先日京急電鉄(最近この呼び方が多用されています)に乗車した際は、今注目されている110周年記念列車の一つで、先日の記事で取り上げた「ありがとうギャラリー号」の他に、もう一編成の110周年記念列車「京急110周年記念の歴史ギャラリー号」にも乗車する機会がありましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。
「京急110年記念の歴史ギャラリー号」は、「ありがとうギャラリー号」と同じ1000形車両の一編成にラッピングを施したもので、こちらは4両編成となっている事もあって、主に大師線で活躍しており、MAKIKYUが先日この列車に乗車したのも大師線内でした。
本線で活躍する姿を見る機会は少ないです(ただ本線での運行も皆無ではなく、朝の快特に今や少なくなった8両編成の同形と併結して走る姿を目撃した事もあります)が、大師線は路線長も短く、稼動編成が短区間をピストン運行する形態となっていますので、同線を訪れれば割合容易にこの編成に遭遇する事が出来ます。
(ただ昼間は10分間隔運転で稼動本数が少なく、5分間隔となるラッシュ時間帯のみ稼動する運用に入る場合などもありますので要注意ですが…)
車内は「歴史ギャラリー号」と名乗るだけあって、創業当時から現代、更には未来の構想に至るまでの沿線風景や歴代車両、京浜急行グループの路線バスの写真などを広告掲載スペースにズラリと並べており、特別京急に愛着を持つ人間でなくても、これらの写真などを見ているとなかなか楽しめるもので、大師線の短い区間内ではなく、快特などの優等列車に次々と抜かされ、所要時間が非常に長い本線普通車での活躍を期待したいと感じる程(そうすればゆっくりとギャラリー見物が出来ますので…)でした。
(ギャラリーの掲載作品に関しては、別記事で近日中に取り上げたいと思います)
ただ外観の関しては、昭和初期の旧型車両をイメージしたマルーンの塗装に木製ドアの組み合わせを、塗装では表現し難い車体リベットやドア木目に至るまで再現しており、これはラッピングの特性を生かしたそれなりのアイディアとも言えるものの、平滑な車体にリベットの印刷フィルムなどは異様な感があります。
またマルーンのラッピングが中途半端な部分で切れて車体上部に原色の赤色が覘いているなど、昭和20年代頃の辛子を連想させられる塗装(?)を再現し、なかなかの出来栄えと感じさせられた「ありがとうギャラリー号」に比べると…と感じてしまうのは少々残念な所で、車内を飾るギャラリーの内容も素晴らしいだけに、せめて車体上部の赤色が覘く様(特に先頭部などは非常に目立ってしまいますので…)だけでも、何とかならなかったものかと思ってしまうものでした。
それでも鋼製車体にも関わらず、偽ステンレス車とでも言うべく不似合いな銀色に塗装して青帯を纏い、挙句の果てに途中でカラードアなどと称して各ドア毎に異なる塗装を施した醜態となり、奇抜極まりなく京急1000形(他社譲渡車両も含めて)の歴史史上は勿論、近年の首都圏を走る鉄道車両全体の中でも最悪の部類に入る車両となった、北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)への譲渡車両(現在の社名になる前の話で、7150形と名乗ったこの車両は既に退役しています)などに比べれば、遥かに良いと感じるのは言うまでもない事ですが…
(しかもみっともない装いの7150形は現役時代に京急線内にまで顔を出す事も良くあり、京急や相互乗り入れ各線沿線では原色で走る車両とのあまりの違いに、唖然とする方も多かったと思います)
写真は鈴木町駅を発車する「京急110年の歴史ギャラリー号」と、ドア付近のラッピングの様子(ドア部分の木目とリベットの印刷、車体上部に覗く赤色の原色に注目)です。