先日取り上げた会津鉄道「会津浪漫号」で使用される珍車群は、それぞれが展望車・トロッコ車両・お座敷車両に改造されているだけあって、どれも車内は特徴あるものとなっており、今日は先日の外観編に続き、この珍車群の車内の様子を取り上げたいと思います。
(ちなみにMAKIKYUが乗車した臨時快速列車では、展望車を除く2両は締切扱いでしたが、乗車時にはこれらの車両への貫通路も空いており、乗務員の方に許可を得て後2両の車内を撮影しています)
まずMAKIKYUが乗車した展望車「風覧望」ですが、こちらは会津若松寄り先頭部が展望席に改造されており、通常3両編成で運行される場合、会津若松行きではこの展望席が先頭に立ちますので、会津若松行き列車では展望席は特等席とも言え、MAKIKYUが乗車した臨時快速(会津若松行き)でも、展望席から真っ先に座席が埋まる状況でした。
展望席は床が段上げされており、回転式のリクライニングシートが3列配列されていますが、この車両の大きな特徴としては、展望席より前にある運転台がワンマンカーの如く左側半室となっており、この手の車両にしては珍しい構造と言えます。
右側半室にはベンチ(実質1.5人掛け程度の幅です)が設けられており、ここからは展望席以上に前面展望が楽しめる様になっている事も大きな特徴で、ここは座席のグレードこそ他に比べて大幅に落ちますが、「風覧望」に乗車する機会があるならば、是非一度は乗車したいと感じるもので、MAKIKYUも七日町で先客が下車してから会津若松までの1駅間だけながら、ここにも乗車して来ました。
展望席の後側には移設された客ドアが設けられており、その後ろにも回転式リクライニングシートの座席(座席自体は同一ですが、モケットの色が展望席と異なります)が並んでいますが、こちらも窓が大きく拡大され、座席が段上げされている上に、天井構造も改められています。
そのため客室内はキハ40形の原型は全然感じられず、新型の有料特急車に負けない程の状況(この事を考えるとキハ40系列の原型に近い車両を用いた、快速とほぼ同等でありながら急行料金を課しているJRの某有料急行は論外と言えます)で、キハ40形の面影を感じるのは会津田島方の貫通型運転台周辺のみという状況になっています。
中間に連結されたトロッコ車両は、客ドアが会津田島寄り1箇所のみとなっており、その他のドアは撤去されて、客室内はテーブル付きで向い合わせのボックス席がずらりと並ぶ形態になっていますが、キハ30系列の特徴的な外吊り式ドアや、先頭部の形状などはそのままで、客ドアは内側が白く塗装されて目立ち、木目調に改められた化粧板とは対照的です。
座席のグレードは見た所では、ちょっとクッションが入った程度のものですので、展望車やお座敷車両に比べて見劣りする感が否めないものの、この手の車両は一般の車両とは逆に「乗り心地の悪さ」を売りにする傾向があり、また他社のトロッコ車両では木製座席を用いている事例などもある事を考えると、グレード的にはこれでも充分過ぎるのかもしれません。
またトロッコ車両として大改造されているだけでなく、トンネル入線時には天井がプラネタリウムの様に変身する仕掛けも備えている様ですので、他社のトロッコ車両で見られる、天井の骨組みが剥き出しとなった車両などとは異なった楽しみがあり、キハ30形自体の乗車機会も限られる状況になっていますので、この車両への乗車も面白いかもしれません。
そして最後尾(会津田島方)には、軽快気動車AT-100形を改造したお座敷車両が連結されており、この車両も客ドアが1箇所に減らされていますので、外観を見るとドア撤去後が残っていますが、客窓が大きな1枚窓になっている事も大きな特徴と言えます。
それにお座敷車両というとJRのジョイフルトレインなどがあるものの、高額なグリーン料金を要する列車として運行される事が多く、会津浪漫号では普通運賃の他に300円の乗車整理券を購入すれば、会津若松~会津田島間を乗り通す事も可能な事を考えると、この車両は随分乗り得な車両の様に感じられ、MAKIKYUがまた3両の珍車群に乗車する機会があるのならば、今度は是非この車両に乗ってみたいと感じたものです。
(ただこの車両に乗車するのであれば、必然的に会津浪漫号に乗車という事になりますが…)
どれも個性的で興味をそそられる会津浪漫号で使用される3両の珍車群、見ているだけでも面白く、乗って楽しむのにも絶好の車両が連なっており、どの車両に乗ろうか迷ってしまう方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様はこの記事を見て、どの車両に乗車してみたいと思われたでしょうか?
(この記事を見て「この車両に乗ってみたい!」と感じた方は、是非コメントもどうぞ)