ねている小学校の先生の発案で、
立ち上げられたボランティアなので、ほとんど全員が、その学校に子どもが通っている
お母さんです。私のように、PTA役員とボランティアの両方をやっている人も半分ぐらいいます。

 普通に考えれば、そういう構成員のもとで学校の「おまつり」に参加するのだから、
どこにも問題など起こりそうもなく、歓迎ムード一色だろう、ですが。大勢の人が集まれば、
いろんな意見の方がいて、「開き読み」に対しても、なんで「まつり」の場所で絵本なわけ??
わざわざ出てこなくってもいいんじゃない的な雰囲気もあるようなないような。

 もっと優しい気持ちで‥いろんなことに対して‥大きな目で物事を捉えて欲しいなあと
思うこの頃なのでした。



 でも、ゆうべこの絵本を読んでいたら、正攻法で正面からぶつかっていくばかりが、
勝利に繋がるわけではないということに気がつき、みんな知恵を使って、理不尽なことを
やり過ごしてきたのだなあと、妙なところに感心してしまいました。

     魔法のホウキ(河出書房新社)
     『魔法のホウキ』
    C・V・オールズバーグ 作
        村上春樹   訳

 この絵本、以前も借りてきて紹介しようと試みたのですが、なんとなくうまくいかず‥
秋になって、10月になったらもう一度借りてきて、挑戦しようと思っていました。
 なんで、「10月」と限定したかというと(読んだことがある方はおわかりの通り)、
文章がある側のページの上下に、どのページにも、かぼちゃが描かれているのです。

 かぼちゃ→ハロウィーン→10月 という実に単純な発想なんです。


 魔女の乗るホウキはいつまでもいつまでも永久に使えると
 いうものではありません。それは年月とともにくたびれて
 きますし、たとえどんなに立派な最高級ホウキといえども、
 いつかは空を飛ぶ力を失ってしまうのです。

 
 
‥こういうものらしいです。魔法のホウキって。
 
 それで、ある日、急に力を失ったホウキに乗っていた魔女が、ミンナ・ショウという名前の
後家さんの野菜畑に落っこちてきます。ミンナ・ショウの介抱で魔女は回復し、別の魔女を
呼んで、ホウキに「二人乗り」して帰って行ってしまいます。
 古いホウキが後に残されているのを見ても、ミンナ・ショウは驚きません。もう魔力が
残っていないと思ったからです。けれども、そのホウキには、まだ魔力が残っていたようなのです‥。


 オールズバーグのほかの絵本と、この『魔法のホウキ』が違う点は、セピア一色で描かれて
いるところと、主人公が女性のところ(他の絵本では主人公はみな男性or男の子ですよね?)。
 その両方が、実にストーリーを引き立てている、というか、その二つなしには、この絵本は
成り立ちません。

 ミンナ・ショウが、魔法のホウキを守るために使った「知恵」という名のマジック、とっても
見事なんです。

 私も、何かの時に、とっておきのマジックが使えるよう、日頃から頭を柔らかくして
おかなければ、と思います。

 
 柔らかいあたまと柔らかい‥やさしい‥こころ。
コメント (8)
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