おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
実話映画、裁判映画好き ☆☆☆☆
イギリス・アメリカ合作映画
アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件として知られる実在の裁判を描いた映画。
冒頭、リップシュタットの講義に、アーヴィングが執拗に質問する場面が描かれる。
リップシュタットの著書で、名誉が傷つけられたと訴えた裁判物語。
論点は、アウシュビッツ事件があったかどうかだ。
我々からすると自明のことのようだが、否定する人たちがいる。
裁判が、イギリスで行われたのがみそで、被告側が検証する必要がある。すなわち、アウシュビッツ事件があったと証明しなければならない。
もう一つ、イギリスの裁判の特徴は、法廷弁護人と事務弁護人の二人体制であること。
著者と弁護士とで、アウシュビッツ収容所の廃墟を検証する作業があるが、被害者の遺品など目をそむけたくなる現状だ。
で、裁判だが、著者は、アウシュビッツ被害者とともに、証言に立とうとするが、弁護士の停められる。
それは、水掛け論になって、かえって論点がぼやけるからだ。
そこで、とった作戦は、アーヴィングの論点の矛盾を突くことだ。
裁判官は、言論の自由を説くが結論は?
リップシュタットを主点に置いた作りになっていて、裁判の行方がどうなるか、自分で証言したいのに、させてもらえないジレンマが描かれる。
裁判映画が嫌いでなければ、時宜をついた映像にぐいぐいと惹かれる。
リップシュタットをレイチェル・ワイズが好演している。