おすすめ度 ☆☆☆
原作は、芥川賞作家・藤沢周の小説「武曲」。
剣道に命を懸けた二人の男の物語。
矢田部研吾は、幼いころより、警察官をしていた父に徹底的に剣の道をしごかれる。そして、自らの手で父を殺め植物人間にしたことを悔い悩み、酒浸りの人生を送っていた。
羽田融は、ロックに人生をかけていたが、道場での構えに道場主の光邑にその素質を見込まれ、剣の道を究める。
そんな二人が、光邑の取り持ちで争うことになる。
それが雨中での格闘だ。ただ、あくまで剣道であり、世にいう真剣の立ち合いとは違う。
ただそれを契機に研吾がアル中から立ち直るのがこの映画の主眼。
いずれにせよ、研吾を演じた綾野剛、融を演じた村上虹郎二人の肉体改造と演技にほれぼれとさせられる。
熊切監督の映像美もなかなかのもので、映画を盛り上げている。