今年の青森ねぶた祭ポスター
町の友人が青森ねぶた祭の記録ビデオディスクをくれたので見てみました。
昔のことはわかりませんが、近年は公益社団法人 青森観光コンベンション協会が青森ねぶた祭実行委員会を設けて企画実行しているようです。中心は大型ねぶたです。この制作はもはや普通の人にはできません。ねぶた師と呼ばれる年季を積んだプロ級が設計制作します。何台の大型ねぶたが登場するかは、このねぶた師の数と、スポンサーの数で決まります。
ねぶた師は青森在住の人だと思いますが、スポンサーは全国的です。大型ねぶた1台をつくるのに500万円の単位の資金が必要だそうです。1台のねぶたを運行する団体が編制されますが、その団体運営費用を含めればさらにコストはかさみます。町単位でできるお祭りではなくなっています。
このねぶたについて数々の賞が出ます。大賞、知事賞、市長賞、・・・などです。ねぶた師は大賞を狙います。何をモチーフにするか一生懸命考え、まず絵を描きます。この絵が命です。強調された印象的な絵を描きます。正面から見た絵ですが、この絵から立体を想像する能力にたけているようで機械設計のようにCADは使っていません。
ねぶた師には弟子達がいて、ねぶた師の指示で部分の制作を分担します。角材を支柱に使い、その周りに太目のアルミワイヤーでしょうか、針金で張り子の枠をつくります。
部分をもちよって全体を組み上げます。正面から見た幅は9mもある大型ねぶたです。高さは道路の障害物を考えてあまり高くできません。したがってなんとなく横に広がったような立体になります。
できた構造は複雑そのものです。支柱の要所要所に電球型LED照明を無数につけます。電源は発電機です。次に張り子の枠に白い和紙をはります。針金の枠の大きさは、曲面がうまくできるように調節されています。次に絵の具を入れます。大きく描く、曲面に描く、裏に針金があるところに描くなどとても素人には描けません。大胆と慣れがだいじです。特に黒の筆使いは勢いや鋭さを出すのに重要です。
こうしてできた大型ねぶたを大きな2輪の台車にのせ、回したり、前に下げたり上げたりして動きをつけ、本番では一段と印象的に見せます。こんな大型ねぶたが何台も、踊り手や笛太鼓などを従えて町の通りを移動するのですから壮観です。
歴史のある大祭の積み重ねの表現力に驚嘆します。
なお、青森ねぶた祭については、ねぶたが商業資本の宣伝に使われており、企業名がねぶたの下部に大きく出ており、目障りで気になります。
ところで、友人は、西洗自治会のお祭りの将来を夢見てこのビデオディスクをくれたのかもしれません。
お祭りは町の人々を元気にします。日限山4丁目は歴史が約50年しかない新町ですが、お祭りを町の行事として重視していると、改善改良の積み重ねの成果がでて、次第に味わいのある個性的な祭りになっていき、町の人々が誇りとするお祭りに成長していきます。
1,2,3,4丁目、まとまって日限山祭りとし、各自治会単位でお祭りを競い、踊りの列とか、楽隊の列とか、お神輿とか、山車・屋台とか、何らかの見ものが各町を巡行し、最後は町の人々が、例えば日限山小学校のグラウンドに終結して日限山の発展を祝してお祭りを終えるのも一案ですね。
神社仏閣がない都市部の町のお祭りとは何か、何を祝うのか、「町」を祝う、「町の人々」を祝うとなるとどのようにお祭りを表現すればいいか、いろいろ考えながら町の人々はお祭りを楽しむといいですね。
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