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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

初めての銅版画

2006-10-19 16:01:18 | 好きなもの・講座やワークショップ

 10月15日日曜日に、市のアートギャラリー主催ワークショップ「初めての銅版画」に、
親子3人で参加してきました。

 講師の先生は、K市在住、女子美卒の方で、抽象画の作品を主に制作されているようです。
小学4年生から保護者の付き添いなしで参加できるので、小学生がほとんどかなと思っていましたが、
ひとりで参加されている大人の方が半分ぐらいいらっしゃったような‥親子3人での参加は、
私たちだけでした。

 まず、ホワイトボードに凸版、凹版 と先生が書き、銅版画のしくみを説明するところから始まりました。

 銅版画は、凹版で、へっこんだところにインクを入れて刷っていく版画です。だから、ニードルで傷をつけたところが
インクの色になっていきます。(逆に木版画は凸。彫ったところが白くなります)


 これは先生が持ってきてくれた「見本」。銅板に触ったり、印刷したものと、元の版を比べたりして、
「銅版画」への入口をくぐっていきました‥。

 
 さて、はじまりです。

1.銅版の裏面に塩化ビニールシートを貼って腐蝕するのを防ぐ。
  表面を研磨する。
2・銅版の表面に、グランド(防腐剤)を流し引く。

 2までの作業が終わっている銅板が、私たちには配られました。大きさは官製はがき大です。

3.下描きをして、それを銅版に写し、ニードルで
  彫って(傷つけて)いく。

 思い返してみると、この作業が私には一番楽しかったです。何を描くかまるで考えてなかったので、
絵そのものは、たいしたものではありませんが、ニードルワークがとっても心地よかったのです。
 グランドが引かれた銅版は、イメージとは逆で(すごく固くて彫りにくいと思っていたので)、
とても柔らかく繊細でした。鉛筆で描くのと同じように線が引けるし、サンドペーバーを押し当てて、
軽く押しただけでも、ざらっとした模様が写るし‥。(気分はとっても山本容子‥さんでした・笑)

4.ニードルワークが終わった人から、腐蝕液の塩化第二鉄液に
  浸して、腐蝕させる。(2時間ぐらい)



5.腐蝕液からあげて、水洗いする。
  醤油で洗い、サビの原因を取り除く。
  その後で水洗いし、乾燥させる。



 係りの方が、5の作業をしてくれているところです。手にしているのが娘の作品で、
その下にあるのが私の銅版。なぜ、醤油で洗うとよいのか、聞いてくるのを忘れました‥なぜなんだろう。

6.グランド(防腐剤)をベンジン等の溶剤で洗う。

7.インクをローラーかゴムベラで凹部に入るように全面につける。

8.凸部(彫ってないまわりの部分)のインクを拭き取る。

9.湿した紙を版面の上に当てる。

10.エッチングプレス機に通し、圧をかけてインクを紙に
   写し取る。



 肝心のプレス機の写真がないんです(泣)。左隅の方で人が固まっているところに
置いてあったのですが。



 これは、参加者の作品です。一番上の列にあるのが、娘と私の作品。
夫のは、2列目の左端に写っています。

 6~8の作業は、一番大変でした。インクの扱いに慣れていないせいですね。それと、
プレス機のハンドルは自分で回すということになっていて‥メイン作業ですから‥でも、
参加者20名に対してプレス機は1台しかないのです。並んで順番を待っているのに疲れました~。
(1枚刷ったら、また6以下の作業の繰り返し。インクの色も変えられるし、手直しもできる)

 一人で4枚刷ったつわものもいましたし、凸の部分にローラーでインクをのせて、2色刷りにしていた子もいました。
私たちは、2枚がやっと。最初はセピア色で、次は黒インクで私は刷りました。

 最後は、先生がひとりひとりに講評してくださり、無事にワークショップは終わりました。
朝10時に始まって、終わったのは夕方4時半でした。

 
(私のカメラに気がつき、にっこりしてくださった先生と私の作品)



 来年度、4回ぐらいの、大人向けの銅版画教室も予定されているそうです。
また、やってみたいなあと思っています。




 

コメント (6)
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